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あの夜のかけら




駅のホームを照らす蛍光灯。
頼りなく揺れる紐を見ていると
小さい頃の小さい地元の小さい夏祭りを思い出す。

小学校名が印字された白いテント。
その下で光る蛍光灯。
回りを飛ぶ虫。

少し酔っていつもより陽気な地元のおじさんたち。
小さな公園の小さな夏祭りを何時間もぐるぐる回る汗ばむ夜。

儚く脆く消えそうなくらいささやかな記憶のかけら。

大人として生きる日々では思い出すことのないかけら。
でもきっとおばあちゃんになって思い出すのはあの夜のかけらなんだと思う。

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