地味で下手なプレイの方が上手くなる

僕は30代半ばでバスケを始めましたが、

学生の時から部活などでやってた方の過去の怪我の多さにゾッとします

上手くなる技術より、下手でもいいから安全な技を教えたほうが絶対いいです。
以下解説します。そうなると、今までの常識と違った新しい技のデザインが生み出されるかもしれません。

バスケットボールはコンタクトスポーツですから、
相手をおすとかは平気でありますし、急加速急停止が多いです。
非常に早いプレイになるので、ドパミンもたくさん出て、瞬間的な判断になります。

僕はボール競技が苦手で、全然運動部にも入ったことがありませんでした。
ボールはもらったら慌ててすぐ投げちゃうっていう感じでした。
こんな状態でまっさらから30代半ばでバスケを始めました。
学生でのバスケ経験者に教えてもらっていますが、
やはり怪我が多いです。

経験者によると特にゴール前での揉み合いが怪我が多くなるらしいです。

僕もコーチに指導を受けながら習っています。

ボール運びやシュートにつながるプレーのための技術など、どうしたら勝てるかという点では確かに最適化された体の運びなんですが、

怪我しやすいと感じました。

上手いプレーは危ないのが多いです。
激しすぎる動き、相手を封じるコンタクトなどです。

仮の話をしましょう
下手だし、技術のレパートリーは少ないけど、安全なプレーしかしない人と、
上手くて、なんでもできるけど、たまに怪我する人がいるとします。

後者は、確率の問題で、いずれ怪我をします。
1回筋骨格系の怪我をすると、打撲とかでない限り、数ヶ月以上運動できなくなります。
手術やリハビリを入れるともっとになるかもしれませんし、
二度と元には戻らなくなるケースもあります。

となると、それだけ上達の機会が失われます。

一方、前者や危険なプレーをしない人は、上達の幅は小さくても、怪我による足止めがない分継続的に上達できるかもしれません。人生は長いので、上達がちょっとずつでも、いずれ楽しむレベルまでいける可能性があります。

怪我が多いとスポーツ自体ができなくなる可能性もあり得ますが、下手でも安全にやっていたら、ずっと楽しめます。

こういう結末を想像すると、上手くて危険なプレイをする意味ってあまりないように思います。

プロスポーツ選手なら、それで食べているので、いくらでも好きにすればいいと思いますが、

一般のスポーツ愛好者で、怪我は無駄の極みです。

仕事や生活にも響きます。
そのスポーツをやめてしまうかもしれません。楽しむためにやっていたのに。

だからスポーツ指導者は、プロを教えるのでなければ、
基本的には技術を犠牲にして、安全をとった方がいいと思います。

そうなると、技術の体系自体が見直されることになると思います。
今まではいいとされていたものが、怪我を誘発しやすいから教えない、
僕は大いに賛成です。

例えば、
下の二組の選手の体勢を見てください。


右の組の、特に緑色のユニフォームを着ている人は、足(下腿)が地面に対して垂直についています。対する青色のユニフォームを着ている人も、左足は垂直ですよね。

これは、膝を守る観点からすると安全ですが、特に緑色のユニフォームの人は、左右に咄嗟に動くのが難しいかもしれません。

一方、左の組は両下肢とも、斜めについて、地面と合わせて台形の形をしています。
こうなると、早く動きやすいですが、
横から膝を押されたり、膝に体重をかけられたりすると、膝が内側に折れやすくなり、靭帯を損傷してしまいやすいです。

また、他には、上手いかどうかのフィードバックより、安全だったかのフィードバックを毎回するなどですね。

むしろ安全なスキルをクリエイトするくらいになると、
今までの常識と異なる技やスキル群が生み出されるかもしれません。
それはそれで、新たな世界や可能性が広がるのではないでしょうか?

例えば先ほどの画像の例では、右の緑の人のディフェンスのポジションが前提になると、
上肢の使い方を大きくしたり、といった今まで目をつけていなかった他の動きを増やしたりできるかもしれません。また、相対するオフェンスは、自分も相手もは安定した動きにくいポジションでいることを前提にするので(上手いプレーをあえて捨て去る勇気を持つといいです。)相手は動きにくいから、こちらは身体を下げてダッシュして出し抜くという発想ではなく、このポジションのまま背面にくるっと回転したりと言ったテクニックになったり、といったことですね。

スポーツはルールが決まっていますから、指導の方向も習得する技術群も経験的に大体わかってきています。
怪我をしないという方向性は、スポーツの指導では二の次です。
ここは常識に反して、ひたすら安全を追求すべきケースなのかなと思います。