見出し画像

物価高の原因である原油生産(OPEC)の大変化 〜オイルダラー制離脱の理由〜

原油の世界生産を決めているのはOPECです。

石油輸出国機構(せきゆゆしゅつこくきこう、: Organization of the Petroleum Exporting Countries、略称OPEC日本語発音:オペックopec、アメリカ英語発音:[ˈoʊpek] オウペク))は、国際石油資本などから石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月14日に設立された組織である。設立当初は、イランイラククウェートサウジアラビアベネズエラの5か国を加盟国としていたものの、後に加盟国は増加し、2020年9月現在では13か国が加盟している[1]

ウイキペディアより

OPECのホームページです。

1970年代には石油の価格決定権を国際石油資本より奪い、価格引き上げのための2度のオイルショックを起こしたが、1986年から石油価格は自由市場へ移行した。

米国ドルの基軸通貨として、「オイルダラー」が誕生したのは、1974年の、米国国務長官のキッシンジャーとサウジアラビアとのワシントン・リヤド密約によるものです。

OPECは、サウジ、イラン、クウェート、首長国連合(UAE5国)、ベネズエラ、イラン、イラク、リビア、ナイジェリア、アルジェリア、アンゴラなどが加盟しています。

その加盟国は、BRICSの新通貨に参加する意思を示しています。

密約から50年、米国は「オイルダラー」制から離脱することになります。

米国にとっても、OPEC産油国中心から、非OPEC諸国に世界の原油生産が分散化しているのでオイルダラーの重要度が低くなったことも要因です。

現在の世界の物価上昇の原因のひとつは、2020年春からの原油価格の上昇があります。

2020年2月24日のウクライナ戦争直後(20ドル)から最高120ドル/バレルまで上昇しています。

世界の原油消費は、1日約1億バーレル(159億リットル)。

地球人口80億人では、1人当たり2リットル/日です。

電力、自動車の燃料、工業製造、化学製品などに転化して使っています。

石油をこのまま使い続けても、シェールオイル・ガスの採掘技術の革新もあり4000年分はあります。

太陽光(原油より4倍高い)や自然の代替エネルギーの生産コストは、原油より高くなるので物価が上昇する要因となります。

CO2削減どころか、CO2はもっと増え続けます。

OPEC23カ国の日量の生産は、(ロシアなどを含む)と6000万バーレルです。

OPECからの輸出は、先進国向けなので、ほぼ100%OPECからの供給です。

非OPEC産油国は、旧ソビエト連邦諸国(CIS)、米国、メキシコ、カナダ、英国、ノルウェー、中国、マレーシア等。

生産量は1965年以降、概ね堅調に増加しており、1965年の1,808万バレル/日から、2019年には5,963万バレル/日で急速に増産しており、現在ではOPECの生産量と同じです。

出典:BP Statistical Review of World Energy 2021 - Oil: Production

先進国でも、米国は、シェールガスを増産すれば輸出国になりますが、政治的に、自国内のエネルギー資源は守る(採掘しない)という大方針があります。

いくつもの層が折り重なるシェール層から取り出すのは不可能と思われてきたが、技術開発により18年ほど前からシェールオイル・ガスが量産されるようになった。

中国は、自国で430万バーレル/日を生産していますが、不足分の1100万バーレル/日を輸入する世界1の消費国です。

中国が産油国(ロシア含む)と蜜月である理由の一つでしょう。

資源がない日本のエネルギー輸入も大きく(原油換算で)500万バーレル/日です。

【拙著の購入はこちら↓】
☆amazon新着ランキング 1位

【一 遼(にのまえ りょう)の毎日投稿のSNS】
・ノート:
https://note.com/ninomaeryou

・X(エックス・旧ツイッター):https://twitter.com/ninomaeryou/

・インスタグラム:
https://www.instagram.com/ninomae_ryou

・フェースブック:https://www.facebook.com/ninomaeryou/

・リンクドイン:
https://www.linkedin.com/in/ninomaeryou/

よろしければサポートお願い致します。クリエーターとして、国内外の科学的情報収集の活動費として使わさせて頂きます。