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上達する過程でつまづきがちなこと

崖っぷち作家のニジマルカです。

いままで小説が上手くなるためにいろいろなことをしてきました。

その中で、上手くなる過程でつまづきがちなことがあるとわかってきました。

今回は「上手くなる最中につまづきがちなこと」という話です。


つまづきがちなこと

上手くなっていくと、途中でいろんなことが起こります。

つまづきがちなことを2つほどご紹介しましょう。

1.同じ問題にぶつかる
2.伸び悩む

それぞれ見ていきます。


1.同じ問題にぶつかってうんざりする

上達していく過程で一番つらいのは、何度も同じ問題にぶつかることです。

同じ問題にぶつかるというのは、「三人称が上手く書けない」という問題があるとすれば、その問題をクリアしたはずなのに、しばらくするとまた「三人称が上手く書けない」という問題が浮上してくることです。

何度も同じ問題にぶつかると「またこの問題? もううんざり…」と思ってしまいます。

どうして何度も同じ問題にぶつかるのでしょうか?

これは、上達する過程を「山登り」だと考えるとすっきり理解できます。

説明していきましょう。


上達する過程は山登り

上達する過程は山登りです。

この山は険しすぎるので、直線的に頂上を目指すことはできません。

ぐるぐると山の周りを周りながら、らせん状に登っていくのです。

ぐるっと一回りするとどうなると思いますか?

あたりまえですが、同じ景色が見えてきます。

もう一周しても同じです。

山登りの過程では、何度も何度も同じ景色を見るのですね。


これが何度も同じ問題にぶつかる理由です。

上達していくと、必ず同じ問題に出くわすようになっているのです。

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何度も同じ景色が見えると、こう思いがちです。

「また同じ風景……ぜんぜん進んでない……」


でも、そうではないことはもうわかりましたよね。

実際には一周していますから、少しだけ上に登っているのです。

らせん状に周りながら少しずつ登っていくと、次第に視界は広くなり、遠くまで見えるようになっていきます。

これが上達です。

上達とは、部分だけでなく、全体を一望できるようになることを言います。


たとえば小説で言うと、最初は「単語」しか見えていません。

その状態では、「単語」の入れ替えしかできないのですね。

上達するごとに俯瞰できるようになり、視界が広がっていきます。

すると、次第に文が見えてきて、次に段落が見え、節が見え、章が見え、やがては全体を見ることができるようになります。

ここまで来て、ようやく小説を自由に操れるようになるのです。


ですから、同じ問題が出てきたら「やった! 一周したんだ!」と思いましょう。

同じ問題にぶつかることが上達の証なのです。


2.伸び悩んでうんざりする

練習すると、最初はどんどん上達していきます。

頭の中に何もないので、ちょっと練習するだけで、ぐんぐん上手になるのですね。


ですが、しばらくすると、急に上達が感じられなくなります。

それどころか、最初より実力が下がったように感じるでしょう。

新人賞などの結果も悪くなっていくはずです。

なぜそうなるのでしょうか?

これは上達の過程で必ず起こる現象なので、ちゃんと理解しておいた方がいいです。


頭には整理する時間が必要

なぜ伸び悩むかというと、頭の中が新しい知識でいっぱいになるからです。

頭を押入れだと考えるとわかりやすいでしょう。

知識は荷物です。

最初は押入れに隙間がいっぱいあるので、いくらでも荷物を入れることができます。

ですが、ある段階で押入れがいっぱいになります。

すると、もう新しい荷物が入らなくなるのですね。

ここで、一旦、上達が止まります。

押入れがいっぱいになったら、何をすればいいでしょうか?

もちろん整理です。

整理するためには、一度、押入れの中の荷物を出さなければなりません。

奥には古い荷物もたくさん入っています。

それらの荷物を押入れから出し、箱の中身を確認して、捨ててもいい荷物は捨てるなどして押入れにスペースを作らなければならないのです。

頭が知識でいっぱいになると、脳はこの作業を始めます。

整理しながら、同時に新しい知識もさばかなければなりません。

すると、脳はとても負荷の高い状態になるのです。


パソコンで言うと、バックグラウンドで重たい処理をしている状態ですね。

そうすると、使っているアプリケーションは必ず遅くなります。

これが実力が落ちたように感じる理由です。

頭が並行処理をしているので、そうなるのはあたりまえのことなのです。


上達は、だいたいこんな感じに進むと覚えておくといいでしょう。↓

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ですから、実力が下がったと感じたら、逆に喜ばなければなりません。

この状態が終わると、頭の中が整理され、上手く働くようになります。

つまり、実力が下がったあとは、必ずぐっと上達するのです。

この仕組みを知っていないと、「ぜんぜん上手くならない」「もう諦めよう」と思ってしまうことになります。

とてももったいないことなので、ちゃんと覚えておきましょう。

実力が下がったと感じたら、大きく上達する前触れなのです。


今回のまとめ

「上手くなる最中につまづきがちなこと」でした。

1.何度も同じ問題にぶつかる
  山登りだと考えると理解しやすい
  同じ問題にぶつかったということは上達した証拠
2.伸び悩む
  必ずそうなると知っておく
  上達する前兆なので、むしろ喜んだ方がいい

これらのことを知っておけば、不安なく進むことができるでしょう。

それではまたくまー。


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