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自分の店の顧客像をアンケートで分析する〜週末にはじめた小商いカフェの記録①〜

【資料付き】小商いの実験として始めた店を作るまでのこと、店を作ってからの試行錯誤をシェアしていきたいと思います。今回は「顧客の設定」と「マーケティング」について書き綴ります。

①「顧客」の設定をしているか?

店を作ろうと始めたとき「カレーを提供する店」ということは決まっているものの、売っていくための戦略は曖昧でした。
考えないといけない戦略は、

・店が提供する価値は何か?
・回転率は?(提供時間の早さ、ゆっくりできるメニュー有無..etc)
・値段は?(高い商品配置、安い商品配置、セット価格...etc)
・商品のラインナップは?(選べる価値を提供、目玉商品のみの提供..etc)
・メニューの更新度は?(頻繁に更新する、メニューは固定...etc)
・空間は?(広さ、開放感、座席数、椅子の形状、世界観..etc)

といったことです。
これを考えるために、まず「顧客」がどんな人か?を決めていきます。

住宅街の中にある「わざわざ立地」なので、たまたま通行人が店に入る可能性は低いです。「この週末はあの店でゆっくり過ごそう」とスケジュール帳に書き込んでもらうような、ゆっくりした特別な週末を過ごせる場所としてうちの店を使ってほしいと考えました。それが僕の店の顧客です。

顧客のイメージを決めた後は、「店が提供する価値」を考えます。
僕の店の価値として考えたのは、
 ①特別感あるメニュー
 ②リラックスできる空間
 ③写真を撮りたくなる盛り付け

の3つです。これを受け取ってくれる人が僕の店の「顧客」となります。これが決まると、他の要素も決まってきます。

・回転率は?(回転率が悪くてもゆっくり過ごせるお店)
・値段は?(特別な週末を過ごすために、多少高くても品質を上げる)
・商品のラインナップは?(高い品質を維持するために商品数を絞る)
・メニューの更新度は?(頻繁ではなくても多少は更新する)
・空間は?(センス良く開放的で、おしゃれなBGMが流れている)

できました。これらが僕のお店を作っていく上で守らないといけない戦略です。


②仮説として立てた顧客ニーズは本当にあっているか?

しかし残念ながら、僕がそう思っているだけで、その提供したい価値が果たしてこの地域で受け入れられるのかはまだ分かりません。
そこで、お店をオープンしてからしばらくは地域のニーズを分析するアンケートをとっていました。(文末に実際使ったものを添付します)

僕はこのニーズ調査はなんとしてもしたかったので、「アンケートにお答えいただいた方はお会計から100円引きします」という形にしました。すると回収率は6〜7割程度になりました。

30営業日ほどとったアンケートの結果、おおむね僕の狙い通りの結果となりましたが、「美味しさ」を重視する声が予想以上に多いことが分かりました。
居心地いい空間やインスタ映えする商品だけでは、何度も来たくなるお店にはならないんですね・・。(そりゃそうだ。恥)


③顧客は満足しているか?

ニーズ調査で集められた貴重な意見をもとに、今度は「顧客ニーズに答えられているか?」という目線のアンケートをとりはじめました。顧客が求めているニーズは分かったので、そのニーズにどれだけ応えられているかというシンプルな基準で見ていけばお店は成功するはずです。

このアンケートでは、
 ・何を食べたか?それには満足したか?
 ・何を飲んだか?それには満足したか?
という満足度を中心に商品別の「強さ」を測っています。

提供する商品の、味付け、量、特別感、食器、盛り付け方、提供時間、など日々細かいチェックバックをお客さんにしてもらっています。
ちなみに結果として「とても満足」から「全く満足していない」までの7段階評価でアンケートをとり、最高評価の「とても満足」がカレーは80%、ドリンクは88%となっています。

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「とても満足」かつ「近所」の方はおそらくリピート利用してくださる方です。遠方から来る方も大切ですが、この「とても満足」かつ「近所」の方を増やすことができれば、広報費をかけずともリピーターで繁盛するお店が作れるはずです。
今はこのアンケートをもとに、より満足度を高めていく改善を繰り返しているところです。

以上、小商い記録、顧客分析編でした。


<まとめ>

①顧客を決めれば、値段や空間など全ての「戦略」が決まってくる

②戦略を決めて店を運営し始めた後は、戦略が正しかったかを確かめるニーズ調査アンケートをとる

③ニーズ調査の結果をもとに戦略を修正し、それ以降はニーズに応えられているかを調べる満足度調査アンケートを行い、商品を強くしていく

実験店舗:nimo alcamo
webサイト:http://nimoalcamo.com/


実際に使用したアンケートはこちら

もし参考にしたいという方がいらっしゃれば、実際に使用した「ニーズ調査アンケート」「満足度調査アンケート」を添付しますのでどうぞご活用ください。

◯ニーズ調査アンケート

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後半の価値観の選択肢は店によって変わってくると思いますが、ある程度の仮説を持って問いを設定しないとアンケートとったのに全然見えてこないってことになるかもしれません。僕はこのアンケート作った時から「値段の高さは気にしないはず」「営業日少なくても問題ないはず」「特別感のあるメニューは求めているはず」・・・といった仮説を持っていました。それが当たっているか、外れているかを見るって感じですね。


◯満足度調査アンケート

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満足度アンケートはずっと今も取り続けています。結構ダイレクトに小さな不満を教えて下さるんですよね。「あいがけカレーはちょうど半々になるよう盛り付けてほしい」「ちょっとエアコンの風が寒かった」とか。そういう声がある度にオペレーションを改善させています。

そして、アンケート内容は以下のようにGoogle Spreadsheetで管理。入力内容が即グラフ化されるようにしています。(記事執筆時は手入力していましたが、後からGoogleフォームをつかって自動化しました)

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これをずっと時期ごとに集計しているんですけど、オープン当初と今とでは客層が大きく変わっていることが分かりました。当初は店主の知り合いが多かったのが、最近は大半が徒歩、自転車圏内のお客さんへ。リピーターの方々が増えています。
ということは、リピーターさんが飽きないメニューづくりが必要になってくるのかな〜と思い、カレーのメニューを定期的に入れ替えるようにしています。

ぜひ、アンケートを使ったマーケティングされてみてください。少しでもご参考になっていれば幸いです。

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