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【読んだ】マーケット感覚を身につけよう

おすすめ度 ★★★★☆

ちきりんさん、名前は知ってるけど初めて読む。
この方もTwitterで喧嘩してる人というイメージがあったので、あまり期待してなかったのだが(失礼)、面白い本だった。

2015年発行だけど、古さを感じさせない。
事例がわかりやすく、確かになー!と思わせる説得力がある。
マーケット感覚の重要性が上手く説明されているし、書き方も嫌味がない(時々「自分は成功者」アピールが鼻につくけど)。

例えば、ANAの競合として思いつく企業、といわれると、まずはJALやLCCなどの航空会社だろう。
でも視点を変えると、ANAの競合はZoomや、楽天市場でもある。出張よりオンラインミーティングを、旅行よりお取り寄せを選ぶユーザーの視点にたてば。

英語ができれば将来安泰と思う人は多い。けど、英語ができるスタッフは、フィリピンやインドから十分に供給され単価も下がりつつある。そう考えるともっと供給が少なく、需要が高まりそうな言語に目をつけたほうがいいのでは?と考えてみる。

「マーケット感覚」と本では呼んでいるが、要は世の中の変化に柔軟に対応する力なのかなと思う。
VUCA時代と言われるようになってから、散々言われていることだ。

マーケット(市場)と比較されるのが、「組織」だ。
トップのごく少数の意思決定者によって評価される組織は、変化に対応できないという話。業界の事例がそれぞれ興味深い。

古さを感じさせないのは、組織中心→市場中心にマインドが変化できていないからかもしれない。少しずつ変わってはいるけど、今でも日本は変化を嫌い、何もしない為なら何でもする人が強いと思う。

モヤモヤするので、前向きな話をしよう。
大事だなと思ったことを2つほど。

1.失敗経験を歓迎しよう
シリコンバレーでは、失敗経験のない人は「これまでの人生においてチャレンジをしてきていない」「成功するのに必要な学びを得ていない」とみなされるらしい。
シリコンバレーが正義じゃないけど、これは良いと思った。
まだまだ日本は「失敗=悪」という考え方があるし、私の中にもある。
チャレンジした証拠、学びを得られてラッキー。そう考えるようにしてみよう。

2.自分の子供に必要な教育は、自分と同じじゃない
我が子が生きる未来は自分の時代とは全く違うんだろうなーとボンヤリおもってるけど、予想もできなくてボンヤリ止まりだった。

本にある、明治時代に義務教育が導入された話が面白い。

明治政府が全国民に義務教育を導入したときにも、うちの子には学校教育など不要だと考える農家がたくさんありました。(中略)
とはいえ、当時の農家も、決して子供の教育に不熱心だったわけではありません。彼らは「自分の子供に必要な教育は、自分の人生に必要だったものと同じはず」と考えただけです。「息子は農家になる、娘は結婚して家事や子育てを担う。」(中略)
子を思う親が「我が子には人生に本当に役立つスキルを学ばせたい」と考えるのは、今も昔も変わっていません。

うわーー、そうだったのか、明治時代。農家の頭硬いジジババだと思ってた。自分たちが「とりあえず名のしれた大学行ってほしい」「英語はできなくて後悔したからやらせたい」と思う気持ちと、同じだったのか。
ジジババごめん。

学校教育の重要性がわからない時代に、ジジババが反対したように、私達もこれから先重要なものがわからなくて右往左往している。

だけど、そもそも分からないこと、変化していくことを楽しんで乗っかって生きてくくらいが良いのかもしれない。
新しくて楽しそうなものを否定せず、世の中の変化を楽しむ。

あ、なんだ。今までと同じスタンスでいいじゃんね。
楽しく右往左往しよ。

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