見出し画像

レベル別攻略ポイントまとめ [中級者編]〜小説新人賞の攻略法(23)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「新人賞の攻略法」23回目。

今回は、レベル別攻略ポイントまとめ・中級者編です。

22回目はこちら。↓


はじめに

それぞれのレベルの状況はこんな感じを想定しています。↓

【初心者レベル】
・長編0〜2作
・新人賞に送ったことがない or 1次選考で落ちる

【中級者レベル】
・長編3〜5作
・2次選考で落ちる

【上級者レベル】
・長編6〜7作
・3次選考で落ちる


今回は中級者レベルです。


おおまかな状況

中級者レベルは、長編を書くのに慣れたくらいのレベルです。

1次選考で落ちることはほぼありません。

総合的に言って、読めるレベルのものを書けるようになっています。

2次選考を通れないのは、技術的な問題というより、書いている題材に問題があることが多いと思います。

エンタメジャンルを狙っているなら、暗すぎるもの、安易なバッドエンド、エログロに寄りすぎたものなどは避けた方がいいでしょう。

また、話を進めることに注力しすぎて、キャラがおろそかになっているかもしれません。

話とキャラの関係は、「そのキャラでなければ、その話にならない」ところまで詰めるといいです。

もしキャラを入れ替えても話が成立するなら、そこまで詰められていません。

このレベルのおすすめ戦略はこんな感じです。↓


文章

文章はそこそこのレベルになっていると思います。

それぞれの文の役割について、意識的になってくるころかもしれません。

小説の文章には、基本的に「描写」「説明」「セリフ」の3種類があります。

どれかに極端に偏らない方がいいです。

描写が多すぎると話が長くなり、説明が多すぎると退屈で、セリフが多すぎるとスカスカの印象になります。

一般的な小説では、描写>説明>セリフの順に少なくなるはずです。

エンタメでは、セリフが多くなってもいいでしょう。

作者はこの3種類の文章を使い、情報を提示していくことで、物語を展開していきます。

情報提示の理想は、読者が欲しい情報が、欲しいタイミングで、欲しい量だけ書いてあることです。

たとえばセリフがあり、「この人は誰なんだろう?」と読者が思うタイミングで人物の説明があり、「で、どこでしゃべってんの?」と感じるタイミングで室内の描写があるといったイメージです。

なかなか難しいですが、「情報提示の理想的な(最適な)状態がある」と知っておくといいと思います。

最近では、セリフで長々と説明しても問題ないことも多いです。

地の文をあまり読まない人が増えてきた印象なので、地の文に説明を書くより、セリフに入れてしまった方がいい場合もあります。


物語

読者が喜ばない展開になっていないか確認しましょう。

作家志望者はたくさん本を読んでいるので、ありきたりの展開を嫌う傾向があります。

話をひねりがちなのですね。

もちろん多少のひねりはあっていいのですが、定形から外しすぎても、読者は(編集者も)喜びません。

狙っているジャンルにもよりますが、基本はグッドエンドです。

その大きな枠の中で、予定調和になりすぎないように驚きを入れていくと考えればいいでしょう。

物語全体を手軽に盛り上げるには、中盤で「話の前提をひっくり返すような出来事」を起こすといいです。

たとえば刑事ものだったら、中盤で「実は犯人が同僚の中にいるとわかる」とか。

そういった出来事を起こすと、後半から話の方向性が変わり、吸引力が生まれます。


キャラ

話が作れるようになると、話の展開に都合のいいキャラを作ってしまいがちです。

ある程度は仕方がないのですが、そういったキャラばかりになると、話に緊張感や盛り上がりがなくなります。

キャラが想定どおりに動くからです。


緊張感は力が均衡することで生まれ、盛り上がりは力が衝突することで起こります。

キャラは一人ひとり方向性(動機)を持っていますが、その方向が全員揃ってしまうと話が停滞しがちです。

力の均衡や衝突が不足するからですね。

今ひとつ盛り上がりや緊張感が生まれないなら、キャラの動機をもう一度確認してみましょう。

方向性がだいたい同じになる仲間や友人といったキャラでも、思いはそれぞれ違うので、決定的な場面では決断が異なるものです。

そういった場面では積極的に衝突させ、波乱を起こしてみましょう。

方向性の違う力がぶつかればぶつかるほど、話はダイナミックになっていきます。


アイデア・設定

中級レベルのアイデアは、アイデアと呼べるほどのものではないかもしれません。

おそらく市場を見ていないので、良いアイデアと悪いアイデアの違いもわからないのではないかと思います。

ですから、出しているアイデアも「自分が面白いと思うアイデア」であり、「読者や編集者が好むアイデア」ではありません。

ひとまず、そのことをわかった方がいいです。


できれば、そろそろ市場を意識してみましょう。

手始めに何かのランキングを見て、狙っているジャンルで何がウケているのか確かめてみるといいです。

使えそうなランキングには

・オリコンランキング
・ツヤタランキング
・hontoランキング

などがあります。

最初は眺めているだけでいいです。

そのうち、なんとなくの傾向が掴めてきます。

コツは「否定しない」ことです。

売れているのは間違いないことなので、「こんなのつまらない」とか「全然おもしろくない」などと否定せず、「どうして売れているのか?」「なぜウケているんだろう?」と前向きに考えてみるといいでしょう。


おわりに

新人賞の攻略法23回目「レベル別攻略ポイントまとめ・中級者編」でした。

次回は「レベル別攻略ポイントまとめ ・上級者編」です。↓

それではまたくまー。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?