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ついに北海道上陸!一周の旅(2)

大沼キャンプ場から旅は始まる!

手描きのメモ。雑な字で・・・

フェリーは函館に着き、まずは大沼にあるキャンプ場を目指す。
とにかく北海道を走って思ったことは
目的地までの 点から点が 長い!!!
どんだけ走っても景色があまり変わらない
走ってる地元の人の車のスピードが猛烈
ってなことで 新規さんの私は タジタジとなっている。

北海道一日目のテント。緊張しています!

でも北海道で救われた点は
どこに行っても 行く先々でキャンプ場があり
今夜 寝る場所を探すことに 苦労しなかったことだ。
さすが旅人の土地!北海道!
行くところ行くところで 多くのバイカーたちに会い
ちょうどお盆休みという事もあって キャンプ場は大盛況だった。

後ろに見えるのは駒ヶ岳。北海道旅の最後にも同じキャンプ場に泊まることになる。
大沼の夕暮れ。湖を目の前にしてテントを張ることができ
自然の美しさ、壮大さに圧倒される北海道旅の始まり。
倶知安のキャンプ場

お盆休みだけの短期旅行バイカーたちが 帰ってしまった北海道には
移住型 長期のバイカーだけがキャンプ場に残る。
長期の旅の間に 装備がどんどんと大きくなり
ガスコンロ、フライパン、遊び道具、楽器、テントの装備も立派になり
ここに住み着いてるんですか?って 雰囲気の旅人ばかり。
倶知安のキャンプ場には定住型バイカーがいて
出てくる出てくる、いろんな遊び道具、楽器、ジャグリング道具、カードゲーム。
ここに滞在してる間に 目の前に見える 羊蹄山(蝦夷富士)に
三回も登頂したんだとか、いろんな話を聞かせてくれる。

蝦夷富士 羊蹄山
私が各地をまわって、再びこのキャンプ場に戻った時に 
まだ彼らはそこに居たのだから 驚く!
この牛の模様のバイクは、石垣島でキャンプしている時にすれ違って
ああああ!!!っと驚きの再会を果たした。
北と南で会うなんて!人との出会いはオモシロい。
ニセコパノラマライン。美しい温泉もある。温泉帰り。寒い。
苔の洞門 一面苔で覆われている水の通り道。クマの通り道としても有名。

アイヌ一万年祭に向かう

倶知安をでて、平取町(アイヌの町)で行われる
アイヌモシリ」に向かうことにする。
その途中にある苔の洞門にも立ち寄る。
(苔フェチの私は調子に乗って何時間もそこで過ごしてしまい
 後々 もっと早くにここを発つべきだったと後悔する・・・)

その祭りは「アイヌ一万年祭」とも言われ
アイヌ文化を味わうことができる祭りだ。

平取町にはもともとアイヌの末裔がたくさん住んでいる。
その山奥で、祭りは行われる。
これまたすごい分かりにくい 小さな小さな目印をたどって
山奥まで分け入る。
たった一人バイクでの 日が暮れかかった山道は
本当に心細く 人っ子ひとりいない道は真っ暗
その小さな目印(ここから曲がるという矢印)を見落としてしまったら
間違いなく私は 遭難者だ・・・・と思いながら
緊張と不安でいっぱいになりながら 山道を進む。
(GPSとかいう便利なものを持ち歩いてない時代。
 この広大な山の中 自分がどこにいるのか 知る由もない。)

なんとか矢印をたどってたどり着いた先の藪の中に
ぽつりぽつりと 明かりが灯っているのが見える。
あ。ここか。 やっと着いた・・・・。

すでに多くの人が好きなように焚火を囲み
ギターを奏でたり 歌を歌って踊ったりしている。

好きなところにテントを張っていいと言われ
なんとか今日寝るテントを設営し終えた時には
もう 緊張でテンパっていて グッタリと疲れていた。
苔の洞門で苔と戯れすぎたのがいけなかった・・・
こんな細い山道を 夜中たった一人でバイクを走らせてきたのは
大間違いだった・・・。

