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「会長、結婚してください!」「日本の教育を変えます!」個性的すぎる企画に会長はどう答える?【Nプロ総選挙・中編】

22卒内定者が、数か月に渡り議論を重ねてきた企画を会長にプレゼンする、日本交通の企画総選挙。続く第2弾、第3弾の企画も個性派ぞろい。今回は中編です。

前編はコチラから。

企画②「My First Memorial Taxi」

リーダー:中川さん

結婚

「川鍋会長、一つお願いがあります。結婚してください。

【企画趣旨】
今回の企画は、私たちの乗務員デビューに両親やお世話になった人を招待し、日本交通で輝く姿と感謝を伝えるというものです。

そもそも親世代はタクシー業界に対するイメージが良くないです。私たちで「日本交通への入社を親にどう思われているか」アンケートを行ったところ、下記の円グラフのようになりました。

Inked結婚2_LI

私たちはこの「どちらでもない」を「賛成」にしたいと考えています。これを変えるには、タクシーの良さと日本交通の良さ、そして自分たちの感謝を知っていただくしかありません。就職を結婚と定義するなら、この企画は結婚に対する両親に対する挨拶です。

【内容】
・事前のルート設定
・1.5時間時間貸
・支払いはタクシーチケット
・ジャパンタクシーを使用。
実施期間:GW(2022年5月1日~7日)
サラリーマンの需要が下がる時期であると同時に、私たちが乗務員デビューをする時期。また、来客側の大多数が休みを取りやすい点、さらに日程集約によるイベント的実施にすることで話題性を呼びます。

Inked結婚式3_LI

【効果】
退職抑制:最新のタクシーであるジャパンタクシーに乗ってもらうことでタクシーの魅力を体感してもらう。この会社で新卒が輝けるという側面も強調。
宣伝効果:業界初の取り組みであること。福利厚生的に、日本交通での一番最初の仕事は両親に対する感謝の仕事とアピールできる
採用強化:本施策を23卒や24卒にも適用することで会社の魅力付けになる

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福坂さん、石丸さん、中川はこの企画が通ったら日本交通への内定をこの場で承諾します。だから4名の収益化のうち3名は確実に取れています。(内定式予約のスマホ画面を会長に見せる)

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川鍋
「(笑)」

企画②への質疑応答

川鍋
「費用対効果の図、もう一回見せて。これ誰か手伝った?」

中川
「最上さん(人事)などが手伝ってくれました。他にも愛知の実家に帰ったときにこういう企画やったと親に話すことで、ママ友に噂してもらったり、YouTubeに流すことで新規顧客を獲得できる。こういうところからも利益を考えています。」

川鍋
「円グラフについて。これはどこからデータをとった?」

中川
「日本交通の内定者限定コミュニティから。」

川鍋
「母数は?」

中川
「賛成は16、反対が19、どちらでもないが25票。」

企画②、会長の評価は?

「即実施」
くやしいな。あんまり調子に乗せたくないけどな。

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ネタ勝ちだね。この企画のサイズ感や狙い、費用対効果もわかりやすく実行しやすい。このネタ選んだ段階で7,8割決まってたね。

僕はいつも「Just Do It」と言っているけど、狙いすました大きな一撃よりも、やりやすいことをたくさんやった方がいい。なぜなら、その方が実行可能性が高くなって、成功体験を積み重ねることができるから。これが中川チームの信頼性を上げる。他に何かするときも、中川チームがやるなら大丈夫だろうと評価される。

思うに①のオフィスタクシーチームと能力的には一緒。オフィスチームはあまりに真面目ででかすぎるネタを選んじゃった。そのでかいネタと格闘するのに、立場や能力が追い付いていなかったね。一方で中川チームのネタに関しては、悔しいけど文句のつけようがない。一つ文句を言うとすれば、1000万は結構大金(笑)。お金はかかるよ。

そういうのも含めて、お願いするならここまで覚悟しているというのをやられちゃってぐうの音も出ない。次こそは中川チームをちょんけちょんにしたいな。今日は負けた(笑)。

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↑「即実施」が決まったその場で内定承諾(WEBで内定式予約)しました。

企画③「桜之学舎(さくらのまなびや)」

リーダー:田邊

桜学舎3

百井
「今回の企画すごいです。『営業所の在り方が変わる』そして『教育の在り方が変わる』という壮大なものです。それが桜之学舎と言う企画です。」

【企画趣旨】
営業所の中に塾を作ります。営業所の一角を塾にして、タクシーで子供を送迎。プロの送迎付きの安心安全の教育サービスです。子供も親御さんも安心ですし、送迎の手間もかかりません。

なぜタクシー会社が塾なのか。私たちは「日本の教育を変えたい」とも考えています。

桜学舎4

サロンメンバーにアンケートを取ったところ、なんと約半数に教育経験がありました。私自身も教育実習に行きました。教育を経験して今の教育について”違和感”を持っているメンバーが多くいます。

