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何のために第二外国語を学ぶのか

こんにちは。ozaといいます。

私はキャリア10年超の勤め人で、こちらのnoteでは言語・旅行・海外調査などをテーマに発信しています。英語は得意で20代半ばには英検1級、TOEICスコア960を取得しています。他に中国語は漢語水平考試6級(一番高い級)、フランス語は20代後半にアンスティチュフランセで学び、スペイン語の学習もここ数年継続しています。

今回は、第二外国語をなぜ学ぶのか、というテーマで投稿します。
学生や20代の社会人に役立つような内容にしています。

大学における第二外国語の意義

日本の大学では多かれ少なかれリベラルアーツを学ぶことになっています。リベラルアーツは、日本語では「教養」と呼ばれ、文理の区別なく幅広く人文科学、社会科学、自然科学を網羅的に学びます。歴史、哲学、数学、文学など様々な知に触れることで、汎用的な思考力を養います。

大学入学の際には、第二外国語として、フランス語、ドイツ語、中国語、ロシア語、スペイン語といった国連公用語でもある言語の中からひとつ選択する場合が多いと思います。これらの言語の窓を通して、日本語とは違った切り口で世界を眺めることができます。
つまり、第二外国語として英語以外の外国語を学ぶことで、世界の様々な思想・理念・文化に触れることができることになり、その分、教養を深めることにつながります。

第二外国語を学ぶメリットは何か

考えられうるメリットとしては、以下の5つあるのではないでしょうか。

(1) 切り口・視点を増やす
(2) 収入を上げる
(3) 自らのコミットメントを示す
(4) 趣味の楽しみ方を広げる
(5) 専門性を深める

それぞれ見ていきます。
(1)"切り口・視点を増やす" のように、切り口・視点を増やす、というのは、上述のとおり教養を深めるということに関連しています。言語は、明確な境界のない事物や事象に対して名前を与えることで、世界の一部を切り取ることができます。
例えば、腕、肘、手、指といった身体の部位は、厳密な境界が定まっているものではないですが言葉によって切り取られることで個別に認識することができます。身体の部位は各言語同じような単語しかありませんが、他の例として、日本語では一人称の呼称が多く、「ぼく」「わたし」「うち」「おれ」「小生」「小職」「拙者」など多数の呼び方があります。それぞれ違うニュアンスを持っています。
一方で、他の言語では、老若男女問わず、英語なら「I」、スペイン語なら「Yo」、フランス語なら「Je」を使うわけです。異なる世界の見方が反映されています。

(2)"収入を上げる" は分かりやすいと思います。一般的にグローバルに活躍するような仕事であれば、収入が高いことが多いため、収入を上げるために外国語を学ぶ、という態度です。ただし、この点については注意が必要だと思います。いくらグローバル化が進んでいるとは言え、日本企業の中で活躍するうえでは、必ずしも第一外国語である英語でさえ必須ではないと思います。英語ができなくて出世の道が断たれるということはそうは多くないと思います。(一部の企業を除く)
そして、私個人の経験としては、英語は収入アップや自らの市場価値の向上に役立っていると言えますが、第二外国語以上の言語については、褒められはするものの直接的に役立つことは全くないですし、当然収入にはつながりません。これは職種にもよるかもしれません。

(3)"自らのコミットメントを示す" はどういう意味かというと、自らがその国の言語に興味・関心を抱き、ライフワークとしてその国に関わっていく覚悟を周囲の人に示す、ということです。
私個人の経験では、中国語を学んだことで中華圏赴任のチャンスを勤務先企業からもらうことができました。現地ではローカルスタッフとのコミュニケーションやプライベートにおける活動の幅に幾らか役に立ったと感じていますが、もし全く言語を解さなかったとしても不利益はなかったと思います。つまり、自らのその国や文化に対する愛着やこだわりといったものを知らしめる効果はあったと思います。

(4)"趣味の楽しみ方を広げる" は(1)(2)(3)といった実用的なメリット以外の位置づけです。あくまで趣味ではあるものの、言語を通してその土地の人々や文化に直接的に触れることができるようになることで、人生の楽しみ方の幅が広がります。
あなたの趣味に映画鑑賞があるとして、日本語字幕がなくとも、俳優が語る言語をそのまま理解することができれば、楽しみは何倍にもなります。現地を旅する際にも、観光業界の方々であれば英語を解することができますが、それ以外の方は日本と同様に英語を解さないことが多いです。現地の言葉で話せることで、その土地で出会う人々に、より親近感をもってもらうことができます。現地の生の情報をその土地の言語で仕入れることもできるため、情報収集の幅も間違いなく広がります。

(5)"専門性を深める" は言語学や翻訳通訳など言語自体を専門とすることです。外交官も広義には言語による交渉・交流を生業としていると言えるでしょう。この場合は言語自体を仕事にすると言うことなのでメリットうんぬんの話ではなく生業として活かしていくことになります。

言語学習は加速する

複数の言語を学ぶことの、その他の特徴は、言語学習の加速です。英語のコンテンツでスペイン語を学んだり、中国語のコンテンツでフランス語を学んだりすることができるようになります。現在、YouTube等の媒体で出回っているコンテンツには英語の方が日本語よりも多いと言えます。また、フランス語やスペイン語は同じロマンス系言語に分類されるため、文法や単語が似通っており、2合目、3合目からスタートすることができるという大きなメリットがあります。英単語ともところどころ似ています。

私自身は、ひとつの言語ができるようになる目途がついたら、次の言語の学習に取り掛かるようにしています。中国にいながら、フランス語教室(現地のアンスティチュ・フランセ)に通ったり、中国のフランス語学科の学生にフランス語を教えてもらったりすることで、フランス語を通して中国現地の方とのネットワークを広げたりしていました。あくまで言語はツールだと思っているのでいわゆる複数言語を操るポリグロットには関心はないですが、言語の奥深さを学ぶことは楽しいことだと思っています。

余談ですが、フランス語学習の場合は特にそうですが、初心者レベルから、フランス語でフランス語を教えるというスタイルとなっています。日本語も基本的にはそのように身に付けたわけであり、それが本来のあるべき姿だと私は思います。

おわりに

英語をいま頑張って学んでいる人は、まだ第二外国語を学ぶのは早いのではないか、と考えるかもしれません。しかし、仕事に役立てるだけでなく、趣味として言語を学びながら、より世界を楽しむ手段を増やすことができると思います。

皆さんもぜひ一緒に英語を始めとした外国語たちを学び、より人生を楽しみましょう。

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