次の日 陽の明るさと温かさに包まれた会場には
縄文時代なのか?もしかしてここは日本じゃないのかも
なんて光景が広がっていて 目を見張った。

藁でできたティピ
アイヌの美しい刺繍を施した服を販売してる掘っ立て小屋
手の込んだアイヌ刺繍

朝になり 祭りの全容がつかめてきた私は やっと 緊張をほどき
彼らの仲間に入れてもらうことにした。
ここにもディジュリデュを吹いている人がいたり
ジャンベを叩いたり 即興で ジャムセッションが始まる。
私もディジュリデュを吹いて輪の中に入っていくことは
とても自然なことのように感じられた。
その場にいた人すべてが 壁のない人々
昨夜ここに たどり着いたばかりの私も すぐに受け入れてくれたからだ。

地元の男の子。ディジュリデュを吹いていた。掘っ立て小屋はチャイ屋さん。

近くに流れる小川で みな料理の準備をしたり 皿を洗ったりしている。
その下流では 旅人が身体を洗ったりしている。
私も同じようにして 大自然のまま 暮らしてみることにした。
冷たい川の流れは気持ちよく 汗を流すのにはピッタリだった。
しばらく滞在していると その場にいる人たちが 昔から知っていた
友達のように感じられてくるのだ。
焚火を囲んで いろんな話をした。
ディジュリデュを吹いて太鼓をたたいて
空に祈りを届けた。
まるで太古の村 そのまんまのような生活をしていると
不思議とそれが 当たり前のように感じて
文明とは切り離されたその空間が とても心地よく感じられた。

アイヌモシリを終え旅は続く。

旅を続けるために平取町を後にする。
日高峠を越えて帯広に向かう。

アメリカンバイクでの峠越えは、坂道でスピードがでなくて
後ろに渋滞を作ってしまった・・・すみません。
阿寒国立公園 オンネトー湖まで至る道のりはダートロードで
何度も滑って転びそうになる。
オンロード用のバイクでダートを走るのは本当に冷や汗タラタラ・・・
一度派手に転んだ。
透ける水の美しい 湖
エメラルドグリーンの美しい水をたたえた湖
屈斜路湖畔のキャンプ場でテントを張る。
お隣さんの男の子。

屈斜路湖の湖畔には 温泉が湧き出ていて
露天風呂は無料で入ることができる。
人がいるときには水着を着て入っていたが
どうしても ゆったりと素っ裸で入りたかった私は
数日 滞在して 早朝深夜を狙って 素っ裸露天風呂を楽しんでいた。
満天の星空の下で入る 素っ裸の露天風呂は
男性だけの楽しみにしておくのは もったいなさすぎじゃないですか!

この時のお隣さんの彼、それから15年後くらいに連絡をくれて
繋がることができた。その時彼からもらった写真。
旅で出会った人たちと その後 何年か経って
再び繋がれることは この上ない喜び!
もくもく煙が立ち上がる硫黄山
摩周湖からの湧水がこんこんと湧き出る透明の池「神の子池」
あまりの美しさに しばらく茫然とする。
木肌にはりつく菌性植物。この美しさを現す写真技術が私にはない・・・
周りは海のように平らな大地が広がっていて
夜中にはプラネタリウムのような星空が見えるという。
二週間もここでテントを張って、満天の星空を待ってる人もいた。
標津町。海の先に飛び出すようにしてある半島をバイクでめぐる。
立ち枯れの木で有名な場所。
標津町は鮭バイで有名な場所で、この時期になると多くの旅人が
鮭の腹からイクラを取り出すバイトに来ている。
友達になった兄ちゃんもそんなバイトの一人。一緒に野付半島を走ってくれた。

まだ8月終わりだというのに この時期の標津は 呆れるほど寒く
とてもテントで夜を過ごせそうになかった。
銀色のペラペラのアルミ毛布を持って来ていたけれど
そんな防寒用具が全く役に立たないほど寒い。
本当は知床も周りたかったけれど もうどうしようもない寒さで
諦めて、最北端を目指すことになる。
(つづく)
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