ロックンロールは生きている

ロックンロールは生きている。

いやー、今日は 
面白い人に出会いました。

いつものように
児童館に行ったんです、 はたらきに。

で、事務所に入ったら
そこにわらべうたの講座を
やり終えた先生が入ってきた。

わらべうたって
お母さんが赤ちゃんに
歌うあれです。

てーんてーんてまり ♪
とか、そういうやつ。

で、
そのわらべうたの先生が
無類のロック好きで、
「どっちも魂をゆさぶるのよ」
と力説しはじめたんです。

びっくりしまして。

興味が出てきて
さらに話を聞くと、
この方、もう還暦だそうですが、
娘の頃は、親に猛反発して
ジーンズを自分で切ったりして
ロックコンサートに
通っていたのだとか。

「ジミヘンの魂の叫びが
 たまらない!」

とか言いながら。

で、さらに面白かったのは、
その方にお子さんができて、
その子が成長して
娘さんになったら
ビジュアル系を聴き出して、
鼻だのアゴだのにピアスを
つけはじめたと。

Dir en grey という
バンドの大ファンで
ひたすら追っかけをしていて、
ついに受験勉強の最中にも
ライブに行ってしまう始末。

そのときに、
わらべうたの先生は
こう言って怒ったそうです。

「塾に行きなさいよ!」

ロックの娘だった人が
親になって
体制側になっている(!)

で、母娘、大げんか。

最後はどうなったかって?

「負けたのよ」

と、その先生は言いました。

その言い方が
めっちゃ「ロック」だった。

キース・リチャーズ
みたいだった。

で、
いっしょに Dir en grey を
聴くようになって、
いまでは
大の仲良しなんですって。

「ロック」をめぐる
その方の歴史が
もうたまらなく感動的で、
意味なく
涙が出てきちゃいました。

それでね、いまは
「人がいちばん
 はじめに聴く音楽は
 母が子に唄うわらべうただ」
ということで、
そこに 「ロック」を感じて
わらべうたを伝承しているのだと。

ジミヘンとかビートルズが
背景にある人が

てーんてーんてまり ♪

をやってるっていうんですから、
なんだかものすごいことに思えます。

で、そこにですね、
今日お客さんでやってきていた
スクールソーシャルワーカーの方が
入ってきて、

「わたし、
 ブランキージェットシティの
 (ゴリゴリのロックバンドです)
 大ファンです」

と言いはじめる。

福祉の世界を
ロックが席巻している
エッジな光景に
「なんじゃ、この児童館は!」
と爆笑してしまいました。

ロックンロールって
本当にいろんなところに
生きているんですね。

消えない種火のように。

(今回の記事は
 音のないラジオ「生きているQ」
 から抜粋、加筆編集しました。)

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