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ゲーム運営会社Yostar、アニメーション制作会社「Yostar Pictures」を設立!〜アークナイツ<明日方舟>イベントより〜

Yostarが主催する新作ゲームアプリ『アークナイツ<明日方舟>』のプレスカンファレンスに参加してきました。

アニメーションPV制作は新会社!

その中で、アニメーションPV映像が公開されたのですが、制作はYostarのグループ会社として新たに設立されたアニメスタジオ「Yostar Pictures」が行ったというサプライズ発表がありました。

またこの「Yostar Pictures」には、COMEMOのアニメビジネスイベントではお馴染みの平澤直さん率いるアーチも参画しています!

念願のアニメスタジオ!自分たちが欲しい映像を欲しい時に!

Yostarの李社長から設立の背景についてご説明がありました。長年、自社でアニメーションを作りたいと思っていたそうですが、ゲーム事業を開始して2年でついにその夢が叶ったという念願のスタジオ設立だったそうです。

ゲームコンテンツを盛り上げるためにアニメーションは重要な要素なのですが、昨今のアニメスタジオは通常クールのアニメ制作などに追われており、ほとんどラインが空かないので、わずか15秒のアニメーションすらお願いできない状況があり作りづらかったそうです。

そのような状況から、自分たちでアニメ制作ライン(アニメスタジオ)を持つ必要を強く感じていたそうです。Yostar社は韓国や中国の代理運営パブリッシャーで自社で開発・制作をしてないのですが、アニメーションは自分たちで制作することになったのはそのような背景から。

海外のゲームを日本市場においてさらに魅力的に伝えるために自社でのアニメーション作りは必須であり、これからも「アズールレーン」「アークナイツ<明日方舟>」などのPVを中心に積極的に制作していきたいと意気込みを語られました。

Yostar Pictures概要
Yostar Picturesは代表取締役をYostar代表の李衡達氏が兼任し、主にアニメーション映像の企画・製作・制作を行うアニメーション制作会社です。プロダクション機能だけではなく、企画開発や製作委員会の組成などのプリプロダクション機能も持ちます。
制作スタジオとしては、合同会社アルバクロウの稲垣亮祐氏(「キズナイーバー」ラインプロデューサー、「異能バトルは日常系のなかで」アニメーションプロデューサーなど)、斉藤健吾氏(「プロメア ガロ編」作画監督、「SSSS.GRIDMAN」総作画監督など)を取締役として迎えて制作体制を構築し、デジタル技術を積極的に活用した映像制作を行います。

美しすぎるアニメーションPVはこちら↓

Yostar Pictures制作陣&スタッフトーク!


アニメスタジオ設立を記念し、トークイベントも行われました。今回はその内容をレポートさせて頂きます。

登壇メンバー:
取締役:稲垣涼介さん
取締役:斎藤健吾さん
声優:黒沢ともよさん
PR担当:横山さん

すでに次回PVのオファーも

稲垣さん、斉藤さんともまずは無事に公開されていることをほっとしつつも、すでに次のPV制作のオファーが来ていることも明かし、ゆっくり休んでいる場合でもないとのことでした。

キャラクターイラストを動かす上での苦労話

元からキャラクターイラストベースのティザーPVがあったため、世界観の理解は非常にスムーズであった一方、ゲーム用のイラストをアニメーションで動かそうとすると、キャラクターの設定類をイラストの中から考えたり想像しながら描く必要があるという苦労話も。

3Dモデルのキャラクターをそのまま動かすのならば違いますが、2Dイラストを2Dアニメーションで動かそうとすると、当然ですが動かすときに補完しながら描かないといけないわけです。

斎藤さんからは、描いてる途中にアーミア(ゲーム主人公キャラ)の太ももにリングがついてることに気づいて描き足すこともあったという秘話も。

個性的なキャラクターを統一感あるものに

ゲームキャラクターのイラストの場合、イラストレーターがキャラクターによって異なることもあります。結果として個性的なキャラクターが生まれるのですが、アニメーションとして同じ映像で表現する上では、統一感も必要です。

そのため、例えば目の雰囲気など細部にこだわりながらキャラクターの個性・可愛さを残しながら統一感ある映像に仕上げたそうです。特にアーミアの顔と表情は斎藤さんのこだわりが詰まっているとのこと(すごく可愛いです)。

絵コンテなしのアニメーション制作

作り方の特徴的な部分として、通常使用する絵コンテが今回はなかったそうです。海外ではよくあるそうですが、ストーリーボードから作っていくという手法で進められたそうです。

ゲームの世界観を守るために打ち合わせを何度も重ねてブラッシュアップをしていく必要はあったそうですが、少数精鋭でのPV制作の場合はこちらの手法の方が進めやすかったというお話も出ました。

予算と時間をかけた贅沢な映像

PR担当の横山さんからカット数の多さについて言及がありました。PVを観て頂くとわかりますが、カット数が非常に多く、ぬるぬると滑らかに動いていることがわかると思います。髪の毛もすごくなびきます(李社長のこだわりというお話も)。

通常のTVアニメですと予算の都合でカット数も減らすこともあるのですが、自社スタジオならではの強みとして、予算は気にせずにカット数を増やすことができたのでクオリティの高い映像にすることができたそうです。

また予算だけでなくラインも専用のものであるため、納期にある程度ゆとりがあり、納期のギリギリのところまでクオリティを高めて今回の公開に至ったとのことでした。そのおかげで映像だけでなく音響効果もレベルの高いものに仕上がったそうです。

今後について(スタッフ募集中)

最後に稲垣さん、斉藤さんから今後もさらにレベルの高いPVを制作していくために、積極採用をしていき、体制を強化したいというお話がありました。

トークイベントレポートは以上です。

業界も国も越境していく日本のアニメーション

今回公開されたPVは日本のアニメーションを象徴するようなレベルの高い2D映像でした。しかし、アニメスタジオの資本はアニメ会社ではなくゲーム会社であり、ゲーム自体は中国のゲーム開発会社Hypergryphによるものです。

日経アニメビジネスイベントでも度々話題になりますが、「ゲームxアニメ」「アメリカor中国発の日本アニメ」というまさに現代の日本のアニメーショントレンドを象徴するような映像であったと思いました。

これからもそんな台風の目ともいえるYostar Picturesから目が離せません。


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