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日本は二院制

 政府が特別国会を11月11日に召集し、その日のうちに総理大臣指名選挙が行われることになった。
 
 首相指名選挙は、各自が自分の党の党首名を書くので過半数を占める候補はいないから、結局1,2位の決選投票となる。自民の石破、立憲の野田両氏の争いになる。現在の情勢では石破首相続投になりそうだが、野田氏は全野党の結束を呼び掛けており、万一その通りになったら野田首相が誕生する。ありえないとは思うが、可能性は0ではない。
 
 石破首相続投の場合、衆議院の勢力は223程度になり、過半数の233には10程足りない。予算をはじめ、諸々の法案を通すには常に、野党の一部、例えば国民民主党又は維新の賛同を得る必要がある。昨今、国民民主党の玉木代表がメディアで持てはやされているが、維新も同じ立場なのだ。
 
 まさかとは思うが、万一、野田首相が誕生したら・・・・国政は全く進まず、混迷することになりそうだ。衆議院で各野党が結束して法案を通したとしても、参議院では自公が過半数だから否決される。その場合、衆議院で再度採決をして3分の2以上の議決数を得れば、衆議院の議決が優先されて可決できるが、とても無理だ。結局国会は機能不全になる。

参議院は自公が146、過半数を21上回る。

 多分、野田氏はその辺は分かっているから、目下最大の関心事は来年7月の参議院選挙で自公を過半数割れに追い込む事だろう。参議院選挙の対象は全議員ではなく、議員の半数だから自公が過半数割れになる可能性は低い。仮に、過半数割れになったとしても、政権運営は今回続投する(であろう)石破首相よりさらに厳しい。何を進めるにしても、衆参の両院で、国民民主党・維新・共産、更に、れいわ・諸派・無所属も含めた合意が必要となり、可能性は低い。何も決まらないことになりそうだ。
 
 
(参考)
衆議院の決定が優先されること:
・予算の議決条約の承認・内閣総理大臣の指名法律の再可決
・法律の再可決
  衆議院で決まった法律が参議院で反対された場合、衆議院で3分の2以 
  上の賛成があれば参議院が反対しても法律が成立するしくみのこと。

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