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延長戦

 2014年6月の日記です。
 
 今月末の株主総会にて任期満了、退任と決まっている。
22歳で大学の理系を卒業し、某鉄鋼会社に就職、
45年間働き続けて、今は立派な高齢者、67歳だ。
最後は、上場企業のトップを勤め、
時の運に恵まれていい仕事が出来たと、勝手に自己満足している。
個人的にも二人の息子は独立し、一家をなしているから、
父親業も卒業している。
 
 退任後は、非常勤の相談役だが、
具体的な業務があるわけではない。
悠々自適、晴ゴルフ、雨読書とは言うものの、
簡単には割り切れず、些か寂しい気もする。
ところが、意外にも、姫路のG社の社長から、
姫路に来て経営を指南していただけないか、との誘いがあった。
代表取締役をお願いしますとのこと。
 
 G社の社長(2代目)とは某証券会社のアナリストに紹介され、
3度会っており、私の経営手法を紹介し、アドバイスもしている。
1か月ほど時間をおいて了解した。
 
 今までは、会社の背番号を背負って仕事をしてきたわけで、
特別な資格や技術、人脈などがあるわけではなく、
会社を離れればただの人に過ぎないことは、
渡辺淳一「孤船」を読むまでもなく、充分に自覚している。

 今回の誘いは、今までの会社や業界と何の繋がりもなく、
単に経営者としての資質を買い被られたわけで、
不安もあるが、今後の勤務は余禄みたいなもの、
個人的には失敗して元々と、割り切ることもできる。
人生は一度しかない、新たな土地に住み、
新たな経験が出来るのは、望外の儲けものだ。
 
 先週の土曜日、姫路に行き、賃貸マンションを契約した。
初の関西生活、週末には京都を歩き、瀬戸内海の港町で海を眺め、
冬は山陰の蟹も楽しめるだろう。
改修完了間近の姫路城も楽しみだ。
25日の株主総会で現職は終了し、月内に転居する。
監視人付きで。

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