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ピパーチの誘惑

ピパーチというスパイスがある。
沖縄ではヒハツや島コショウと言う名前で炊き込みご飯のジューシーや沖縄そばに振りかける。
すると何とも異国を感じる香りが鼻をくすぐり、いつまでたっても香りは消えない。
少量なめると、ピリッとコショウの角のある辛みを感じる。しかし辛さよりも引き立つのは香りである。
シナモンに似て非なる、クローブに似て非なる香りは、それらのスパイスをまんべんなくミックスしたような摩訶不思議な代物なのだ。
料理の旨さは倍増し、口の中は複雑な風味でいっぱいになる。要するにクセになる。
ただし、万人に共通する感覚ではない。夫は毛嫌いはしないが、どんな料理にも合うわけではなく、適量もあると主張する。

私は目玉焼きに塩とピパーチをかけて食べるのが好きだ。塩は少なめピパーチ多めと決めている。
目玉焼き一面をピパーチまみれにして食べる。ほどよく火の入った白身の食感とピパーチのククッと効いた刺激的な口当たりが最高である。
時にかけ過ぎで夫に注意されるが、かけすぎ位がちょうど良い。
昨日作ったソーミンチャンプルーは少々麺を茹で過ぎて、イマイチの出来になってしまったが、ピパーチを振りかけたとたんに食欲をそそる一品になった。
ピパーチのある日常は楽しくておいしい。
ピパーチ万歳である。