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評価するってなんだろう? サッカーのゲームモデルづくりから考える

次の日経を考えるチームでは、毎週活動の振り返りをしているのですが、ときどき「空(くう)をつかむ」ような議論になることがあります。
個別具体的な数値目標を持っているわけではないので、日々の活動を評価する物差しをどう置いていいものか悩ましいです。
特に個々のメンバーを見るととにかく頑張っているので、です。

そんなことをモヤモヤと引きずっているとき、一つの素晴らしい書籍に出会いました。

高校のサッカー部顧問の先生である脇真一郎さんはプレー経験ゼロながら、『学生にいい指導をしたい!』と強く思い、多方面で勉強して身につけた「ゲームモデル」の作り方が書かれている本です。
サッカーに限って記載されていますが、チーム(組織)がどのような戦い方(仕事の進め方)をすべきか示唆してくださる、とても良い本でした。

■5つの要素で成り立つ「ゲームモデル」

脇先生曰く「ゲームモデル」を作るには、以下の5つのポイントを意識するといいそうです。

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①IDカード
そもそも自分たち(チーム)はどう在りたいのか?
構成メンバーの特性を見て考えるのがいいそうで守備が得意な選手がいれば「堅守速攻」みたいな。
これは会社におけるチーム(部・課)でも、構成するメンバーの得意不得意を理解して、同じように考えられそうです。
②目的地
チームとしての目標設定。
高校の部活なら、一年間のトーナメント計画がこれに当たるそうです。
会社であれば、経営方針(中計)とか、そういうものに重ねて考えるのがよさそうです。
③土台
戦い方の原則を局面ごとに整理する。
サッカーでは「攻めの時⇔守りの時」「ボール保持時⇔不保持時」のように試合中の状態をいくつかの局面で分けることができます。土台とはそれぞれの局面において「チームメンバーで徹底する原則」を指すそうです。『ボール保持時は、中央突破(×サイド攻撃ではなく、中央でパスを前につなぐ)』みたいな。
会社であっても、「チームで意見が割れた時」とか、あるいは「競合が類似サービスを売ってきたら」など、局面分けして考えておくと便利そうです。
④取説
原則を補う、もう少し細かいルール。
「ボール保持時は中央突破が原則で、さらに相手のプレスが強いときは・・、ボールを奪いにくるときは・・」みたいな感じで、もう一段踏み込んだ『プレー原則』をまとめておくそうです。いかに再現性を持たせるかが大事だともおっしゃっていて、組織作りには欠かせないポイントだと思いました。
⑤物差し
個々のプレーが、前述で定めた『チームの在り方』『プレー原則』に沿っていたかどうか。脇先生は、選手個人にも、チーム全体にも、その場限りではない評価軸でもって(ゲームモデルに沿って)コメントをするそうです。

■いい試合だったね、は『プレー原則』があってこそ

私はサッカーが好きで、応援しているプロチームがあるのですが、試合をちゃんと見ている時でも、結果(勝ち負け)に左右された判断を下しがちです。勝てばいい試合、負ければダメな試合。

会社での日々の活動(業務)でいうとさらにで、特定かつ短期的な数値目標がない限りは勝ち負けがはっきりでるわけでもないため、判断そのものが難しいです。ともすればメンバー個人なんて、好き嫌いとかで判断しかねません。

そうならないためにも、『自分たちは何者で』『どういう原則で以って活動するのか』を定義する必要があると感じました。

『自分たちは何者で』『どういう原則で以って活動するのか』を定義する必要がある

・・よく考えてみたら、これって「チームミッション」そのものでした。

これこそ原則だ。

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