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【4/18】発明の流転

▼1885年(明治18年)の今日、特許法の前身である専売特許条例が公布されたことにより今日は「発明の日」として記念日となっている。一昔前までは日本は特許大国として名を馳せていたが、昨今は新興国などの後塵を拝する結果になっている。これまでのノウハウ、きめ細やかな作業を武器に返り咲いてほしいものである。

▼特許と言えば誰もがすぐに思い出されるのはエジソンであろう。電球や蓄音機の発明以外にもキネトスコープというものを発明している。1890年に発明されたそれは5年後の1895年にフランスのリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフとは異なり、箱の上部に取り付けられた覗き穴から映像を見る、謂わば個人視聴の走りである。

▼その後の20世紀は映像、写真の世紀と言っても過言ではないほどにたくさんのものが撮影され公開されてきた。ご存知の通りその期間最も広がりを見せたのはキネトスコープではなく人を一気に動員し、興行としても成功しやすかったであろうシネマトグラフだ。当のリュミエール兄弟はシネマトグラフはそこまで広がりを見せるとは考えてもいなかったという。

▼21世紀も20年少し経過した現在、右肩下がりだった映画業界に追い討ちの様に現れたのが家庭で楽しめる配信という形の新しいメディアであった。現在は映画館に人が、家庭では楽しめない音響や迫力を求めて戻っていると聞くが両者の戦いは今後も鎬を激しく削るのだろう。前世紀は大衆視聴が席巻し、今世紀は個人視聴のキネトスコープが蘇ってきたのは歴史の面白さか。

▼リュミエール兄弟は「ラ・シオタ駅への列車の到着」でホームに滑り込んで来る汽車を撮影した。初めて映像というものを見た紳士淑女は飛び上がって逃げ出したと言う話も残っている。特許・発明とは驚きである。これからも世界の技術革新に期待しつつ、日本においてはこれからも驚きを武器に世界に向かってほしい。


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