見出し画像

日記 2024.4.19(金) 湯気とともに広がるやさしい世界。

5時ごろ目が覚める。眠ってからちょうど8時間。わたしの睡眠時間の正確さったらほんとうすごいのね。睡眠も満足なのか。寝ることに満足したから自然と目が覚めるということか。アラームなしで目覚められるとほんとうに気持ちがいい。
今日は天気が良さそう。昨日の夜は雨が降っていた。家の中で感じる夜の雨の音、大好きだ。

近ごろ緊張というものをしなくなってきている。わたしはちょっとしたことでもすぐ緊張してしまうタイプだったので緊張しない自分がいることにけっこう驚いている。人前に出ることもそうだけれど、荷物を発送したり、旅行に出かけたり、料理をすることだって緊張していた。だけど今はそんなことは全くなくて楽しむことに集中できている。リラックスしている。肩に力が入っていないから肩こりもほとんどなくなった。楽しく、面白くに着目して素直にやりたいことだけやる、こうして経験してきたことのひとつの答えなのだろうか。

朝から気分が良くて元住人に日曜日空いているか連絡してみる。日曜日は予定があって今日なら空いているという。他にも話があったので電話をかける。メッセージは距離を取りたい場合にはいいけれど、微妙なニュアンスを知りたい時は声を聞いた方が早い。久しぶりにいろいろと話をした。彼は最近ギャンブルをやめていてぜんぜん楽しくないらしい。わたしはギャンブルにはほとんど手をつけたことがないのでこの苦しみやつまらなさは分からない。わたしの場合は足を踏み入れないようにしているというのもある。それはハマってしまうとがっつりのめり込んでしまいそうだからだと思っていたけれど、彼と話をするうちにどうやらちょっと違うような気もしてきた。どちらかといえばわたしは自分を制御し過ぎてしまうタイプかもしれない。彼もわたしがギャンブルにハマるとは思えないという。人と話していると、話しているうちにだんだん自分を知って理解していく。新しい自分に出会う。これも無職の中で学んだことのひとつかもしれない。以前のわたしならば相手の気持ちがぶわっと自分の中に入ってきてしまうような感覚になっていたと思う。相手のつらさを自分のことのように感じ、おせっかいを焼いてしまっていただろう。人は人、自分は自分をはっきりさせる。相手の気持ちの本当のところは分からないのだから意見は言えない。その上で人の話を聞くことができるようになってきたら、楽になって冷静に対応できるようになってきた。
彼はいま退屈を感じ、悩み始めているようだった。彼の思っている自分とわたしから見える彼の姿にはずれがあるようだったので、そこに着目してみてもいいのかもしれないと伝えてみる。
自分にまっすぐ興味を持ってくれる人を人は意外と嫌がらない。あなたはこうだとか、こうした方がいいとかそんなんじゃなくて、ただありのままわたしに見えている姿を伝えてみる。それをきっかけとして自ら悩んでいけたらいいのかもしれない。苦しんで悩んでだんだん自分を知っていくと、やっぱり嬉しいものだとわたしも経験してよく分かってきた。自分に一ミリも興味を持つことができなかったわたしがいま自分を大好きになることができているのだからひとつの例として間違ってはいないのだろう。彼にもいつも、心の底から自分を好きでいてほしい。
結局明日会うことにして電話を切った。4時間くらいしゃべっていた。しゃべりながらわたしはお昼ご飯を作って食べて片付けていた。電話で長い時間しゃべる時は隣の部屋でしゃべっているような感覚になる。リラックスできる相手だと電話している感覚も途中からなくなってきて、自分の作業を進めながら話すことができる。

お昼寝の時間。今日は風が強くてざわざわしている。30分くらいしっかりと眠って起き上がる。図書館で本を読みたくなった。
いつもの道を通って図書館へ。途中のコンビニであんぱんを買う。セザンヌとアイヌ紋様、哲学の本を出して席につく。今日手に取ったセザンヌの画集は、セザンヌの生涯のエピソードが書かれていて面白い。友だちや家族に宛てた手紙などもあり、彼の苦悩や不安が感じられた。自分の感覚の動きをとらえ表現しようとし続けたセザンヌに勇気をもらう。
ちょっと早めに図書館を出る。来た道と同じ道を通る。行きでは気づかなかったけれど、いつのまにか民家の桜の木が葉桜になっていた。若々しい葉が風にそよぐ。やわらかくてつやつやとしてきれいだった。
夕飯はお味噌汁に玄米パンを焼いて食べる。玄米パンがほんとう美味しい。
今日は久しぶりに銭湯へ行く。風があって少しだけひんやりしているので銭湯も気持ちがよさそう。洗い物を済ませてマットレスを敷いて、ぱぱっと支度を整えて出かける。18時過ぎ、まだ暗くなる前の道をゆく。脱衣場に入るとまだ首も座っていないくらいの赤ちゃんをたくさんの人が囲んでいた。周りにいるわたしまで目尻が下がる。やさしい景色。銭湯には湯気とともにあたたかな空気が広がっている。ここにはやさしさと配慮がいつもある。

わたしにとって自分がしあわせになるということは始まりに過ぎない。まずは自分を助ける。その上ではじめて誰かの役に立てるようにと動いていくことができるのではないかなと感じている。やさしさを持ち寄り分け合うことができる安心安全な場所、そんな場所をわたしも作っていきたい。

この記事が参加している募集

今こんな気分

今日の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?