【朗読・後記】「蜘蛛の糸」を読んでみる

また芥川龍之介の作品についての話になってしまいます。実は数週間前から太宰治の作品に取り組んでいるのですが、大変手こずっております。分からなくていつも顔がしわくちゃになってしまうので、シワ防止のために別な作品を挟みながら練習をしています。
「蜘蛛の糸」は何回も読んでいますし収録もしています。でもしっくりこなくて.だめだな〜違うな〜と思いながら読んでいました。
朗読を初めて習った時の課題がこの作品だったのですが、どうもその時の刷り込みが激しく、その読みを変えることができませんでした。

この作品の登場人物はお釈迦様とカンダタ、そしてストーリーテラーです。ストーリーテラーは2人のことを読み手に説明しています。立ち位置も登場人物よりもむしろ読み手に近いように感じます。なので落語の語りのようなイメージを持っていました.しかし聞き手に向かって語ることが出来ず苦労していました。
指導も受けたのですがどうやっても出来ない。文字を読んでしまう。耳で違いはわかるのに、どうやればいいのか分かりませんでした。
前回は今年の1月に収録しましたが、自分の中ではなんとなくイメージがあるもののできていません。自分の限界をみました。
今回、太宰治の作品を練習しているときに、ふと「これかもしれない」と感じたことがあり、試しに「蜘蛛の糸」を読んでみました。自分の中では大革命が起こったのですが、私以外の人にはどうでもいいことです。1人でニンマリしています。だいぶイメージに近づけるようになりました。
「蜘蛛の糸」は柔らかな声で穏やかできれいに読む方が多いので、奇抜だと感じる方が多いことでしょう。私流の解釈と表現ということでお聞きいただければと思います。

※トップ画像は蜘蛛の巣です。雨なのか朝露なのか、水滴がたくさんついています。

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