そこそこ終わっている人間とメンテナンス 4

私は、とても怖がりです。世の中には恐ろしいことが溢れかえっていると思っています。
痛いのや尖っているのなんかも例外ではないので、鍼治療なんか自分がうける日がくるとは、考えてもいませんでした。それでも、鍼灸師の姉に、
「体質的に、アンタが鍼合えへんってことはなさそうなんやけどな」
なんて言われてしまうと、もう興味が出てきてどうしようもなくなります。というわけで、この間は姉に、初めての鍼治療もしてもらいました。

私は、姉を信じています。世界で1番信じているといっても過言ではありません。それでも、鍼が打たれるというときにはとても緊張しました。聞いていた通り痛くはなかったので、2本目からは大分平気になりました。
鍼は入るとき、キュイーン、という感じがしました。それを姉に伝えると、
「いいよ。それが響く、っていう感覚よ」
と教えてくれました。抜くときは、ニュルン、という感じがして、まるで悪いものが鍼と一緒に抜けていくような気がしました。姉はそれも、
「いいイメージができているね」
と喜んでいました。
キュイーンだとかニュルンだとか、Webライターをやっている身でもっと上手く表現する言葉はないのか、と自分でも思います。初体験レポとしては三流以下です。でも、悪いものに刺さって、悪いものが抜けていく、そんな感じがして元気になった、これが私の初鍼治療でいえる全てでした。鍼治療は鍼で意識をそこに持ってくるもので、決してそういうものではないと教えてはもらったのですが。
治療の最後に姉は、
「気の流れがよくなる鍼も打っとくね」
と言い、お腹とか足首とかいろんなところに鍼を刺してくれました。頼んでもいないのにその治療を行った理由としては、
「多分、アンタはすごい効くから」
とのことです。私は不思議に思い、
「それは何で?」
そう聞くと、
「思い込みが強いからさ」
という答えが返ってきました。
思い込みが強いという理由で身体のいたるところに鍼を刺される女。私は、
(何やそれ…)
と思っていましたが、事実思い込みが強いので、すっかり調子がよくなったのです。

鍼治療は合う・合わないがあるといいますが、興味を持っている方は1度受けてみるのも面白いかもしれません。特に、思い込みが強い方にはおすすめです。
この鍼治療を受けたのも、もう随分前のこと。定期的にメンテナンスを頼める距離に姉がいないので、そこそこ終わっている私は肩こりと思い込みをどんどん酷くする日々を送っています。この肩こりも、
「別にそんな事実はない」
という思い込みで何とかしなければならないので、本日はこの辺で終了とさせていただきます。

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