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⑥ 自分の病気のことはネットで徹底的に調べる

  文芸春秋の新年特大号の特集「私が大切にしている10のこと」に習って、今の自分の10をあげ、順を追って説明しています。

① 全ての人と横の関係
② 監視人殿(妻)には決して逆らわない、
③ 息子達に必要な援助はおしまないが、口はださない、
④ 二人で暮らせる限り人形町に住む
⑤ 驕らず、転ばず、風邪ひかず
⑥ 自分の病気のことはネットで徹底的に調べる
⑦ 毎日リハビリ運動とリハビリ散歩をかかさない、
⑧ いつも上機嫌なふりをする、
⑨ 日記を書く
⑩ 本を読み、1行コメントを書く


⑥ 自分の病気のことはネットで徹底的に調べる

 昨年3月健康診断で受けた内視鏡検査で食道癌が発覚した。えっ、自分が?と頭が真っ白にはなったが、幸いかろうじて食道の範疇に収まっており、転移はないとのこと。聖路加病院の医師は私の現状を鑑みて手術ではなく、放射線治療を勧める。
 
 胃がんや大腸がんの話はよく聞くが、食道癌は初耳、1週間程毎日ネットで検索して徹底的に調べた。食道癌はかなり厄介だ。手術するなら食道全体を切除し、胃の上部を引っ張り上げて喉に直結する。6,7時間に及ぶ大手術、体への負担が大きく、予後も心配。一方、放射線治療なら、食道はそのままだから体への負担は少ないが、反面、再発の可能性は手術より高い。
 
 医師の推奨もあり、放射線治療を受けるとして、同じ放射線でも先進の陽子線治療がよさそうだ。患部に線量を集中するので、副作用が少なく、治療効果も高そうだ。陽子線治療は健康保険対象外だが、加入している医療保険に先進特約を付けているので、費用約300万円が補填される。千葉柏の癌研東病院に設備があり、実績も多い。と言ったことは全て、ネットで調べた。
 
 4月末に陽子線治療を開始、最初の1週間は入院して抗がん剤投与された。ところが、退院した日から歩けなくなり、舌も回らず、まともに喋れない。病院近くのホテルに逗留して2週間程、車椅子生活だった。ネットで調べて、抗がん剤の副作用ではないかと内科医に言うが、そんなことはありえないと相手にされない。東病院に週に一度来ている脳神経内科医の診察を受け、抗がん剤の副作用だろうと言ってもらい、抗がん剤投与の2回目は中止となった。
 
 陽子線治療後、定期的に検査を受け、暫くは無事だったが、1年後に再発し、更に2月後に再再発した。放射線治療後の再発は通常は手術で撤去するのだが、出来れば手術は回避したい。医師は内視鏡によるレーザーを使った治療があるというので、又もネットで調べ、内科医が言っているPDT治療とはなにか、治療実績、更なる再発の確率なども理解した。結果、2度にわたりPDT治療を受けて、今は一息ついている。
 
 癌研東病院は癌の専門病院、私がかかわったのは、消化器内科、消化器外科、放射線科、内視鏡科などに細かく別れ、それぞれの専門分野で権威ある医師が連なっている。ところが、隣の分野のことは蚊帳の外、外科医は手術を勧め、放射線科医は陽子線治療で対応できると言い、内科医はそれぞれの話を聞いて自分で決めてくださいとのこと。
 
 結局、最後は自分の病気の事は自分で徹底的に調べるしかない。幸い昨今はネットで調べると殆どのことは分かる。医師はそれぞれの分野の専門家、私の体調等、全体感を見て相談できる医師は専門病院にはいない・・・・らしい。それぞれの専門家同士がお互いの分野には踏み込みにくいのかもしれない。


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