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日記 2024.3.5(火) 動き出す/雨の図書館/無職を振り返る/無職の9ヶ月/続けること

8時ごろ起き上がる。ここ数日、わたしの中でそわそわと気持ちが動き出しているのを感じている。小さな無職の日々に一定の満足を感じてきている。
拘束時間の長い職場に10年以上居続けたこともあって無職を続けたいのは単純にしっかり休みたかった、理由はそれだけかと思っていた。けれどどうやらそれだけでは無さそうな気がしてきている。

今朝はご飯を炊く。2.5合くらいを小さな土鍋で炊く。5部つきくらいの古米に小豆も入れて炊いていく。古米の風味を良くするために酒かすと塩を入れて炊くはずだったのにすっかり忘れてしまった。まあいいや、ごま塩をたっぷりかけて食べるとしよう。顔を洗って太白ごま油、昨日作った化粧水を塗っていく。ちょっとやっぱり顔がかぴっとするな。化粧水のうるおいが足りないのだろうか。グリセリンを買ってこよう。すばやくクリームを塗り重ね、化粧まで一気に終わらせる。

今日は図書館に行きたい。天気も良くないしちょうどいいな。雑巾とお酢のスプレーで床を拭く。すっきり気持ちがいい。どんよりとした日にこそ掃除はいいかもしれない。
鉄瓶いっぱいに湯を沸かして番茶とチコリコーヒーを淹れる。今日は梅醤番茶を持って図書館に行こう。苦手な公共施設で梅醤番茶、絶対リラックスできると思う。朝ごはんは豆乳グルトにハチミツときなこをかけて。最後だったのでパックのまま豪快に食べた。美味しい。

まいちゃんとアガベシロップの話をしたのと、お母さんと塩の話をしていたので朝から砂糖と塩について調べてみる。うん、なんとも面白い。自分が日常的に使っているものの成分や栄養価を調べるのが面白くなってきた。暇を見つけてちょっとずつ調べて知っていこう。

無職になった時に決めたこと、やりたかったことを全部やる。家族とたくさんの時間を過ごす。使っているもの、持ち物を見直して半分にする。生活を小さくする。手づくりをする。絵を描いたり手を動かす。調べたいことを調べて知っていく。無職の9ヶ月を振り返り、できていること足りないことを把握してみたい。

お昼ご飯は炊き立てのご飯にアボカド、納豆を乗っけて食べる。小豆を少し多めに入れたら赤飯みたいでほくほくとしておいしい。もぐもぐしながら絵を描く。早描きに少し慣れてきたけれど、新しくやりたいことができたのでちょっとこの絵は時間がかかるかもしれない。それでも絵を描いている時間はわたしに必要な時間となっているので続けていく。わたしにとって絵を描くことは色を知ること、好きな色を組み合わせる勉強にもなっている。絵は人に見せている。わたしは自分の本心や気持ちを言葉で人に伝えるのが苦手なのだけれど、絵を描くことですこし伝えられるようになった気がする。人に自分を見せる練習も無職になってやりたかったことのひとつかもしれない。本心を人に話さない不気味な人間から抜け出したい。

12時前に外に出る。傘をさす人をちらほら見かける。降ってきたか。それでもざーっと降り出すまでは傘を手に持って歩きたくない。図書館まではなんとか持ってくれと思いながら歩く。間に合った。今日は図書館のお勉強スペースに人が少ない。雨だからか、いつもより時間が早いからか、それとも受験シーズンが終わったからなのか。窓際の一番端っこの席を確保できた。座ってノートを開く。このノートは前の職場で時間がある時に書いていたわたしの事業計画ノートだった。架空のお店を具体的にイメージしたくて調べものをまとめたノート。少しだけわたしの理想のお店の展望も書かれていた。思った以上に内容の濃いノートになっていて、すっかり忘れていたわたしは驚いてしまった。読んでいて楽しい。この時から気持ちは変わってしまっているけれど、また新たに架空の事業計画書を書いてみようと思った。

自分の1日の中に空想の事業計画書を作成する時間を組み込むため、1日のスケジュールを見直す。朝起きてから布団の中で過ごす1時間を有効に使い、午前中のうちに絵を描いたり日記も書き進めておくことにする。午後からは図書館へ移動して自分の考えをまとめたり、足りない部分を補うための勉強をしてみたい。足りない部分をあぶり出すために無職になってからやってきたことを思い出しながら書き出してみよう。
芯だけの鉛筆と消しゴム、方眼紙と白い紙を持ってきた。この芯だけ鉛筆、久しぶりに使ったらとってもいい。文房具はほとんど使わなくなってしまったけれど1番のお気に入りだけ残してある。大好きなもので書いていく。ここは1番楽しいことだからこだわらなくてはいけないと思う。

続けることがすごく苦手だったわたしでも好きなことだけは続けてこられている。日常の中に組み込まれ習慣化し、無理なく続けられるようになってきたこと。毎日続けることが自分のこころを支えてくれていることに気づいている。続けることができているというだけで安心感が半端じゃない。そして少しだけわたしに自信を与えてくれている。

わたしは無職を自分で選んで生きている。自分の化粧水がかぴかぴするのも、食べ過ぎてお腹がくるしいのも、時々さぼって昼寝し過ぎたり、やりたくないことから逃げてみたり、全部自分の責任でやっている。すべて自分のやったこと。あとからちゃんと自分に返ってくるからよく分かる。

わたしは1番好きなこと、楽しいことを最大限に楽しみ集中するために、まずは周りを整えていたのかもしれない。自分の力で自分を元気にすることも少しできるようになってきた。落ち込んだ時も工夫できるようになってきた。家事をするのも大好きになってきた。完璧じゃなくていいから続ける。掃除、洗濯、食事、勉強、習慣化されていけば大好きなことにもぐっと集中できる。そんなことに気づくために私は9ヶ月かかった。

時々本を読みながら図書館での時間を楽しく過ごす。雨の窓際の図書館は美しいし少しほっとする。外でヒヨドリが黄色い実をくわえて落とすのが見える。鳥を見ながら図書館で過ごせるってなんてしあわせなのだろう。梅醤番茶が美味しい。自分の安心するものがそばにあるだけでこんなにもリラックスできるのだと思った。コーヒーを買って飲もうかと思ったけれど、そんな必要はなかった。15時ごろどうにもこうにも寒くなってきたので帰ることにする。気持ちはいいけれど、最高気温が9度の日の窓際の席は寒いね。少しだけれど書き出すことで自分の中にあるものを整理できてすっきりした。

帰りは雨の中高架下を選んで歩く。豆乳と黒ごませんべいを買ってから帰った。さて夕飯を作るか。数時間図書館で過ごしただけなのになんだか久しぶりに感じる部屋を眺めながらこんにゃくをごま油で炒めて甘辛煮にする。変な味になった。お味噌汁はキャベツと豆腐。今日はちょっぴりカレー風味の味噌汁。美味しかった。味噌汁は土鍋で作ってその上にご飯を置いて温める。ちゃんとほんのり温まった。蒸し器じゃなくても土鍋の蓋の上でご飯は温められるのね。

夜になってもしとしと雨が降る。一雨ごとに暖かくなり春がやってくる。どこかではもうふきのとうが芽を出しているようだ。わたしも少しずつ、土の中から頭をだす準備をしている。

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