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R-18小説サイトに投稿した小説を電子書籍として同人出版した話の結果報告

以前にこんな記事を書きました。

あれからはや一年……は経ってないのか、はや10ヶ月くらい。面白そうだからという理由から手をつけたR-18小説同人誌はどうなったのかを簡単にご報告したいと思います。

校正、電子書籍ファイルおよびPDFの作成、各電子ストアへの出品については自力で行ったので費用はゼロですが、表紙および挿絵、タイトルロゴ、バナー広告の掲載と、費用はliteじゃないニンテンドースイッチが買えるくらいは余裕でかかっています。果たしてこの費用をどのくらい回収できたのでしょうか。

結論から申し上げますと……現時点で費用を全回収してさらにニンテンドースイッチとリングフィットが買えるくらいの利益が出ています。いや本当に予想外でした。ご購入してくれた皆様に心より感謝申し上げます。

いやね、R-18オリジナル作品をリリースされているサークルさんに比べれば額としてはぜんぜんです。ですが、個人出版、しかも小説作品がここまで売れるとは思わなかったのです。

ここから売上の分析を行いたいところですが、さすがに全書店の売上データをすべて開示! ってのもどうかと思うので、私の本の売上傾向を申し上げたいと思います。

当作は下記の8店舗に出品しました。

・Kindle
・角川BOOK☆WALKER
・メロンブックス
・DL.site
・FANZA
・BOOTH
・デジケット
・Getchu.com

当初ぼくは、Kindleが70%、BOOK☆WALKERが20%、あとはその他みたいな感じになると予想していました。しかし蓋を開けてみれば、予想とは全く異なる結果でした。

販売開始から10ヶ月ほど経った売上の比率は、Kindle10%、BOOK☆WALKER30%、FANZA50%、DL.site5%、その他5%という感じです。

BOOK☆WALKERはライバルが少なく、日間、週間、月間ランキングに長期間掲載されていたこともあり売上が伸びたのはある意味納得です。

逆にKindleはユーザも多いですが出品作品数も出版社/個人ともに膨大で、埋もれるのが予想以上に早かったのがいまいち伸び悩んだ原因かと思います。

そしてFANZA。おれたちのFANZAです。特にピックアップ作品に選ばれることもランキングに載ることもなかったのに、圧倒的なエロへの関心の強さ、購買意欲の高さから他書店を引き離して売上を伸ばしました。いまとなっては他の書店はほとんど売上が止まっていますが、FANZAだけは現在もなおご購入いただけていることがアダルトプラットフォームとしての強さを物語っているように感じます。

繰り返しになりますが、当作は小説作品です。ただでさえ漫画やCG集に比べたら圧倒的に市場規模の小さなエロ小説作品です。そして電子小説のフォーマットとしてはEPUBというリフロー型──webサイトのように文字サイズやフォント、行間なんかを閲覧端末に応じて調整できるファイル形式が主流です。しかしながら、上で挙げた8書店のうち、ビューワー付きでEPUBファイルに対応しているのはKindleとBOOK☆WALKERのみ。他の書店は二段組で作ったPDFファイルです。

PDF版を作る際はせめて少しは読みやすいようにと二段組にしたり字送り行送りをページを跨がないように調整したりはしましたが、それでもEPUBに比べれば快適さは劣ると思います。なので正直、PDF版はまったく売れないだろうな……と思っていました。

しかしそんな予想をおれたちのFANZAは覆してくれました。ちゃんと「小説作品です」と明記はしていましたが、それでも3桁の売上があがったのです。しかも酷評の嵐かとビクビクしていたらそんなこともなく、キング・オブ・エロ・プラットフォームの懐の深さを思い知らされました。もしもぼくのようにエロ小説を同人出版することを考えている方がいたら、絶対FANZAにも出品したほうがいいと思います。

というわけで簡単ですがご報告でした。書店により利益率も異なるのであれですが、いまのところ全部あわせてだいたい400冊くらい売れました。重ねて御礼申し上げます。

あ、利益についてはちゃんと申告しますよ! 税理士さんに「この……同人誌イラスト発注費ってなんですか……?」って聞かれてあわわ……ってなったけどちゃんと説明しました。説明したらあ、そうですか……ってなんとも言えない空気がぼくたちを包み込みました。深く触れないでくれる優しさに税理士の先生も客商売なんだなと感じました。ありがとう先生。

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