キャロットケーキへの誘(いざな)い
キャロットケーキほど振り幅の広いおやつを他に知らない。
私がキャロットケーキを初めて口したのはちょうど1年前のこと。
もともと甘党でしたが、シナモンが苦手な私は、
「キャロットケーキ…
最近よく見かける気がするけど、
にんじんのケーキはそそられないな。
しかもシナモン味なんでしょ?」
くらいに思っていました。
要するに侮っていました。
食べてみたいと思ったきっかけは、
お菓子作りをしている友人の存在。
彼女の作る焼き菓子は、見た目の美しさや、少し変化球な食材の組み合わせなど、いつも私の食欲を掻き立て、好奇心をくすぐるものがあったのです。
そんな彼女が作るお菓子を食べる機会がついにやってきました。それこそがキャロットケーキだったのです。
衝撃でした。
それは、想像していた「シナモン味のにんじんケーキ」とは異なる、なんとも繊細で、それでいて複雑さも含んだ味わい深い食べものでした。
生地はスパイス感とクルミの食感が楽しく、その生地と、
トップと真ん中に挟まれている、
ほんのりレアチーズのような酸味のある
なめらかでたっぷりなフロスティングとの融合が
一口ごとに多幸感をもたらすのです。
肝心のにんじんは目視できるのですが、味としてはほとんど感じません。
彼女のケーキにはシナモンの他にカルダモンが使われているそうで、シナモンの主張が強すぎなかったこともまた、私に刺さった要因のひとつでした。
とにかく彼女のケーキをきっかけに、
私は沼へと足を踏み入れてしまいました。
キャロットケーキを食すようになって少し経ったころ、(最初のうちは見かけたら食べてみる、程度のものでした)彼女のキャロットケーキが自分のストライクゾーンど真ん中なケーキだったことに気がつきました。
そこにキャロットケーキの面白さ、奥深さがあるのです。
お店によって形状は様々で、食べてみるまでどんな味なのかわからない。
生地もフロスティングも様々な要素で細分化されるので、味の可能性はまさに無限大。
どれも「キャロットケーキ」なのに、とてつもなく変化に富んでいる。
シナモンの主張が強くなったり、酸味のないフロスティングだったりすると、美味しくとも、私の求めていたキャロットケーキとは違うことに、なんとも身勝手ですが、少しだけ気落ちするのです。(もちろん、シナモンや、甘いフロスティングが好きな方も多くいらっしゃると思います)
だからこそ、自分好みの味のケーキに出会えたときの嬉しさったらありません。
にんじんさえ使われていれば、「キャロットケーキ」を名乗っても良い。
私の中でのキャロットケーキの定義です。
そんな多様性を持った焼き菓子って、そう簡単には思いつきません。
チーズケーキ、ガトーショコラ、シュークリーム‥
種類はいろいろあれど、およそ味の想像がつくものですし、大体がその想像の域を超えないものです。
キャロットケーキは中世のイギリス発祥。
お砂糖が稀少だった時代に、糖度の高い人参を用いたことが始まりだそう。現代において、こんな進化を遂げるとは、そして、こんな熱量を持った人が現れるとは、キャロットケーキを最初に作った人はまさか思ってもみなかったことでしょう。
長くなりましたが、
キャロットケーキを食べ続けることちょうど1年、
自分の記録のために始めました。
ズボラな性格なので、今後継続するためにも
シンプルな情報と記録にするつもりです。
こんな長文はこの回だけのはず・・です。
ここまで読んでくれる方なんているのだろうか。
こちらをきっかけに、キャロットケーキ情報を交換できたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
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