その違和感とはこれから社会で求められる力と今の教育との間にギャップがあること。これから求められる力は「答えのない課題について解決策を考え実行する力」です。

でも今の教育は成績を付ける必要があるばかりに「答えのある課題」ばかりやっている。そこにギャップがあります。

私たちが提供したいのは、受験勉強ではなく、SDGsプログラムのような、答えのないものについて答えを考えていくような教育です。

タクシーの乗務員さんが教育を担い、さらに送迎も行うとなると、子供にとってタクシーがより身近な存在になります。

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そうなれば「タクシードライバーかっこいい」となり、子供たちの憧れの職業の中にタクシードライバーが含まれる日が来てもおかしくはありません。

「日本交通って若い社員たくさんいるんだ」「タクシー業界のイメージ変わった」、引いては「日本交通に入りたい」と子供たちが考えるようになります。

考える力が身についた子供がドライバーに憧れて、日本交通に入社したら最強でしょう? さらなる日本交通の発展が見込めますし、乗務員からしたらかわいい子供たちのために働こうという意識が生まれ、退職抑制にもつながります。

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まずは「BtoE」。日本交通の社員の子供向けに、新たな教育のかたちを作りたいと考えています。

企画③に対する質疑応答

川鍋
「費用対効果は。」

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田邊
「試算表があります。投資は人件費、教育プログラムとその教材費、営業所改修費合わせて900万円程度。社員が払いやすいように、費用は1か月5000円。期待効果額は50人生徒を預かれば年間300万円の利益が出ます。

退職抑制でこの企画に絡んで5人の退職抑制すると、利益は864万円。10年後、200人の中から3%が入社を決意するとすると6人が入社、1036万8000円の利益となります。

桜学舎

懸念点としては、初動の授業料だけだと赤字になることです。ただ5年10年と先を見据えるうえで、日本交通育ちの子供たちが入社することによる活躍、それが利益になるという、先を見越した大きな企画です。」

川鍋
「もう一工夫ほしいな。退職抑制効果はよくわかる。でも実際に算出するの難しいよね。例えば、授業料を上げたりYouTube配信したりとか、中長期的に利益を上げていくことに対して、もうひとひねりあるといい。

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もちろんブランディングに対してコストかけようという考え方はいい。でも最初からそれに頼ってしまうと何をやってもいいことになる。許可するコチラとしても歯止めが効かない。収益のやり方を差別化していれば『なるほど』と思うよ。」

田邊
「BtoCの一般のお客様向けに塾を解放する際に、授業料を高く設定することができればそれだけでも利益は賄えるという試算はしています。」

川鍋
「送迎付きで月5000円というのは結構安いよね。送迎費はタクシー代取るわけじゃなくて、月5000円の中に含まれている?」

田邊
「初めから送迎が必要なBtoCに踏み込むのではなく、段階を踏んでいこうと考えています。初めはBtoE(日本交通の社員の方向け)でやろうと思っています。

桜学舎2

1年目は乗務員として働き、先生のチーム作り・最初のお客様となる乗務員との信頼関係の構築を目指します。2年目からBtoE向けの塾を開設。BtoCに移行するのは自分たちのやりたい教育の手ごたえを実感した3年目以降です。キッズドライバーの資格を自ら取得してキッズタクシーとの連携ができれば、BtoCに移行していきます。」

企画③、会長の評価は?

「前向きに検討」

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ネタとして、さっきのWi-Fiタクシー(前編参照)とメモリアルタクシーの中間だね。ど真ん中で今のビジネスに直結した感じではないが、自分たちだけでできる感じでもない。営業所は付近の住人のコミュニティとの一体感を作りたくても、作れていないという現状がある中で、こういう企画があれば面白そう。

教育の問題意識については皆感じていることだね。将来の日本を変えるうえで一番手っ取り早いのが教育現場への投資。ただ、ビジネスとしてやっていくのは難しい。そこに工夫が必要。

この企画の場合、最初は会社に半分以上甘えながら、だんだんブラッシュアップしていくのは面白いスタートだと思う。とはいえ、こういう企画は後ろ向きな人と好きな人が分かれる。

うちは93年やってるから調子いい時もあれば悪い時もあった。調子悪い時、こういう企画は「赤字事業だから中止にしよう」と言われることもある。やるとしたら、3年以内に協力者を増やして数字的にも成り立つように持って行かないといけない。学費だけじゃなく地区の助成金や寄付を募るとか色々な成り立たせ方がある。それを加味していけば「前向きに検討」

選んだテーマは良かった。一生懸命考えているね。あとはやり切れる熱意があるか紆余曲折ある中で最後までできるか。でもやるに値するテーマだと思うよ。

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余談だけど、桜之学舎(さくらのまなびや)って読み仮名振らないと読めないものってネーミング的にどうかなと思っていて。やってる方は思い入れあるから深く考えてしまうけど、考えすぎちゃうと世の中に浸透しない。もうちょっとわかりやすい方がいいね。」


残る企画は2つ! 引き続き、タクシー業界の未来、そして日本の未来を見据えた企画が会長を待ち受けています。
後編は明日公開です。お楽しみに!

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