『13の理由』はなぜ日本で作れないのか?

数あるNetflixオリジナルコンテンツの中でも人気の高い『13の理由』。
自殺した女の子が「なぜ自分は自殺したのか?」を語ったカセットテープを順番に再生することで話が進むこのドラマは、その人間描写や物語の複雑性、俳優の演技など様々な面で高い評価を受けている。
では、なぜ日本は13の理由を作れないのか?

まず、自殺した女の子を主人公として扱うことを嫌うことがある。ドラマの中でも学校側がハンナの自殺を口外させない言い分として、自殺を崇拝する動きが出てくるという話がある。これと同じ論理がドラマ制作においても起こる。ただ、これはそもそもが論点を間違えており、自殺を崇拝しようが自殺しようと思わない環境を作れば良いだけだ。

次に、何が正義かを決めた責任をドラマ制作者が負いたくない。ここは13の理由のドラマ構成が良いところで、何が正義かを明確に描いてはいない。ただ、所詮正義なんて捉え方次第なので、SNSにおいて曲解され、炎上する可能性は十分にある。そのリスクを終えるとは思えない。

合わせて、13の理由のリアルさはキャスト陣にもある。日本でやると美男美女がいじめられたりいじめるドラマという明らかにフィクション感が強くなる。これはリアル感が少なくなんとなくイジメられる可愛い女の子がかわいそうとか、そんな話になりがちだ。だからこそ、日本のタレントドラマが主流になる中では難しい。

さまざまな理由でなぜ日本で13の理由が作れないのか?を書いてきた。ただ、この話は今の日本でこそ書くべき内容な気がする。そして、その話には今、本当に悩む人たちがどう乗り越えるのか、その逃げ道まで全て描く必要があると思う。
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