【マーガリン禁止？】海外では規制され日本で規制されない訳

にのひろです❗️😄

健康に良くないからとマーガリンを使うことを禁止している国や地域があると聞いたことがあります、なぜ禁止なのでしょうか。

アメリカなどではマーガリンの使用が禁止されている地域があります。

今回はそんなマーガリンを海外では規制され日本では規制されないのかをお伝えします。

1. マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が規制されている国・地域がある

マーガリンの摂取が健康上の問題を引き起こす可能性があるという説は、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸にあります。よって、トランス脂肪酸への規制を含む対策を講じている国や地域、さらにはマーガリンの販売・使用を禁止している地域も存在しています。

世界保健機関（WHO）は、生活習慣病を防ぐため、食品中のトランス脂肪酸から摂取するエネルギー量を、総摂取エネルギー量の1％よりも少なくすることを目標としています。各国政府に対し、トランス脂肪酸の低減を進めるよう呼びかけています。

ただ、食生活は国や地域によって多種多様であり、食品からとる脂質やトランス脂肪酸の量も大きく異なります。そこで、食品からトランス脂肪酸をとる量を推定することにより、規制を含む各種対策の必要性などが各国で検討されています。

例えば、食事からとる脂質の量が多く、その結果としてトランス脂肪酸をWHOの目標値よりも多くとっている国や地域などに規制が加えられています。

2.トランス脂肪酸を摂取する健康上のリスク

脂質は三大栄養素の一つであり、食品からとる量が少なすぎると健康リスクを高めることがあります。

しかし、その一方で、脂質は炭水化物（でんぷんや糖類）、たんぱく質に比べて、同じ量当たりのエネルギーが大きいため、とりすぎた場合は肥満などによる生活習慣病のリスクを高めます。

トランス脂肪酸は食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることが示されています。

3. トランス脂肪酸研究の問題点

トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、脂質をとる量が多く、その結果としてトランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、脂質をとる量が少ない日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません。

油脂の加工・精製でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのか、また、たくさんの種類があるトランス脂肪酸の中で、どのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては、十分な科学的情報がありません。

4. 通常の日本人の摂取量では健康への影響は小さい

日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムとなります。

日本人の大多数がエネルギー比1％未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられます。

しかし、その一方で、日本人でも、食事からとる脂質の量が多い場合には、トランス脂肪酸をとる量も多くなることが報告されているため、普段から食塩や脂質を控えめにし、いろいろな食品をバランスよく食べるという食生活指針の基本を守れば、トランス脂肪酸によって心臓病のリスクが高まる可能性は低いと推定されます。

5. 日本のトランス脂肪酸対策

日本ではトランス脂肪酸の法的規制はなされていませんが、健康への関心が高まっていることを受けて、最近では、食品事業者による自主的な努力により、トランス脂肪酸の濃度を低減した食品が製造・販売されています。

食品としてのおいしさを維持するとともに、飽和脂肪酸を増やさないようにしながら、食品事業者はトランス脂肪酸をできるだけ減らすための対策を進めています。

マーガリンのトランス脂肪酸が気になる方は、購入前にメーカーサイトでトランス脂肪対策について確認しておくとよいでしょう。
メーカーによっては商品に含まれるトランス脂肪酸の量を公表していますので、安心して購入することができます。

最後に

日本人の場合、通常の摂取量の範囲であれば、マーガリンは健康に悪影響を与えるものではないということがわかりました。

とはいえ、普段から油脂を多くとる食生活を送っている方はトランス脂肪酸も多く摂取する傾向にあるといいますし、トランス脂肪酸の健康への影響はまだ明らかになっていない部分もありますので、普段から油脂を過剰に摂取しないよう気をつけることが大切です。