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多言語環境にいる子ども

僕の弟はアメリカで結婚してペルー出身の奥さんと一緒にペンシルベニアの森の奥で3人の男の子を育てている。その甥っ子たちは長男が16歳、次男15歳、三男が14歳で現地の一般の学校に通っている。その彼らの学校の成績がとても優秀らしく、長男が先日学年1位になり、下の2人もかなり成績が良い。と言って甥っ子自慢をするつもりではなく、その理由を書きたい。

僕自身は3人兄弟で、弟2人は勉強は嫌いで僕も真面目で成績は良かったけれど学年1位なんてとったことないし中学校受験で落ちたりで、そんなたいしたものではない。僕の両親やアメリカの弟の奥さんも若い頃に特別成績優秀だったという話も聞いてない。

それなのに甥っ子は3人とも全米優等生協会なるものに入っている。だからそれを最初に聞いた時、僕たち日本サイドの家族は、、、

「ほんまかいな」


と思ってしまった。甥っ子には失礼だけど、僕ら家族の遺伝子からそんな優秀な子供が育つなんてちょっと信じられなかったからだ。なので、当初は、、、

「周りのアメリカ人の子どもたち相当頭悪い説」


を考えたりもしてしまった。
信じてやれずにすまなかった!甥っ子よ〜!

先日、長男の甥っ子とオンラインで話している時に彼が行きたい大学に見学しに行くと言って挙げた大学名が、うそだろおいっ?!ってくらい世界トップクラスの有名校だったので、再び日本サイドでは、、、

「ほんまに、ほんまかいな」


とざわついた。学校の先生によると、このままいけば学力自体は問題ないらしい。ただし大学に入るには学力だけではなく、本人の人間性も評価されるのでそれまでの活動や実績が大事だということ。

甥っ子は以前から学校でいろんなクラブ活動、例えばロボットプログラミングや放送部(自分で立ち上げた)、水泳やサッカー、ブラスバンドで複数の楽器担当、優等生協会での様々なボランティア活動などをやっている。以前に本人が「こういう活動が大学に入る時の実績にもなるから」みたいなことを言っていたので、かなり前から将来のことを考えて行動してきたのかもしれない。へえ〜賢いヤツだなあ〜とその時思った。下の甥っ子2人もその影響か、いろいろと活動している。

頭の良さに関して、家族の遺伝子とは関係なく突然変異的にそういう子供が生まれるケースがあると聞いたことがある。でも甥っ子は3人ともに頭がいいのでそれは考えられない。

何か別の理由があるはずだ。


弟の奥さんは教育熱心な方だと思うが特別って訳ではないと思うし、弟も子どもの成績にいちいち口を挟んでいる訳でもなさそうだ。甥っ子本人たちも毎日努力して勉強している様子も見られない。長男だけは読書が好き、くらいだろうか。いろいろ考えた末、一つだけ思い当たることがあった。

彼らは「多言語」の環境で育っている。


甥っ子たちはアメリカで生まれて、数年後に日本に移住して幼稚園、小学校高学年まで過ごし、再びアメリカに戻った。今でも夏休みは日本に戻ってきたりしている。

生まれてからずっと弟の奥さんとは英語で、弟とは日本語でしゃべっている。日本に来てから日本語を覚えてアメリカに戻り、今では英語の方が得意だが日本語も忘れていない(一番下の子はだいぶ忘れてしまってるようだけど)。それに加えて、弟の奥さんはペルー出身なので彼女の母親や他の親族とはスペイン語で喋るため、甥っ子たちはスペイン語も大体理解できると言っていた。

弟夫婦は多言語教育をしようと思ってたわけではなく、アメリカに戻ったのも経済的な理由だ。つまり、、、

自然に「3ヶ国語教育」になっていたのだ。


多言語の習得は脳にいいらしいと聞くが、まあ普通に考えてそうだろうと思う。子どもの脳はスポンジのように何でも吸収するから、そこに3ヶ国語も入ってくればその処理をするために脳は通常より活性化せざる負えないだろう。

脳の処理速度が上がり、目の前にある様々なタスクを周りの子どもよりも楽にこなしたり、いろいろなことを活動的にできるようになったのではないだろうか。

専門家の人に意見聞いたら全然違うことを言うかもしれないし、あくまで僕の素人見解に過ぎないけど、多言語という特異な環境は甥っ子たちの脳に何らかの影響を与えているはずだ。それに多言語なら各々の文化にも親しみを感じ、人格形成にも影響してくると思う。

ただし頭がいいからと言ってその子どもが他よりも素晴らしい大人になる!とか幸せな人生を送れる!なんてことは全然思わない。

人生がどうなるかはその後の生き方次第だと思う。


甥っ子たちはまだ10代なのでこれからどうなっていくか分からないけれど、彼らが偶然与えられた能力と環境を大いに生かして、将来は周りの人々の「脳」を刺激してくれるようなユニークな大人に成長してくれたら嬉しいな、と勝手に期待している。


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