青春


中学生のときにお笑いにはまった。

当時の私は中学校がとても嫌いだった。
友達と仲良くするのが難しいなと感じることが多く、特に中学2年生あたりは本当に辛かった。
部活でもクラスでも誰かが誰かの悪口を言っているし、
そのなかの1人になっている自分も嫌いだった。

仲良しの友達は何人かいたが、クラスに馴染めなかったような思い出がある。

少しだがイジメのようなものも体験した。
助けてくれる友達も多かったので
心の傷になるくらいのことはなかったけど、やっぱり悲しい気持ちにはなる。
でも自分も大勢の中の1人でイジメをする側でもある時期があったので
やられて当然だとも思った。

毎日誰かが順番にいじめられる、
そんな少しの恐怖と、
やられて当たり前だという理解のなかで
たぶんみんなが葛藤していた。


ある日の夜テレビでM-1グランプリの放送が始まった。
家族の誰かが観たいと思ってつけたのか?
M-1グランプリの存在は知っていたがしっかり内容を見たことはなかった。

決勝の3組であろう、その中の1組の漫才が始まった。
その年の王者となる、チュートリアルの漫才。

その漫才は素晴らしく、腹がちぎれるんじゃないかと思うくらい笑った。
こんなに笑ったのはいつぶりだろう?
笑い死ぬとはこういうことかと初めて実感した。

毎日苦しいと思って生きていた私にとって、希望の光と出会えたような
そんな衝撃があったのだ。


そこからお笑いを見ない日はなかったんじゃないかと思うくらい
チュートリアルの動画やテレビを観まくった。
大阪でいろんな芸人さんが活躍しているのも知らなかったし、日本全国に色んな劇場があるのを初めて知った。


周りの友達がジャニーズやカッコいい俳優さんにハマるなか、私はお笑い芸人さんにどっぷりはまった。
もちろんジャニーズ系のグループやとカッコいい俳優さんも好きだったけど、本当はお笑い芸人さんが1番すきだった。

チュートリアルの動画などを観ていると、色んな芸人さんが出てくる。
その中でも気になったのが、東京の劇場に出ていたピースだ。

今や知らない人は少ないと思う。
テレビでたくさん活躍した後、
又吉さんは作家でも活躍しているし、綾部さんは海外へ行ってしまった。

東京の渋谷にある無限大ホールという吉本の劇場で、吉本芸人の若手たちが毎日何かしらのライブを公演していた。
ネタライブだったり、トークライブだったり、企画ライブだったり。
中学生だったのでライブに行くまでは行動できなかったが、ネットで動画を検索して観まくった。

なんて面白いんだろう。
そしてなぜもっとはやく出会えなかったのか、悔しい気持ちも出てくる。

東京の若手の中でもピースはすごく人気だった。
なんだかちょっと不気味な又吉さんがぼそっと言う言葉だったり、綾部さんのおしゃべりで変態なところがウケていたのだろうか。
とにかく私も大好きなコンビになった。


高校生になってもお笑い好きは止まらず、友達に布教するようにもなった。
あらびき団のネタを自分でやってみたり、好きな歌ネタを暗記したり、、、
ちょっとおかしな女子高生だったなとも思う。
(たぶんこの辺で変な人レッテルを貼られる)
でも毎日が楽しかった。
中学生のときよりは高校生活のが穏やかだったような気がする。

周りの友達に良い人が多かったので、好きなものを素直に好きと話せる環境だった。

ありがたいことに、
そんな良い環境のなかでどんどんお笑いにのめり込んでいくのだった。



高校生になったので、友達だけで都内に遊びにいくことも少し増えた。
元々住んでいた場所も都内から近いところだったので遊びに行きやすかったのだろう。

部活も引退し、初めてアルバイトするようになった。
自分の働いたお金で好きなことをしたい。そう思ってアルバイトの給料ほとんどをお笑いライブにつぎこんだ。

ライブと言っても高いライブは少なく、学生でも気軽にいけるような値段設定。
安いものだと500円。
そんな安くて当時の芸人さんたちのギャラはどうだったのだろうか、、と今考えると少しゾッとする。


ここには書ききれないくらいたくさんのライブに行った。
月に4〜6回は行っていたので、最低でも週に1回は渋谷か新宿へ行っていたし、
チケットを取るために学校の授業を抜け出したり。
当時付き合っていた彼氏に怒られるくらいお笑いに没頭していた。


お笑いが好きになったおかげで、笑う大切さを知れた。何か辛いことがあったときも、自分の中で笑いに変えられれば良いじゃないか。
そんなふうに思えるようになった。
たぶん私は明るい性格ではないし、わりと落ち込んでずっとクヨクヨするタイプだ。
そんな私は嫌なことや楽しかったこと、日常のどうでも良いことなど
心の中でお笑い芸人になったつもりで自分の中だけで話して日々生きている。



お笑いは私の青春だ。

1番長く応援しているパンサー(主に菅良太郎さん)についてはまた別の記事でしっっっかり解説していこうと思う。

覚悟してお待ちください。


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