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世界一の小売業の栄枯盛衰から、次の時代を読み解く

小売業(DS:ディスカウントストアー)の雄といえば、現在ウオルマートです。

1962年に創業し、現在の売上高6113億ドル(89兆6,844億円)で、世界ダントツ1位です。

株価は2024年8月7日現在66.91ドルです。

1972年 - ニューヨーク証券取引所に上場。

一方、ウオルマート隆盛前のDSといえば、KMARTでした。

Kmart(ケイマート)はアメリカ合衆国イリノイ州に本社があり、各地に百貨店型の店舗を展開する全米有数の小売業者であった。ビジネスのピーク時の1994年には、ディスカウント店・Kmartスーパーセンター店合計2323店を展開していたが、2002年にまた2018年に破産宣告を行ない、202店に縮小した。2005年から2019年まではシアーズ・ホールディングス傘下にあったが、その後エディー・ランパート(Eddie Lampert)が所有するTransformco(Transform Holdco LLC)所有になった。2022年現在では数店舗を残すのみとなっている。

ウイッキペディアより

注:百貨店型店舗とウイッキペディアは解説していますが、ディスカウントストアーという業態です。

Kマートのバイヤー発注は、中央集権型(本部の発注権限)でした。

ウオルマートは、分散型(店舗の発注権限)です。

この変化の根幹は、コンピュータの普及と関係があります。

1995年にWindowsが発売され、パソコンが一挙に普及しました。

Kマートの最大の成長期というのは、パソコンのない時代の「手書き、ファックス、電話」だったのです。

その時代に、中央集権型の企業統制というのは、時代の流れからすると当然であり最適でした。

時代は、白物家電や日用生活品の品種が増え普及し価格破壊が起こっていたのです。

例えば、Tシャツを1万個発注すると3,000円でも、10万個発注すると1,000円の、1/3(価格破壊)になる。

その世界最大のKマートに挑戦したウオルーマーは、ディスカウント業態としては後発ですから、Kマートとの差別化が必要でした。

その最大の差別化要因は、コンピューターのシステムを最大限活用し、世界の小売業において最先端のシステムを導入し続けた事です。

それが、分散型管理を可能としたのです。

さらに、ウオルマートが創業した頃から米国市民の生活は大きく変化し、TPOS(いつ、どこで、どんな動機で、どんなスタイルで)分類で物質的な豊かさを求める傾向が強まりました。

例えば、白物家電は、より機能的になりデザインも重視されはじめます。

衣料も、元々多民族国家ですから、体型もデザインの好みも大きな違いがあり。

時代は多様化となり、画一的な製品開発は、時代に合わなくなっていました。

つまり、店舗ごとに売れるものが大きく違うのです。

その大きな時代の変化と潮流に乗ったのがウオルマートの創業者サム・ウオルトンです。

世界最大の小売業であろうとも、時代の変化に対応しなくてはいけません。

現在は、そのウオルーマートもアマゾンに猛追されています。

最新の小売業売上高ランキング1位〜10位です。(海外は為替変動があり、出来るだけ調整)

出典:https://nrf.com/research-insights/top-retailers/top-50-global-retailers/top-50-global-retailers-2024

8位:セブン&アイ(Seven & I)/日本ですが、イトーヨーカ堂(総合スーパー)は完全に衰退しておりオワコンで、50年前から始まり”乗り換え”が上手く行ったコンビニ業態がなければ、Kマートのように倒産していたでしょう。

ちなみに、当方は、昭和の時代、当時小売業の雄だったイトーヨーカ堂(他はダイエー・イオンも)の新卒採用に合格していましたが、「何か(大手小売業は)違う」と感じアクセンチュア(コンサルティング業界)を選択しました。

今でも小売業に興味があり好きなのは、ゼロから小売チェーンストア(創業者)として成功し続けた亡父の影響によるものです。

人生を振り返ると、職業選択は人生を大きく変えるという事をしみじみと実感します。

さて、小売業というのは、世界一の企業であろうとも、時代の変化に対応できなくては没落してしまいます。

理屈で分かっていても、実際の企業というのは巨大化すると、官僚主義が蔓延り”乗り物を乗り換える”のは困難になります。

新しい乗り物を発見出来た企業が、次の時代の勝者なのです。

アマゾンの次の世代の主役としての流通業の最新業態は、すでに多数育っているというのが、当方経営コンサルタントとしてのリサーチの結果です。

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