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【読書2】『マイ・ブロークン・マリコ』-裸足で走り出したい夜に-

裸足で家を飛び出して、衝動的に走り出したくなった夜に。

こんにちは。二ヶ(にけ)と申します。
『こういう気分の時に読むといい漫画』を紹介しております。

今日読んだマンガはこちら。
「マイ・ブロークン・マリコ」/平庫ワカ

突然ですが私は「あ”---------!」と叫び出したくなることがあります。

気が付くと裸足で家を飛び出して、叫びながら走り出したくなる衝動にかられることがあります。←ただのやばいやつ

靴を履かずに、裸足でアスファルトの道を全力で走る。
足の裏に感じる痛みと、それを上回る、全身に血の巡る衝動。

例えるなら、
盗んだバイクで走り出し、夜の校舎窓ガラス壊して回る感じです。

その疾走感を、このマンガから感じたのです。
さあっと、風が吹き抜けるような。

衝動のジャケ買い

本の表紙、いわゆるジャケが力強いマンガは、強烈に本屋で異彩を放ちます。
何と言うか、そのマンガと『目が合う』感覚です。

いつも私はその感覚を離さず、内容も知らずに購入することが多いです。
この感覚は、本屋でしか味わえません。

風に吹かれているアウトローな雰囲気の女性が、
加えタバコで遺骨(と思われるもの)を持って風に吹かれている。

抜けるような青を背景に、タバコの煙が線香替わりのよう。

煙のニオイが届くような気がした瞬間、私はそのマンガを手に取っていました。

シノイとマリコ

マリコが死んだ。
その現実を突きつけられた主人公『シノイ』は、ぷつんと何かの感情が切れたかのように行動します。

ろくでもない父親から遺骨を(文字通り)ひったくると、記憶の中の幼いマリコを抱きかかえるように旅に出ます。

マリコを守ることが全てだった、シノイ。
シノイに心配され、叱られることが嬉しかった、マリコ。

お互いなくてはならない存在だったはずなのに、マリコは旅立ち、もういない。

けれど、記憶の中のマリコは、シノイに語りかけ続けます。
シノイの中で、マリコは現在進行形で存在し、それがシノイを苦しめます。

怒涛の疾走感

シノイは、常に全力で突っ走り、行動します。

マリコの骨壷を盗んで裸足で走る。
マリコの行きたかった海に向かって旅に出る。
マリコの手紙が入った手紙を盗んだ強盗に向かって走る。

死んでしまいそうに見えるのに、マリコのために突っ走る。
過去も今も、マリコのために、シノイは突っ走る。

シノイが取る行動は全て、躍動感に満ち溢れて見えます。
死を選んだマリコの生き方と、正反対を行くように。

シノイが突っ走るごとに、今、生きているんだ!というリアルを感じます。

突っ走った先で、たぶんシノイは答えを見つけます。
その答えは読者自身に委ねられます。
全力で走った先の答えは、すごく優しいものであるような、そんな気がしてなりません。

では、今回はこの辺で。
二ヶ


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