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バーチャスティックハイグレードを改造するその1

以前からやってみたかった6ボタン→8ボタン化+αにトライ。

バーチャスティックハイグレードとは

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バーチャスティックハイグレード(以下、VSHG)は、セガのバーチャスティックの系譜に連なるPS3用アケコンだ。当時としては珍しく、レバーとボタンに三和電子のパーツを採用していたことや(※)、いわゆるブラスト型の6ボタン配置となっているのが特徴である。
※その時期だとHORIのリアルアーケードPro.3も出ていたが、レバーだけ三和電子製でボタンはオリジナルのものを採用していた

そこそこ小型ながら重り用の鉄板が入っていて重量感は抜群。そのボタンレイアウトや取り回しの良さ、リンドバーグ筐体のコンパネを模したスタイリッシュなデザイン性も相まって、今でも愛用者がいる逸品である。

ここからは余談になるが、PS3用ソフトのバーチャファイター5の発売にあわせて本品も発売されたものの、初期版には不具合があり一旦発売中止に。

その後、修正を経て再出荷となったが、味噌がついてしまったのか以後バーチャスティックの後継は途絶えてしまう。先ごろいきなり発表されてオールドゲーマーの一部をざわつかせたアストロシティミニ用のアーケードスティックは、このVSHGの精神的後継作と言えるものである(ガワに同じものを使っている)。

天板の穴あけでいきなりやらかす

さて、今回はそんなVSHGが安価で入手できたので改造をしていこうという企画である。せっかくの機会なので、ボタンを換装したとかそんなレベルではなく、大幅にいじくって壊れてもいい覚悟でいろいろやることとした。あと10年戦える状態にするというコンセプトで、以下の3点をこなしていく。

①.VSHGの天板に穴をあけて8ボタン化する
②.天板を前面からアクセスできるようにする
③.内部基板を交換して、現世代機でも使えるようにする

②は手間なんぞかからないのだが、①と③が結構面倒。とくに①はやったことがない改造なので、失敗する気しかしないが、やってみないと始まらないので勢いだけでスタート。

というわけで、まずは天板の取り外しである。

VSHGの天板は根角ボルトで固定されているため、前面からのアクセスは不能。取り外すには背面のネジを開け、裏側からナットを緩めていく必要がある(この面倒さを解決するのが2の改造)。ボタン類など余計なものをすべて取り除いて、ようやく天板だけの状態になった。

とりあえず、穴あけ用の台紙を裏からあてて寸法を確認。以下のサイトにある96ピクセルのものをそのまま印刷すれば実機サイズになるので便利。今回は「Image: Standard Japanese arcade layout」を使う。

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寸法はばっちり。今回の紙のあて方の場合、表からだと中心点がわからないので、裏面から穴あけする。

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あとは中心点にホールソーの先をあててガリガリしていくだけ。ちなみにだが、今回はインパクトドライバーにキーレスのドリルチャックをつけてホールソーでトルクをかけたものだから、ガンガン締まってしまい、ホールソーが取り外せなくなるトラブルが発生してしまった。よくよく調べたところ、上記の組み合わせはご法度なようなので、くれぐれも真似はしないよう。

ちなみに、外れなくなったホールソーは滑り止めの手袋をはめてドリルチャックを渾身の力で握りつつ、インパクトドライバーを逆回転させれば外せる。ただ、この方法でも私の場合は、ドリルチャックの根本のネジが緩んでしまったので、そのネジをロックタイトのねじロックで強固にしたうえで臨んでなんとかという有様であった。ご注意されたし。

悪戦苦闘しながらもホールソーでガリガリすること数分。ようやく穴あけが完了した。

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初めてにしてはなんとかといったところ。ただ、どうも力をかけすぎたようでブレブレになってしまい、穴の周辺が金属ばりだらけになってしまった。さらにやっちまったのが天板に貼り付けてある黒のシートである。

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おわかりだろうか。最初にそれくらい気づいておけよという話だが、横着して天板のシートを外さずにホールソーで一緒に切ろうとしたものだから余計な力がかかって裂けてしまった。材質としてはパーティクルボードに貼り付けてあるようなやつに近いので、合成樹脂系のシートであろうか。元のデザインを維持しつつ8ボタン化したい場合は、最初にこの合成樹脂シートを外しておくことが必須となるので、同様のことを考えている諸兄がいたらお気をつけ頂きたい。

個人的にはVSHGの天板デザインはシンプルながらも好きだったのでそのまま使いたかったが仕方ない。何かシートでも買って貼り付けるとする。

次回に続く。

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