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世界はもっと美しくなる =ロクリン社=

奈良少年刑務所の受刑者の詩集の二冊目。

一冊目はこちら ↓

*「あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室」


筆者は、乞われて少年刑務所で詩の授業をはじめたところ、

「彼からが加害者である前に被害者であった」と刑務所の先生方が言う意味を身をもって実感していきます。


殆どの子は

いじめを受けてきたり、貧困の中で育児放棄をされてきた子。

逆に、過度の期待を受け、心が壊れてしまった子。


どの子も

誰か親身に支えてくれる大人がそばにいたら、

きちんと教育を受けられる機会があれば、

と胸が痛みます。


子どもたちの詩は、ほとんどが

自分の体験から来ているものばかり。


その中で、痛みや恨みもありながら

その底に愛ややさしさが隠れています。


詩を書くまでに時間がかかる子たちもいて、

その子たちをそっと見守り「待つ」先生の助言や

その待った先に

「はっ!」とするような詩を書いてくる子もいて、

改めて「待つ」大切さを確認できます。


無くても良かったかな、と私が思ったのは、

筆者が詩に講評を付けていること。


その子の人となりや背景、教室の雰囲気などをより伝えるために

付け加えたのかと思うけれど、

「詩」は体験するもので

そのまま読んで、自分の心と対話したいな、と

個人的に感じました。


*「世界ははもっと美しくなる」


似たような取り組みは、世界各地で行われているようで、

何年か前に読んだアメリカの刑務所内での「読書会」も非常に感慨深いです。

こちらもおススメ

*プリズン・ブック・クラブ (キンドル版)






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