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本好きが高じて、司書教諭免許を取りました!②

 前回の続きですが、この夏も休暇中や移動中、本を読んでいました。今年度の読書感想文コンクールの課題図書も全部読みました。毎年のことながら、いい本が選ばれています。個人的には、ため息の種類をクラスの仲間と集める『みんなのためいき図鑑』、社会問題とも関わっている『ぼくの弱虫をなおすには』がお気に入りです。

 さて、本が大好きな私は、学校図書館を舞台に色々挑戦してきました。その続きです。

6,図書館を心地よい居場所に

(1)   図書ボランティアを組織したい
 現在のところ、本県の小中学校に学校司書が配置されている学校は少なく、どうしても一部の教員に仕事がのしかかっています。私も同じ立場でした。そこで、PTAに呼びかけて、図書ボランティアを募集しました。「本の修繕」「図書館の飾り付け」「子どもたちへの本の読み聞かせ」等々です。すると、有難いことに数人の方が手を挙げてくださり、活動が始まりました。
 活動は、2時間ほどで、必ず、休憩時間に、かかるように設定しました。すると、子どもたちと保護者の関わりが生まれてきました。図書委員との交流、お気に入りの本を探す子の手伝い、図書館に来た子とのおしゃべりなどなどです。PTAの方も楽しみながらボランティア活動が続けられました。
 軌道に乗ってくると、本の登録やカバー掛けなど、相談しながらお任せすることが増え、自分一人で学校図書館を運営しているという孤独感から、一緒にやっている一体感へと意識が変わり、本当に楽になりました。

(2)たくさん、いい本が買いたい
 図書館に来る子が増えても、読みたい本がないと、やっぱり悲しい。また、子どもが読みたい本と親が読ませたい本、先生方が図書館において欲しい本も違う。
 そこで、年度初めに取引先の書店に、図書をミカン箱20冊分くらい学校に一週間おいてもらって、図書委員、先生方、図書ボランティアの方々に、10万円分ずつの購入希望を取り、購入することにしました。
 すると、自分が選んだ本を買ってもらえるということで、選書にも熱が入りました。そして、夏休み明けに図書館に配架すると、みんな大喜び、してやったりです。

7,同僚にもオススメの本を紹介

また、職場にも、同僚の先生にも読んでもらえたらいいなと思う本「オススメの本」を100冊ほど、職員室の棚に置かせてもらっています。時々、
「この本、借りますね。」
「週末に読んだらおもしろかったです。」
「買って読みたいなと思った本があったので、読めてよかったです。」
などと感想を教えてくれる同僚もいて嬉しくなります。本を読むことで世界が広がる楽しさを味わえてもらえたら職場も楽しくなります。なかには、自分の本を持参して本棚に入れてくれる同僚もいます。
 実は、昔、同じ学校の事務職員の方が、
「先生、この本、よかったら読まない。」
と紙袋に入った本を下さったことが始まりでした。自分で買う本はどうしても、ジャンルが偏りがちですが、その方からいただいた本は、ジャンルが違いました。でも、読んでみるとおもしろかったのです。いわゆる読まず嫌いだったのが私でした。

8,図書館だよりの定期発行

 学校図書館担当時代、続けていたのは、月一回の図書館だよりの発行でした。春の図書館開きに始まり、オススメの本紹介、夏休みの読書感想文の書き方サポート、図書委員会の季節ごとのイベント紹介、図書ボランティアの活動や移動図書館車の紹介、半期ごとの多読者表彰、とても楽しかったです。図書委員の子たちと相談しながら発行しました。
 家庭にも図書館情報を発信することで、家族で本について話してもらえたらうれしい。そんな気持ちでした。

9,県からの推薦でマニュアル作成委員になる

完成したマニュアル

 ある日、校長先生に呼ばれ、
「今度、マニュアル作成委員になって欲しいそうだ。やってみたら。」
と言われた。県が作成する「学校図書館活性化マニュアル」の作成委員の就任要請だった。県内から7名の先生が集められ68ページに及ぶ冊子を作成した。
「もっと子どもたちが集まる図書館にしたい」をテーマに作られたこの冊子の中に、今まで自分が取り組んできたことを書かせていただいた。自分勝手に取り組んでいた校内での学校図書館活動でしたが、誰かが、私を推薦して下さったのかと思うと大変嬉しかった。また、県内で様々な活動をされている先生方との情報交換も有難かった。

10,今、企んでいること

 読んでも、読んでも、次々と素敵な本が出版される。また、本という形でなくデジタル空間での読書も当たり前の時代となっている。今までの学校図書館の概念を覆すような学校図書館を作りたいと思う。
 電子書籍が自由に読めたり、デジタル図鑑を活用できたり、世界中の図書館とネットワークで繋げたり、もうすでに始まっているサービスもあるけれど、学校図書館に導入できたらと思う。「情報センター」「読書センター」「学習センター」としての学校図書館に今後も関わっていきたい。
                       
 今回、2回に分けて、学校図書館活動を振り返った。改めて、もっともっとやりたいなと思うことがあった。子どもたちやPTA、そして、地域の方々と一緒に活動をすることで、みんながHAPPYな気持ちになる学校図書館を創りたいと思う。

                            大賀重樹

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