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マイクロノベル集

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140字以内で書いた短い短いお話です。
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2022年11月の記事一覧

【マイクロノベル】キャラメル

【マイクロノベル】キャラメル

 会社の机の上にキャラメルがあった。箱には「一粒300m」とある。ああ、パッケージが新しくなったのか。一粒食べちゃおう。モグモグ。食べ終わる頃なんだか鼻の穴がムズムズしてきた。鼻の下を上下させ鼻を動かしてみるがどうにもならない。かゆいかゆい!うわぁ!その瞬間ブワッと鼻毛が伸びた。

(ショートショート部 お題「キャラメル」)

【マイクロノベル】親父の店

【マイクロノベル】親父の店

 山間の集落にある「親父の店」に来た。大鍋から美味そうな匂いが漂っている。女将が取り分ける。これが名物の「親父鍋」。味噌仕立てで、根菜や菜葉と共に肉が煮込まれており、刻みネギが散らしてある。具材は全て地元で調達したものばかりだそうだ。それにしても「親父」はどこにいるんだろうなあ。

(ショートショート部 今週のお題「名物」)

【マイクロノベル】多様性社会

【マイクロノベル】多様性社会

 今や人間界と異世界との境界などない。魔物などと人々が畏れたのは大昔の話だ。先祖を辿り1人2人魔族がいても誰も驚かない。俺も先祖の血の名残で頭に2本の角があり、天然アフロヘアーだ。毎年ある時期によくバイトに誘われる。豆をぶつけられたり太巻き寿司を売ったり。でもな俺の先祖は雷様だ。

【マイクロノベル】コレクション

【マイクロノベル】コレクション

 私の愛するものばかりを集めた自慢のコレクションをお見せするわ。これらは祖母の代から集めている古伊万里の器たち。そしてこっちは十年前から集めているアンティークドール。そして、これは大好きなマロンちゃん。剥製にしたからずっとそばにいられるの。そして、この奥の部屋には彼がいるのよ。 

(今週のお題「自慢」)