【読んだ】やりすぎ教育 商品化する子どもたち
おすすめ度 ★★☆☆☆
教育虐待についての本。
将来困らないように、いい人生を歩めるように、良かれと思ってやらせている教育が行き過ぎてはいないか。
教育が、社会で成功を収める個人を育てるためのものになってはいないか。
親や教師の成果主義になってしまい、社会全体として多様性を認められなくなることにつながっていないか。
概ね主張はわかりやすく読みやすいが、少し論旨が極端に思える。
「商品化される子どもたち」を前提に、現代日本の問題点や弊害をたくさんあげていて、参考にはなるが「そんな極端な家庭、未だにいる?」と思ってしまう。
いや、でも私に見えていないだけで、いるのかな。
なんか多様性を認める系の本ばっかり読んでるから、すごく変革した気持ちでいるけど、未だに我が子に勉強や習い事を強いたり、「いい大学いい会社にはいれば幸せになれる」という親はいるんだろう…いるの?ほんとに?
*
内容は、納得できるところも多々ある。
例えば「我が子さえ力をつけてくれればそれでいい」という考えが、社会全体を見たときに不利益になるというもの。
社会的強者になって欲しいと思うのは、反面、社会的弱者がいることを許容することにつながる。
例としてでてきたガンジーの話が印象的だ。
日本の政治家や官僚を想像すると、イメージしやすい。大手商社とか広告代理店とか…自分が収奪されている方だと考えると怒りも湧いてくる。
でももし、我が子が官僚で、親孝行に海外旅行とかプレゼントしてくれたりしたらどうだろう?
ルンルンで「いい子に育ったわぁ〜」って思いそうだ。
我が子をしっかり教育してよかった、誇りに思うかもしれない。
優秀な商業的生産物として出荷できたことを。
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確かに良くないなと思う。
でも事実、社会に序列があって、格差が広がっているとしたら、できるだけ上に行ってほしいと思うのは親心として仕方ないんじゃないか。
将来は不透明で、親の時代の知識が通用しなくなる。
だったら選択肢が増やせるように、色々詰め込んで対応力上げておこう、と思うことは悪だろうか?
最低限宿題くらいはしてほしい、本を読んでほしい、英語にも不自由ない方がいい、学習環境のいい学校に行ってほしい、チームプレイができるスポーツをしてほしい…
行き過ぎてはいけないけど、どこまでいったらアウトなのだろう?
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著書では「やり過ぎ教育が子どものノイローゼや不登校、自殺に繋がっている」という警鐘に繋がるのだが、じゃあ行き過ぎのボーダーはどこか、結論は曖昧だ。
社会全体として多様な子どもが受け入れられ、ひいては多様な大人も受け入れられるのは理想的だ。
でも、そのためには親や学校だけでなく社会全体の価値観が変革されなきゃいけない。そう考えると壮大過ぎて、簡単には結論が出ない。
個々の親ができることは、子どもの人権を尊重し、ありのままを受け入れ、今を幸せに過ごせることというよくある結論に帰結する。
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おまけ。
私の場合、息子が超マイペース人ということもあり、強要したところで全く動かない。宿題もしないし、塾も受験も断固拒否している。
そんな息子に鍛えられてきたので、子どもの人権尊重はしている方だと…思う…多分(気弱)。
子どもの人生は子どものもので、私は少し早く生まれた大人として、サポートすることしかできない。と寛大に受け止めて…いる…つもりだ。
帰ったら子どもたちに聞いてみよ。
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