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夢のきっかけ

早朝のサッカーワールドカップ、スペイン戦に勝って日本中が湧きました。
いつになく夕方の公園はたくさんの子供たちがサッカーをしていました。
今活躍している選手たちも小さなころいろんな選手にあこがれて将来の夢を見たと話していました。

本田圭佑さんのリトルホンダは少し前でしたが、心の中のちいさな自分に後押しされて夢に向かう!っていいことです。

将来何になりたい?と聞かれていろんな答えが返ってきます。その時代の流行や、活躍した人の職業が大きく影響するのですから、おとなは、その幼子の夢を誘う重要な役目を繋いでいます。

私もそうでした。叔父は私に世界を見せてくれました。
いろんな外国の話や、お土産にはTシャツや動物のぬいぐるみ。それが日本にはないとても夢のあるものでした。外国から送られてくる絵葉書の絵画や風景の美しさはそこに行ってみたいという思いを芽生えさせてくれました。

ある日のことです。彼は小学生の私を伊丹空港に連れて行ってくれました。
当時はまだ自衛隊の駐屯地が近くにあったような…。確かなことは覚えていませんが、その中を車で走って、開けたところが空港でした。管制塔だけがひっそりと建っていたような⁈静かな空の窓口でした。

デッキに出て、プロペラ飛行機が何機かそんなに広くない滑走路を走って離陸したり、着陸するのを見たのは初めてでした。

男の子でもないのにどうして飛行機を見せに連れて来たんだろう?ぐらいにしか思えませんでしたが、そこでビールとポテトチップスをつまむ叔父がかっこよく見えました。私にはオレンジジュース。とても濃厚なきっと100%果汁だったのでしょう。

青い空に白い雲、くるくると回るプロペラが止まって、目の前でタラップが飛行機のドアにつけられました。

ドアが開くと同時にひとりの女性が軽やかに降りて来ました。なんてかっこいいんだろう。すぐに虜になりました。何かパッと花が咲いたような華やかな空気が広がった気がしました。

叔父が「あのひとがスチュワーデス。いろんな外国に行ける。紀ちゃんもなればいいのに!」と教えてくれました。その声は頭の後ろから聞こえるくらい、私は一点に集中していたのを覚えています。

私もあのひとのようになって世界を見る!初めて具体的に、強く決心してそれはぶれることがありませんでした。

あの時叔父が見せてくれなければ、また違う職業を選び主人にも出会うことなく、外国でのいろんな見聞きしたことが心の肥やしになることもなかったでしょう。

今はもうそのお礼を言いたくても叔父に会うことは叶いませんが、貴重な一日だったと言えます。

どんな所でどんな一言が夢の琴線に触れるかわからないものです。

だから楽しい、だから不思議!

そんなことを思いながらサッカーに興じる少年たちをしばらく見ていました。きっと今日の試合で「サッカー選手になりたい!ワールドカップに行くぞ!」と決心する子もいるでしょう。

しばらくは日本を揺るがすワールドカップになるでしょう!

今日もいい日にしましょう!



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