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鳳来寺を開山した謎の超人、利修仙人とは?

歴史上の偉人は、現代では考えられないような特殊能力を持っていたり、奇跡を引き起こしたりといった超人っぷりを発揮した伝説を残していることが少なくない。

例↓

弘法大師とかいう「なろう系」主人公

尾ひれはひれのついた作り話といわれてしまえばそれまでなのだが、ここはあまり深く考えずに「そういう話が作られるくらいすごい人物やったんやなぁ……」と受け入れておく方が聞いていて楽しい。

前述したリンク先の記事の通り、弘法大師は超人じみた伝説を残している人物の代表格だ。

伝説がすべて作り話だとしても、勉学と修行に励み、平安時代にして中国(唐)に渡って生還したあと、真言宗の開祖となっていることは間違いのない事実であり、その時点でとんでもない人物であるのは明白だ。様々な逸話や伝説が創作されるのは自然なことだと思う。

弘法大師は日本人ならほぼ誰もが知っているが、同じように人間離れした伝説を残しながらも、「まあまあ」の知名度にとどまっている偉人も日本には多くいる。

今回はその中のひとり、利修仙人を紹介しよう。

利修仙人は、570年に山城国(京都南部)で生まれた。

愛知県の鳳来寺山の木の祠に住み、鳳凰や龍と親しくしながら修行をしていた。

655年(85歳)にして百済に渡って学んだあと日本へもどり、悪さをしていた3匹の鬼をこらしめ、従えて暮らしていた。

672年には病にかかった文武天皇から何度も祈祷依頼があったため断れず、鳳凰に乗って訪れ、祈祷によって文武天皇の病を治した。その褒美として、鳳来寺が建てられる。

さらに703年には聖武天皇の病を祈祷で治し、褒美として光明皇后から直筆の額を受け取る(写真の仁王門の上に飾られているもの)。この時点で703年なので、133歳に達している。

878年に、308歳で亡くなったと伝えられている。

修行中の時点で鳳凰や龍と親しくなれるような存在であり、85歳で中国に渡ったり、歴代の天皇から頼られたり、308歳まで生きるというとんでもない人物なのだ。

弘法大師と同じく尾ひれはひれはついていると思われるが、少なくともそういった話が作られるくらいには常人離れした人物だったのだろうなあ、と想像がふくらむ。

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