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とある毒親育ちの夢の話。

これは、とある早朝のひとりごと。
私、夢があるんだ。

20代の私へ。自分の為に写真を1枚残すこと。とびっきりにお洒落をしたやつ。

30代の私へ。猫を1匹わが家に迎えて、1人と1匹で、ふたり暮らしを始めること。

今までは「いつか」って思ってたけど。これからは「やる」って思って良いじゃん。自分の人生だもん。

これは自分への覚え書き。



誰の為でもなく、自分の為に、今までの私の「夢」について、少し語ります。
これも、とある早朝のひとりごと。


小さい頃の夢は、声優になることだった。
幼少期、アニメに心を支えられた私は、迷うことなくその世界を志した。色々挑戦して、挫折もした。
だから知った。
自分にとって、人前に立って、人に見られるということが、致命的に向いていないこと。
声優を目指していた時の自分が、“凄く無理をした自分だった”っていうのも、見ないようにしていただけで、自分では、とっくの昔に気付いていた。
声優になりたいと思い、高校時代は演劇部に所属していたが、今思い返しても、自ら地獄の火鍋に飛び込むようなものだったな...とゾッとする。
人に見られることが、極度に苦手なのだ。
固まって、一挙手一投足、息をするのさえ、苦しくなる。産まれてからずっと、両親から否定されて育ってきたから。
何につけても「お前はダメな奴だ」と叱られ、殴られてきた私にとって、人に見られる行為というのは、ずっと「お前なんか」「存在価値が無い奴だ」と罵られてるのと同じだけの、耐えられないくらいの自己嫌悪を伴った。
そして声優になりたいのに、演技を好きになれない自分のことも、どんどん嫌いになっていった。
そこからも色々とチャレンジはするんだけど...結局私は、演技を好きになることは出来なかった。
諦めた...とはちょっと違う、ひとつの夢とのお別れをした。

もうひとつ、小さい頃からの夢があった。
イラストレーターになること。
何かの世界を描くことが、心の底から楽しかった。
やっぱり私はアニメが大好きだったから、描きながらキャラクターの気持ちを想像することで、嬉しい気持ちも楽しい気持ちも、悲しい気持ちも寂しい気持ちも、自分も一緒に体感しているみたいで。
その瞬間が、すごく幸せだった。
「私の好きなことは、これだ」って、確信していた。小さい頃から、本当にずっと。

私にとっては、アニメとの出会いが、人生の凄く大きな割合を占めていたんだろうな、と思う。
声優やイラストレーターを目指していない今も、アニメやゲームが大好きだから、やっぱり根本から大好きなんだと思う。

ここまで好きなことがはっきりしてるんだったら、幼少期から目指せばよかったのに、とも少し思う。
でも、そこまで上手くいかないのが現実という奴。

価値観や視野のクソ狭いど田舎に産まれた私には、進路の選択肢なんて、無いに等しかった。
両親は私を問答無用で公務員や有名企業のサラリーマンにしたがったし、幼少期からずっとそういう教育をされてきた。うちは特に、公務員信仰の気質が強かったので尚更。
産まれてから大学まで、公務員やサラリーマンになるレールの上を歩かされたきた人間が、声優やイラストレーターになるのは、(ほぼほぼ)無理だ。
並大抵の努力では叶わない。そして私は、並大抵の人間だった。

悔しかった。

仕方のないことだとしても、「私なりに死ぬ程頑張った」という免罪符があったとしても、“私の欲しい”実力を持っていない私のことが、大嫌いだった。
外野から見れば無い物ねだりだと言われようとも、当時の私が心の底から欲しかったのは、世間のいう「良い大学」に入れる実力ではなく、「声優やイラストレーターを目指せる」環境や勉強をする学校に入れる実力だった。

その後大学に進学しても尚、私はどうしても「絵を描きたかった」し、どうしても「声優に憧れていた」。

だから足掻いた。

足掻いた。

足掻いた。

足掻いた。

足掻いて足掻いて。

命懸けでガムシャラに生きる中で...今の職と出会った。

今の職は、私にとって天職だと思っている。向いているし、心の底からやりたい。時に苦い思いをしながらも、私らしく掴んだ「夢」だな、と思う。
正直、声優に憧れていた気持ちも、絵を描きたい気持ちも、私の中には大切に持っている。
だって、青春時代の夢だよ。大事に決まってる。
だから、大切にしながら、前を向く。
前を向いた今の私は、冒頭に書いたような気持ちで、今までの私の「夢」と向き合っている。

あの頃の私が憧れていたものは手に入らなかったけど。
それでも、自分なりのチャレンジをしたことについては、本当に納得してる。そしてそれは...凄いことなんじゃないかと思う。これで、死ぬまで「ずっと声優になりたかったのに」って、亡霊みたいに言い続けないですむ。私は亡霊にはなりたくない。
今を生きる私は、今を全力で楽しみたい。

今の私にしか出来ないこと、私が叶えたい「夢」。まだまだあるよ。
人間は何度でも夢を描けるのだと、最近になって、よく体感している。
そんな、若い頃は鼻で笑っていた言葉も、今なら大切に噛み締めることが出来る。
歳を取るのも、悪いことばかりじゃない。
あの時の悔しい思いも、寂しい思いも、醜い思いも、全部抱えて、私はまた新しい「夢」を見ている。

そんなことを、こんな早朝に、何だか語りたくなったんだ。

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