富士見ヶ丘にて、偏愛へ誘(いざな)うキャロットケーキ
今日の記録は、私が沼に落ちるきっかけになったキャロットケーキ。
友人のMEGS CAKESが提供するケーキです。
MEGS CAKESはポップアップなどで焼き菓子を販売しており、食べられる機会はとっても希少。
私が前回最後に彼女のキャロットケーキを食べてから、1年半ぶりにポップアップが開催されるとのビッグニュースを耳にし、駆けつけて参りました。
場所は、1年半前まで毎週ポップアップが行われていた富士見ヶ丘にある蜃気楼珈琲さん。以前は地下に店舗がありましたが、今回のポップアップは最近できた地上のお店にて。
普段は店舗を持たないバリスタの方の日替わりコーヒーがいただけたり、様々なポップアップを開催されている賑やかな場所です。
さてさて本題です。
作り手の友人に連れられて、久々の、念願の、渇望した再会のお相手がこちら…!
なんと…!
フロスティングが二層なところは1年半前と変わらないままですが、さらにグレードアップして、華やかなビジュアルになってるではありませんか…!
空腹を満たしてくれそうなボリューム感。登場と共にふーんわりと優しくスパイスが香ります。
フロスティングの上にはキャラメリゼされたクルミと、華やかさを演出する人参の飾りに、ドライオレンジ。
背中の方には、彼女のケーキお決まりの「カソナード」というサトウキビ100%の茶色みを帯びた透明なお砂糖がかかっています。
このカソナードがまた、ビーズの飾りつけのようでなんとも可愛らしいのです。
「以前のケーキとの違いを当ててみて」と、友人がにっこり。
華やかなトップの飾り以外の違いーー
それは、レーズンでした。
以前のケーキの具材は人参とくるみ。カットされた断面をひと目見て、その存在に気がつきました。
スパイスの配合だったらどうしよう、と一瞬はらはらしましたが、なんとかファンとしての威厳を保つことができてほっとしたのでした。
待ち望んだ大好きなケーキ、ようやく口にすることができる…!
生地はふか、もちっ。
ほろっと崩れますが、しっかりと水分感があります。
具材は前述の通り、ごろごろクルミか、レーズンのどちらかに毎フォークごと出会うことができます。クルミの大きさも頻度もちょうど良くて、時たまじゅわっと滲むレーズンの水分が嬉しい。総合的なバランスが実に素晴らしいのです。
スパイスはほんのりシナモンとカルダモン。生地自体の甘さも、スパイスづかいも、とっても優しく上品です。
そうそう、このお味、この風味‥!
「キャロットケーキはシナモン味のケーキ」という私の固定概念を覆してくれたのはこの風味のおかげだ‥と初心を思い出しつつ、久々に味わうことができたケーキの美味しさを噛みしめます。
フロスティングはとろーっとした柔らかい舌触り。クリームチーズのほのかな酸味の奥にコクのあるミルキーさ。バターの風味をよく感じます。
二層だから、生地とのマッチをたっぷりと楽しめるのも嬉しいポイントのひとつ。
トッピングのにんじんは甘さがあってカリッとしています。
作り方を聞いてみると、お砂糖漬けしたにんじんをオーブンで焼いて、それをくるくると成型するのだそう。温かいうちに成型しないと固まってしまうので時間との勝負。職人技ですね‥!
キャラメリゼされたくるみは、香ばしいコクと深みがありつつ、ケーキに新しい食感と味わいのアクセントを添えてくれます。
にんじんの飾りも、くるみも、どちらも単品で食べても美味しいので、もったいなくてすこーしずつ味わいました。
終盤、背中の方に到達すると、シャリっと新しい食感。
正体は、茶色いお砂糖、カソナードです。この食感がまた独特で楽しくて、一口ごとにクセになるのです。こちらのお砂糖、素朴な甘みで、甘さが強いわけではないので、ケーキ全体のバランスを損ねることがありません。
最後まで飽きることなく、「食べ終わりたくない!」と思わせてくれる、彼女のセンスに脱帽です。
創意工夫が隅々まで凝らされたMEGS CAKESのキャロットケーキ。
1年半ぶりに食べられたそのお味は、もともとの美味しさを基盤に、グレードアップしてさらに美味しい作品になっていました。
美味しさの追求と彼女のこだわりに、終始感動なのでした。
今年はポップアップをもっと開催したいと話す彼女。
またどこかで食べられる日が来たその時は、もちろん駆けつけるつもりです。
一緒にキャロットケーキの沼へ、誘(いざな)われてみませんか?
(ラッキーにも作り手の彼女と出会えたその日には、彼女の素敵な人柄に、漏れなく彼女のファンにもなってしまうこと必至です。)
最後に‥沼のきっかけを記した記事がこちらです。
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