新人賞に受賞したら準備すること(2)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「新人賞に受賞したら準備すること」の2回目です。
前回の記事はこちら。↓
受賞したら起こること
受賞から初めての作品を出版するまでの行程はこんな感じでした。↓
0.受賞前
1.受賞の連絡
2.担当さんとの顔合わせ
3.授賞式
4.改稿作業
5.イラストレーターさんの選定(イラストありなら)
6.タイトル決定、(必要なら)あらすじ作業
7.契約書の確認
8.原稿や表紙の最終確認
9.(頼まれたら)SS執筆
10.発売前告知
11.発売
今回は4改稿作業、5イラストレーターさんの選定です。
4.改稿作業
・おおまかなスケジュール
作業に入る前に、発売までのおおまかなスケジュールを聞かされると思います。
なんとなくの印象では半年以内に発売する感じでしょうか。
2〜3ヶ月掛けて原稿を修正しつつ、その他の作業を並行で進めて1〜2ヶ月くらいといったところだと思います。
初めての作業ですから、余裕を見て、早め早めに進めるべきです。
・改稿作業を進める
受賞作はほぼ改稿することになります。
改稿というのは原稿を全体的に修正することです。
担当さんがいろいろ指示してきますので、それに従って手直ししましょう。
すべての指示に従わなければならないわけではありませんが、最初は右も左もわからないでしょうから、素直に従っておけばいいです。
改稿しながら、適宜、推敲もしていきます。
・改稿作業は苦しいもの
改稿作業は苦しいものだと覚悟しておきましょう。
アマチュアのときは誰かの指示で原稿を直すことがないですから、作業に不慣れということもありますし、何度直しても担当さんからOKが出ないこともあります。
「これ終わるんだろうか……」と焦りや不安が湧いてくるはずです。
誰でも必ずそうなるので、自分だけではないと知っておくといいです。
同じころ、同期の作家仲間も苦しんでいるとわかれば、少しは気が楽になると思います。
また逆に、修正を続けてしまうということもよくありますね。
発売が近づくと不安になって、ついつい直してしまうのです。
どこかで作業を終わらせて次に進まなれければなりません。
締め切りが来るか、4,5回改稿した辺りで終わりにしましょう。
おかしなところが多少残っていても、読者は作者ほど気にしません。
・組版
原稿の完成が近づくと、どこかの時点で組版します。
組版とは最終的な形態に体裁を整えることです。
文庫なら文庫の形にするということですね。
その後の作業はPDFファイルなどでのやり取りになります。
PDFファイルにコメントで修正指示が来るので、コメントに返信する形でどう修正するか、あるいはそのままにするか、などを追加し、ファイルを送り返します。
(この辺りは出版社ごとに違うと思います)
・校正
原稿作業が終わったら、校正に出します。
出版社内に校正部門があるか、契約している外部の会社に出すことになりますが、作家側が気にする必要はありません。
校正が終わったらコメント付きの原稿が戻ってきますから、コメントに返信する形でどうするか決めます。
校正記号や指示のための文言などは知る必要はありません。
普通の文章で書けばいいだけです。
(出版社によっては必要かもしれませんが)
それと書き忘れていましたが、担当さんとの打ち合わせは電話以外にスカイプやLINEなどで行う場合もあります。
担当さんから指示があるので、アプリが必要ならインストールなどしておきましょう。
【準備しておくこと・やるべきこと・注意すること】
・打ち合わせに必要なアプリがあるならインストールする
(スカイプやLINEなど)
・原稿作業に必要なアプリがあるならインストールする
(Acrobat Readerなど)
・出版まで半年以内くらい
・初めての作業なので早め早めに進める
・改稿作業は誰でも辛いと知っておく
5.イラストレーターさんの選定
イラスト有りの小説なら、原稿がだいたい完成するころからイラストレーターさんの選定が始まります。
・イラストレーターさん選定
おそらく最初の作品では、担当さんがイラストレーターさんを決めてくれると思います。
その人がどうしても嫌なら別ですが、そうでもなければ、そのままお任せすればいいでしょう。
あるいは、何人かイラストレーター候補を挙げてくれる場合もあります。
その場合は絵を見て、オファーする順番を決めましょう。
検索すればその方の絵がすぐに見つかると思いますし、担当さんがその方のイラストが見られるサイトなどを書いてくれていると思います。
順番は好みで決めればいいですが、私の簡単な指標は「老若男女ちゃんと描ける」ことです。
特定のキャラクター(たとえば若い女性キャラなど)だけ上手く描けるという方もいらっしゃるようです。
できれば描き分けが出来て、かつ何か光るものがあるといいですね。
とはいえ、最近は上手い方が多いですし、イラストで売上が大幅に変わるわけでもないですから、それほど心配しなくて大丈夫です。
・決まるまで
イラストレーターさんが決まるまでにはけっこう時間がかかると思っておきましょう。
複数の人に同時にオファーを出すことはできないので、1人に出して返答を待ち、ダメだったら次の人に出すことになるからです。
「引き受けるけど作業は何ヶ月後になる」という場合もあります。
その場合は待つか、それとも断って次のイラストレーターさんにオファーを出すか決めなければなりません。
その辺りは担当さんと相談して決めましょう。
・作業と指定
典型的なライトノベルでは、以下のようなイラスト作業が発生します。
・キャラクターデザイン
・表紙
・カラー口絵(見開き2,3ページ)
・モノクロ挿絵(10枚程度)
イラストレーターさんが決まったら、キャラクターデザインから始まって、次に表紙、口絵、挿絵と作業を進めてもらいます。
あらかじめ原稿上でキャラの外見などは書いておきましょう。
瞳の色・目の形、髪の長さ・色・髪型、くらいを書いておくと、キャラ指定がやりやすくなります。
口絵は盛り上がるシーンとクライマックスシーンが多いと思います。
担当さんがキャラの外見指定や描いてもらうシーンなどを指定してくれるので、それでいいかどうか判断しましょう。
よくわからなければ、全部お任せすればいいです。
また、作家側でイラストレーターさんを指定できるかというと、指定することはできますが、担当さんが許可するかどうか、またオファーを受けてくれるかどうかはもちろんわかりません。
「どうしてもこの人に描いて欲しい」という要望があるなら、担当さんに言ってみるといいでしょう。
【準備しておくこと・やるべきこと・注意すること】
・事前にイラストレーターさんを知っておいてもいい
(イラストレーター年鑑などが重宝します)
・担当さんがイラストレーターさんを決めているならそれに従う
・候補がいるならオファー順を決める
・決まるまでには時間がかかると知っておく
・原稿にキャラの外見を書いておく
・キャラやシーンの指定が来たら、それでいいか判断する
・わからなければ担当さんにお任せする
今回のまとめ
「新人賞に受賞したら準備すること」2回目でした。
1.発売は半年以内、原稿作業は2〜3ヶ月くらい
2.改稿作業は誰でも苦しいと知っておく
3.原稿確認に必要なアプリはインストールしておく
4.原稿にキャラの外見を書いておく
5.イラストレーター候補がいるならオファー順を決める
6.キャラ指定、シーン指定が来たらそれでいいか判断する
7.イラストで売上はそれほど変わらない(上手いに越したことはない)
8.わからなければ担当さんにお任せする
次回は「新人賞に受賞したら準備すること」3回目です。↓
それではまたくまー。
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