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読者が好きなものを書く〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。

今回は「読者が好きなものを書く」です。


自分が好きなものばかり書いていないか

書き始めのころは特に、読者のことなど考えていられません。

書くのに精一杯だからです。

ですから、ついつい書いているものは「自分が好きなもの」になりがちです。

気づけば、自分が好きなテーマ、好きなストーリー、好きなキャラばかりを書いていたりします。

もし、それが受け入れられているなら、とても素晴らしいことです。

ですが、そうでもないなら、そろそろ「自分が好きなもの」ではなく、「読者が好きなもの」を書くことに挑戦する頃合いです。

ちょっときつい言い方をすれば「いつまで自分が好きなものばかり書いているつもり?」ということです。


読者が好きなもの

では、読者が好きなものとはどういうものでしょうか?

出版しているなら簡単です。

自分のいるジャンルで売れている作品のことです。

わからなければランキングを見ればいいでしょう。

ネット小説でもランキングに入っている作品が読者が好きな作品です。

書籍化した作品でもいいですね。

まずはそういった作品を調べてみてください。

中身は読まなくていいです。

タイトルとあらすじだけ調べましょう。

調べたら表にでもして、ぼんやりと眺めてみてください。

似たような話がありませんか?

いくつか同じような話を見つけたら、それが読者が好きな話の構造であり、題材です。

その中で気になった作品があったら読んでみましょう。

好きじゃない作品もたくさんあると思いますが、「これはけっこう好きかも」と感じる作品もあると思います。

そういった「好きかも」と感じた作品を真似することが最初の一歩です。

「読者が好きなもの」を書くといっても、自分が本当に嫌いなものは書けません。

ですから、少しでも「悪くないかな」と思える作品を真似するのがコツです。


真似するときのコツ

真似するときは表面ではなく、話の構造を真似しましょう。

表面はむしろ変えるべきところです。

表面とは、

・主人公(who)
・舞台(where)
・時代(when)
・すること(what)
・理由(why)
・方法(how)

だと考えればいいです。

このうちのいくつかを変えてみてください。

構造を把握するには、あらすじから固有名詞(および特徴的な名詞)を外してみるといいです。

たとえば「王族の〇〇が〜」は「偉い人が〜」と変換すればいいですし、「辺境に左遷されて〜」は「低い地位に落とされて〜」と変換すればいいでしょう。

ちょっと難しい言葉でいえば「抽象化する(=情報量を落とす)」ということです。


読者とズレていることを認める

何作も発表してみて、自分の好きなものが読者に受け入れられないなら(読まれない、売れないなら)早々に諦めてください。

あなたは読者とズレています。

読者向けにチューニングしない限り、受け入れられることはありません。

そのことを早く認めましょう。

諦めるのは早ければ早いほどいいです。

出版している場合は、1作目が売れないなら読者とズレていると考えていいでしょう。

最初に出した作品に、その人の特性がだいたい出るからです。

ですから1作目が売れないなら、ズレを修正しない限り、今後も売れることはほぼありません。

自分が好きなものを貫いてもいいでしょうが、私自身は多くの読者に受け入れられるために自分を変えた方がいいと考えています。

自分を変えるには、一刻も早く諦めることが肝心です。

むしろ諦めてからが本当のスタートです。

自分と読者のズレを認めなければ、スタート地点にも立てずに終わることになるでしょう。


今回のまとめ

小説のちょっとしたコツ「読者が好きなものを書く」でした。

1.自分が好きなものばかり書いていないか
2.受け入れられないなら読者が好きなものを書いてみる
3.読者が好きなものは売れた作品であり、評判のいい作品
4.上手くいった作品を集めて、タイトルとあらすじを調べる
5.共通の構造が見つかったらそれを真似する
6.話の構造は真似て、表面は変える
7.一刻も早く自分と読者のズレを認める

こだわりのある人ほど、自分を変えることができません。

そのまま突き進むか、自分を変えるか、どちらが良いかは人それぞれですね。

それではまたくまー。


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