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NHKのロングインタビュー 佐藤優氏

 先日、あの佐藤優氏がなんと・・・・NHKのロングインタビューに応じ、テレビで放映された。彼は旧ソ連駐在の外交官時代、旧ソ連・ロシアに独自の情報ルートを構築して秘密情報を入手、インテリジェンスのプロとして知られている。東京地検特捜部に逮捕、起訴され外交官身分を失ってからは作家として活躍し、今に至っている。豊富な知識を背景に独自の視点をもち、多数の著作を発表している。
 
 一方、マスコミに出るのは好みでないらしく、活動は地味で、かつ論理の展開が精緻で普通の人には分かりにくい面があって、一般受けしない。要するに何が言いたいのだ、と聞きたくなる時も多々ある。
 
 私は、文芸春秋に毎月書いている彼の書評を読み、それなりに興味を惹かれている。彼の意見、主張に必ずしも同調するわけではないが、その主張に至った論理、経緯を読み、豊富な知識と分析力には敬意を払っている。
 
 NHKがネットでインタビュー全文を公開している。
佐藤優ロングインタビュー スクープの舞台裏、混迷する世界・新時代への思い - クローズアップ現代 取材ノート - NHK みんなでプラス

 彼はウクライナ戦争について、即時停戦して和平交渉する、と主張している。私とは意見が違うが、彼の深い洞察には一理も二理もあることは認めている。インタビューの一部を切り取ると・・・・
 
 キリスト教の場合には、全ての人に罪があると考えるんですね。罪が形になると悪になる。悪が体現すると悪魔になるんです。ですから、バイデンさんから見るとプーチンさんは悪魔なんです。プーチンさんから見るとゼレンスキーさんとバイデンさんは悪魔なんです。本当の悪魔のように見えるわけなんです。そういう価値観を持っている人たちの論理を進めてくと、世界は破滅しちゃうんですよ。そうすると我々が、その人たちがそういう考えを持つのはいいんだけれども、それじゃあ世の中が破滅しちゃうから、みんな上手に住み分けていきましょうと。こういったことを言ってかないといけないと思うんですよね。
 
 この結論に至る諸々(の一部)がインタビューで述べられている。全部を丁寧に読むには多少の忍耐力が必要だが、読んでみるとなかなか面白い。世に色々な人がいて、深く物事を考えている人がいる、と今更ながら思う。人間いくつになっても勉強・・・・なか。

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