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美しい日本語

さりげない美しい言葉使いの人に会いました。

ゆっくりと話すその口元におごりはなく、穏やかで、品性が感じられます。

さんざん汚いとされる言葉を使っていると急に正そうとしてもぎこちなく、取ってつけたみたいで滑稽です。その人の表情と言葉が一致しない気持ち悪さがあります。

何も澄ました話し方がいいというのではなく、相手に対する気使いがあるかどうかです。

その中にもウエットにとんだ冗談があったり、今の流行の言葉も飛び出して楽しい会話が続きます。ちいさな花が咲いたように話す方は80歳をとうに超えた女性です。

心地の良い会話のキャッチボールはどこまでも優しい山なりのボールで相手の取りやすい胸元に放り込まれます。相手もそれに合わせて同じような投げ方。決して無謀な直球を投げることはありません。

会話で癒されたのは久しぶりでした。

そんな美しい言葉使いにマッチする声があります。
鈴のようなという表現がありますが、甲高くもなく、大声でもなく、
早口でもない。つまりガサツではないということです。

もうひとり、彼女は未だ中学生。
朝の散歩でたまに会います。公園で犬たちを遊ばしせているとき、
愛犬の八ちゃんとやってきます。姉は高校生。妹は姉に対していつも丁寧な言葉使いです。
まずそれに驚きました。最初は他人がいるからかな?と思っていましたが、
違う場所で見かけた時も同じでした。

ある時母親も一緒に散歩に来ましたが、その時も同じ。なんとまあ今の時代にめずらしいお嬢さんだこと!と感心しました。

それが深層の麗人風ではなく、ごく一般の家庭のと言えば失礼ですが、飾り気のない服装で、派手さもなく堅実なご家庭であろうと思われる様子です。

一度飼い犬の大好きなボールが行方不明になり、貼り紙を公園にもってきました。その文章も丁寧で、姉妹で貼って行く様子はとても微笑ましい光景でした。飼い犬の大好きなボールを探す二人は真剣です。

なかなか出てこなかったのですが1週間ほどして、見つかりました。「ありがとうございます」のお礼の紙!感心の2乗です。言葉使いは学ぶものではなく毎日の生活の中で聞く家族の会話からしみ込んでいくものなのだと気ずかされました。

「ありがとう!」が自然に言える人は家庭でもお互いへの感謝の会話があるのでしょう。子育てでも夫婦の会話を子供は聞いています。同じような言い方をまねるのですから両親も気を付けたいものです。その家庭の風景までも見えてしまうからです。
今日もいい日にしましょう!




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