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日記 2024.8.4(日) わたしのための料理。

日曜日の朝。8時過ぎまで布団の中。昨日の夜は体と心がぽかぽかあったかくなってなかなか眠れなかった。横になったまま歌を歌ったりして数時間過ごしてから眠った。

洗濯しようと起き上がる。今日もいい天気になりそう。梅の土用干しも順調にいくだろう。朝のうちに梅をひっくり返しておく。少ししっとりとした触感が気持ちいい。風が吹く度にいい香りがする。汗をかきながら洗濯物を干してやっぱりエアコンをつけた。頭が少しぼーっとする。今日はゆっくり休むとしよう。と言いながら、昨日かるべけいこさんのレシピで気になったものを作ってみたくなった。
今朝は図書館へ行くのもやめた。野菜ジュースを飲みながらおかずを二品作ってみる。ひとつはニラとゴーヤの味噌炒め。わたしはゴーヤの苦味が大好きだ。ゴーヤと味噌を合わせたらそりゃあ絶対に美味しいはずだと思った。ゴーヤを縦に切って中のわたを取りスライスしごま油で炒める。火が通ったらニラを切って入れさらに炒める。水で伸ばした味噌を入れて絡めたらもう完成。ちょっと濃いめに仕上げるとあったが確かにその通りだった。ニラはもっと多く入れて火も通し過ぎないと触感も香りも良くなるかもしれない。今度作るときはそうしてみよう。
この間買ったほっくほくのかぼちゃは残り全部使ってオクラと合わせて煮物にする。かぼちゃを乱切りにしてフライパン(本当は鍋)に入れ、半分が浸かるくらいの水を入れる。しょうゆを回し入れてフタをして火が通るまで煮る。水分が減ってきてかぼちゃに火が通ったところでひと口大に切ったオクラを入れてフタをして、少し火を強めてオクラを蒸し上げるような形にして仕上げる。オクラとかぼちゃの組み合わせは初めてみてどんなものかとわくわくしたけれどすっごく美味しくできた。しっかり味付けできればおしょうゆだけでこんなにかぼちゃの甘さが引き立つのかと感動する。美味しいおしょうゆを使うことも大事だと感じた。かぼちゃのほくほくとオクラの食感が絶妙で美味しい。二つとも定番のおかずに決定だ。
お昼ご飯はこの二つのおかずに大好きな焼き米を。最高にしあわせなお昼ご飯だった。今日作ったおかずは明日のお弁当にも入れてみよう。嬉しくなってお母さんとお父さん、まいちゃんにも撮った写真を送った。

素朴なおかず。
素朴な野菜のおかず二品。

無職になるまでわたしは自分が料理を毎日作るということができない人間だと思っていた。誰かのためならば作る気にもなるが、一人で作ってもそんなに楽しくないと思っていた。長らく食事は職場で済ませる生活だったし、週一回のお休みはとにかく寝たかったし出かけたかった。いつもは朝の野菜ジュースくらいしか作っていなかったからわたしの台所はいつもきれいだった。結婚した友だちが料理を毎日するようになっていくのがすごいなぁと思っていた。

料理が楽しくなってきたのもやっぱり人と作るからだった。まいちゃんのおうちに遊びに行って作るごはん、元住人が週に一回遊びに来て一緒に作る夕飯。おしゃべりしながら台所に立ってわいわい料理をつくること、美味しいねといいながらご飯を食べることにすごくすごくしあわせを感じた。誰かとつくる料理だったら楽しい。そう思った。

コロナ禍になって休みの日にあんまり出かけられなくなってあんまり不安はなかった。というか危機を感じるとわたしは急にしっかりし始める性分なので、いまこそ家の中で最大限に楽しく過ごす必要がある、料理をしていく必要がある、そう感じた。その時手に取ったのが高山なおみさんの「自炊。何にしようか」という本だった。もうタイトルからして肩の力が抜けていくのを感じた。わたしにもできるものがありそうな自炊レシピが載っていた。表紙にはラップに包んだご飯の写真。なんだかわくわくした。
大好きな野菜を買ってきて作ってみる。どれも少ない食材でできるレシピばかり。エッセイみたいな自炊のレシピたちはすーっとわたしの中に文章として入ってきて、高山さんのひとり暮らしの日常をみせてもらい、これならできるかもと思うと勇気が湧いてきた。自然とわたしはわたしのために料理を作るようになった。わたしが知りたかったレシピってこれだったんだと感じた。わたしの好きなニンジン、ピーマンのレシピはよく作った。この本との出会いは本当に大きい。YouTubeやレシピ本に出てくるような華やかな料理やおもてなし料理じゃなくて、もっと生活に密着した毎日の料理のことがわたしは知りたかったのだ。

塩とお水で漬けているらっきょう、ちょっと心配になって今朝ひとつ取り出して食べてみた。ほんのり塩気があって少しだけ酸味を感じる。食べたあとじわーっと美味しさが余韻に残り嬉しくなった。うまくいっているらしい。しゅわしゅわ泡が上がってきていたのが落ち着いて、全体が黄色っぽく変わってきたのが正解なのかどうかわからずちょっと心配だったのだ。食べてみてよかった。

今日は台所の下の棚を整理してみた。ここに梅干しやらっきょうを保管してみたい。コンロの下の棚には調味料を入れている。片栗粉、梅酢、黒酢、しょうゆ、ごま油、ココナッツオイル。あとはお塩と胡椒、クミン、唐辛子、黒ごま。わたしの調味料はほぼこれだけ。色々と使ってみたりしてわたしに必要なのはこれだけで十分だとわかってきた。手前に調味料やお茶を配置して、奥の方にはお味噌と梅干しを保管することにししよう。ものを減らしてからスカスカだった棚。新聞紙に包んだ瓶を大事に配置したらぱんぱんになってきた。

夕方散歩に出る。番茶が無くなりそうだったのと、新たに調味料として加えてみたいみりんを探しに出かけた。買ったことない番茶を見つけると買ってみたくなる。今回は京都の三年番茶を買った。食材の棚を整理していてわかめがないことにも気づいたのでわかめも買う。

今日のお買い物。番茶に乾燥わかめ。

街をのんびり散歩。ジェラート屋さんでジェラートを食べようかなと店の前を通る。でもなんだか今日はもう満足できている気がしたのでそのまま通り過ぎてしまった。のんびり夕方の空気を楽しみながら家まで帰る。

夕飯はお昼に作ったおかずとニラをのっけたお豆腐、パンをふたかけらで簡単に済ませる。お昼に作ったおかずたち、しみじみと美味しいなぁと感じながらゆっくり噛んで食べた。かるべけいこさんの野菜料理のレシピ、もっともっといろいろ試してみたい。

めんどくさいなと思う日もちゃんとあるけれど、いつのまにかわたしは毎日、わたしのためにご飯を作るようになった。わたしに喜んでもらいたくて野菜を選び、調味料を揃えたりする。基本的にわたしは玄米と梅干しとお味噌汁があれば満足するということも知った。少ない食材でもちゃんとわたしを喜ばせることができるんだと思うと嬉しくなる。毎日の実践の中で、わたしはわたしに必要な分だけの料理を作ることができている。これでいいのではないかな。わたしにとっての料理とはこういうことだったんだなあと思う。ご馳走レシピはほとんど知らないけれど、わたしは毎日料理をして、以前よりもずっと元気になっている。

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