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#10 プラネタリー・ヘルシー・ダイエット(Planetary Healthy Diet)

プラネタリー・ヘルシー・ダイエット(Planetory Healthy Diet)


なんだか横文字だらけですがご存じでしょうか?

こちら、「ヘルシーなダイエット方法」ではなく
「地球にやさしい食事」を意味します。

EATという国際団体が今後人類が導入していくべき食生活として紹介しています。

EATとは健康な人間生活や地球を実現するために、公平かつ持続可能な食のシステムを世界規模で構築することを掲げている非営利団体です。健全な科学に基づき、革命的な解決策を挙げること、革新的な国際関係を築き上げることで世界のフードシステムにインパクトを与えることを目標としています。(参照: https://eatforum.org/ )

プラネタリー・ヘルシー・ダイエットの中身としては、

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1日の摂取カロリーの、

50%を野菜と果物
17%を炭水化物(全粒粉や米、パスタなど)
12%を植物性のたんぱく質(ナッツや豆類)
9.5%を不飽和性の油(主に植物性油脂)
4%を乳製品
3.5%を動物性のたんぱく質(肉、卵、魚など)
3%を砂糖
1%をでんぷん質の野菜(主にイモ類)

を目標に摂取しましょうということです。

野菜と果物中心の食生活が提言される背景としては、
やはり牧畜・酪農が与える環境負担の大きさ動物倫理があります。

今回は環境負担にフォーカスして話を進めたいと思います。

主な環境に与える影響としては、温室効果ガスの排出、生態系の多様性の損失、水産資源の損です。


温室効果ガスの排出

世界的に裕福だとされている国々(主に先進国と呼ばれる国)においては、温室効果ガス排出量の4分の1が私たちの食品製造の過程が要因しているといわれ、そのうちの半分以上が食肉及び乳製品の生産が関係しているとのこと。
勿論運送の際の自動車の排出ガスなども関係がありますが、特に酪農や牧畜で飼われている動物の反芻(げっぷ)によって排出されるガスが占める割合が多い。

生態系の多様性の損失

実は現在世界で生産された大豆の85%が、動物の餌となって与えられています。アメリカとブラジルは大豆の生産量がトップの国々ですが、ブラジルではかつては自然豊かな熱帯林であった土地を切り開き、大豆畑にしてしまいました。
動物を育てる飼料を生産するために、豊かな生態系を犠牲にしてしまっているケースです。

水産資源の損失

牛を育てるのには、豚を育てる2倍の水を要します。そして豚を育てるためには、豆類を育てる4倍の水を要します。
豆類は良質な植物性たんぱく質源として知られていますが、同じたんぱく質を摂取するのであれば、豆類から摂取した方が水産資源を守ることができます。

以上のような理由からできるだけ植物性の食物から栄養素を補うことが推奨されています。動物倫理や健康のためだけでなく、環境保護の観点からヴィーガンやベジタリアンが1つのライフスタイルとして浮かび上がってくる理由がわかります。

といってもプラネタリー・ヘルシー・ダイエットでは動物由来の食品の摂取が含まれています。

毎日毎食肉や乳製品を摂取するのではなく、1日に1回や、数日に1回に摂取を少なくするだけで実現できる食生活です。

仮にですが地球上の人間みんながこのプラネタリー・ヘルシー・ダイエットの食事に変えた場合、温室効果ガスが世界で約60%削減できる推測だそうです。多い国では80%カットできます。

プラネタリー・ヘルシー・ダイエットを取り入れた1日の食事(日本版)を考えてみました。(海外の食材だと日本人にとってはあまりピンとこないなと思って)
ちなみにトータルエネルギー摂取量が、中程度の運動(1日30分~1時間)をする女性の1日のエネルギー摂取量、2000kcal前後になるよう計算しています。

朝食

全粒粉食パン6枚切り 1枚
(ピーナッツバターやフルーツジャムなどお好みで)
カフェオレ マグカップ1杯
キウイ 1個
グリーンサラダ(レタス、ミニトマト、きゅうり、玉ねぎ等) 小皿1皿
(ドレッシングはオリーブオイルと塩こしょう、バルサミコ酢などが理想)

昼食

ダルカレー(豆のカレー、無印良品で売ってます) 1皿分
玄米か白米 茶碗軽く1杯
ポテトサラダ 小鉢1杯
りんご 半分

夕食

秋鮭切り身 1切れ
玄米か白米 茶碗軽く1杯
ほうれん草のおひたし 小鉢1杯
たくあん、柴漬け、浅漬けなど 小鉢1杯
味噌汁(大根や人参など野菜) 1杯

間食

ナッツ 1掴み程度

やっぱり日本だとナッツを使ったお料理ってあまりないのでナッツをどう食生活に組み込むかが難しいかもしれません。
そのまま食べるのが好きな方は間食やサラダの上に砕いて散らすと手軽に摂取できるかな、と。

あとは豆類を使った料理を昼食か夕食にメインとして組み込むことでたんぱく質をしっかり摂取することができます。今回は無印良品のレトルトカレーでも販売されている、豆のカレーを昼食に組み込んでみました。



私もつい最近まで知らなかった施策ですが、動物由来の食品の摂取を緩やかに減らしていくだけで、地球の未来を大きく変えることができるかもしれません🌎

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