見出し画像

ムスメ。12年間よく頑張ったね。

高校水泳シーズン終盤。
State Sectional Finals (result: 91-79)

ミート会場に向かうバスの中で、ムスメはすでに少し調子が悪かったという。この前風邪を引き、三日間鼻をかみっぱなしで過ごしたばかりだが、どうもまた学校で風邪をもらいかけてたらしい。

最初の種目の200 Medley Relayで、最初の背泳ぎを担当したムスメ。一位とタッチの差で、次につなげた。次の種目の200 Individual Medleyで、バタフライは問題なかったが、次の背泳ぎの後半から息ができなくなった。喘息発作。めまい。それでも泳ぎ終えて三位獲得。本来なら一位で泳げた種目。

あんなに勢い勇んで出かけたのに、なんか様子がおかしいぞと思ったら、発作を起こしたとコーチから連絡があり、私は慌てて階下のプールに向かった。

コーチとチームメートのそばで、床に座り込んでいるムスメ。顔の半分がひくひくと痙攣を起こしている。呼吸が乱れているので、袋を渡し、そこに向けて息を吐いたり吸ったりしていると、次第に呼吸が落ち着いてくる。

それでも大事をとって、100 backstrokeは棄権した。

水泳は水の中のスポーツだけれど、走るのと同じで泳げば体温が上がる。水温が高ければ overheatedするし、プールから出ての室温が高くても同じ。そしてムスメは喘息発作を引き起こす。

さて。
ムスメが発作を起こしたことは、当然のことながら、男子チームに伝わった。

翌日学校で。
3人のチームメート女子と一緒に、トロフィーを事務室に届けに行ったムスメ。そこに、ちょうどRyan O. とErikとタマなしがきて、
「聞いたよ、大丈夫?」
わーっとムスメのそばに寄り、Ryan O. が後ろから hug。Erikもhug。そしてタマなしは、ムスメの肩を横抱きにして頭のてっぺんにキス。

きゃー、きゃー、きゃー。

ママ、Erikの目の前でだよ。
きゃー、この前の仕返しってことね?!

焼きそばを作ってた私は、興奮のあまり、しゃもじでフライパンの縁をガンガンと叩く。笑。

でもさー。ママ、わかったよ。今朝ママが言ってたとおりだと思った。ふと気づいたら、一緒に来てた友達3人とも姿形もないの。「アレ、皆どこ行った?」って言ったら、男子3人とも「え、誰かいたの?」って。

ほら、男子の目にはムスメしか映ってない。やっぱりね。

今朝、私がムスメに言ったことというのは。

アンタさ、上級生からも下級生からも男女関係なく可愛がられるし慕われるでしょ。同級生の男子とも仲がいい。でも、いっつも同級生の女子とは問題続き。わかるでしょ。嫉妬されてるのよ。

私もそうだった。っていうか、私の中学は大学附属で小規模だったのもあり男女の仲がよかったから、高校に進んだ私は、同じ調子で他中の男子とおしゃべりし、気がついたら女子から敬遠されていた。あれは今でいうイジメだったと思う。幸い、それは高校1年の時だけで2年生になってからは一切そういうことはなくなったから、他中出身の一年女子には未知だった附属出身女子言動のインパクトがあまりにも強すぎたのかもしれない。

でも、私は相手に勘違いさせるような態度は取らないし、相手もそれをわかってるよ。
うん。そうだね。そのニュアンスが、外部者にはわからないってことだね。

高校水泳シーズンは、あと二つか三つのミートを残すのみ。

State Group Semi-Finals (result: 120-50)
Medley A relay (Back)1位, 200 IM 2位, 100 Back 1位

State Finals (result: 79-91)
Medley A relay (Back) 2位, 200 IM 4位, 100 Back 2位, 400 FR B relay (2nd  leg) 4位

Meet of Champions

そして、ムスメの12年間の水泳キャリアが終わる。毎日2時間、週に6日。1年間で休みは8月と4月に二週間ずつだけ。水面下の白い線を見つめてプールを往復し続けた。一度たりとも気を抜いたことはない。いつだって全力投球だった。いつだってコーチのアドバイスを真剣に聞いて、新しいテクニックも前向きに挑戦した。水泳を通じて得たものは大きい。

地道に努力すること。
0.01秒を争う成功と失敗。
タイムがなかなか向上しない時期の忍耐。
張り詰める緊張感の中でのパフォーマンス。
そして、上には上がいる。

これからの彼女の人生にとって、プラスになることばかり。
よく頑張った。本当によく頑張ったね。

ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。