グレイヘアが長くなった。
グレイヘア。白髪道。
きっぱり決めたり迷ったりしてきたけれど、今はもうすごくすごく気に入っている。こんなに長くしたことは、これまでにない。
Hairpin を使ったり、ヘアゴムや scrunchiesを使ったり、クリップでフル&ハーフアップにしたりと、Pinterest で色々研究するが、なかなかコレとは決まらない。
私のグレイヘアの毛先に残っていた毛染めの茶色い残りはちょっと離れたら視覚でほとんど確認できない程度。それはそれは毛量の多い外側はほぼグレイだけれど、内側はまだ真っ黒ともいえる感じなので、アップにしたり結んだりすると、グレイと黒が思いがけない感じに混じった形で出てくる。
肩くらいの長さだった去年の6月から伸ばし続けて、先日ようやく美容院に行った。もう今は、胸の真ん中あたりまでの長さ。スタイリストは、ちょうどいい長さみたいね、扱いも楽になってきたでしょうと言い、じゃあ毛先を揃えて、ちょっとレイヤーを軽く入れるわね、と言った。
扱いが楽になってきたというのは、髪の重さがあるから頭のてっぺんが立ち上がったりヨコに広がったりしないという意味だが、なにせ洗って乾かしてっていう時間がかなりかかるので、私は髪を洗うスケジュールを立てる毎日を送っている。
洗う日と洗わない日。
Clarifying Shampooは、月に一度。
Purple Shampooは、週に一度にしていたけれど、月二回でよさそう。
髪が多いからまず一度シャンプーで軽く水を通してから、もう一度シャンプーでしっかり汚れを落とす。コンディショナーか、ヘアマスク。
タオルドライしたら、ヘアオイル。
それから、ドライヤーでざっと全体を生乾きに。
その状態で、髪をクリップでまとめてしばらく Moroccanoil をなじませる。
1-2時間後くらいに、AirWrapか Straightner でかなりしっかり乾かす。
最後に残りを自然乾燥。
ムスメに勧められたオイルなのだが、新宿御苑の駅からホテルへの途中にあった美容院のウィンドウに飾ってあって、びっくりした。へぇ、日本でも!うちのムスメはつくづくいろんなことがよくわかっている。
こんなにヘアケアに時間をかけることができるのは、子供が巣立っていったから。子育て中は絶対に無理だった。ありえない。
大学4年から就職して一年くらいは肩くらいまで長さがあって、French Braid(編み込み)をして、いろんな色のリボンをスーツの色に合わせていた。馬車馬のように働くようになって、もうだめだぁと、ベリーショートに戻した。
それ以来のロングヘア、なのだ。
楽しい。
さて。
美容院をでて、いいお天気だったのもあり、るんるん気分で歩いていたら、交差点のところで、どこからか "Beautiful hair!!" と叫び声が聞こえて、え?と周囲を見渡したら、ちょっと向こうに同じような年頃の女性が私のほうを見ながら歩いていた。
"Thank you! I just got a cut!!"
と手を振りながら大声で返事すると、
"So beautiful!"
とまた返ってきた。思わず笑顔になる。
こういう「他人との会話」が、アメリカにはよくある。
ムスメもキャンパスで、特にオシャレしていたわけでもないのに、見知らぬ女の子二人がわざわざ寄ってきて "You are stunning…" と言ってくれたそうで。
さて。
日本に一時帰国したとき、金沢駅から乗った新幹線の中で「たたずまいが違う」と赤ちゃん連れた若いお母さんに言われ、妙にその言わんとするところがわかり気に入って何度も書いていることは、レギュラーさんはご存知の通り。
日本にいる友達と話していて、そういう印象を与える理由が少しわかった。
私の髪は梳かれていない。こんなに毛量が多いのに、まるで梳かれていない。すると、自然と日本にいる長い髪の女性とは違う印象を与えることになる、らしい。
それは嫌かも。
それに。髪だけ日本の女性風になって、仕草とか表情が噛み合わなくなったらどうするよ。
スタイリストとも話したのけど、アメリカにはほんとにいろんな人種がいる。髪の色も目の色も体型も皆違う。だから、他人をみてあんな髪の色に染めたいと思っても、眉毛や目の色には合わないとか、あんなスタイルにしたいと思っても、顔形にそぐわないとか、他人の一部を自分に取り入れても自分という全体印象に馴染まないことがよくある。
日本で、私というキャラをまるで知らない美容師に髪を切ってもらったら、それと似たようなことになるような気がしてならない。
だから。
こんなロングのグレイヘアのままで、私の表情や仕草をみて、
たたずまいが違うなぁ….
海外に住んでいる日本人?
もしかして、ハーフとか?
あのお母さんが思ったような、そんな出没シーンを、今年も日本各地で展開することに決めた。