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子宮内膜症の治療体験記⑬〜手術翌日の闘いと入院生活〜

痛み、喉の渇き、痒みと闘い、脚の痒みを麻痺させるために冷やしたため寒さで寝られないまま手術翌日の朝を迎える。
手術前日は数時間の睡眠かつ術後は丸1日寝ていない。朝6時頃、少し早いが水分摂取の許可が出る。水が飲める!こんな当たり前なことに喜びを感じる朝。当たり前なことを当たり前にできることに感謝。
朝食、お粥でおいしそう、お腹はすいている、一口二口で完了。相変わらず痛みで食べられず。なんなら胃痛もある。

麻酔科の医師が様子見で来てくれる。術後どうか聞いてくれたため、脚の痒みを伝えると、機械で蒸れてアレルギー反応かもしれないからアレルギーの薬を昨日は点滴に投与してもらえなかったのかと聞かれる。投与されず原始的な方法だったことを伝えると、謝罪してくれた。今からでもアレルギーの薬を投与するかと言ってくれるが、痒みのピークは過ぎており私には計画があったので、お礼を言いつつ大丈夫と伝えた。内心は、昨日、アレルギーの薬を投与して欲しかったと思った。

さて、手術翌日から課題が課せられていた。病棟内を1日で10周歩くこと。この課題をクリアすることで、脚の機械が外される。寝たきりになり、エコノミー症候群にならないためだ。
まず歩くか、睡眠取るか迷ったが、看護師の方に歩くことを勧められ、体を支えられながら、点滴台を押し、2周くらい歩く。残りは自分で行うため、まずは数時間寝て、お昼ご飯。やはりさほど食べられず。
午後から絶対に10周して機械を外し、痒みから解放される!と意を決す。
痛みと睡眠不足を抱えながら、点滴台を押しながら、とにかくゆっくりだが歩く。何回かに分けて休憩しながらひたすら歩く。逆に点滴台があると痛みのある体が補助されるので助かる。残り3周!
夜ご飯の時間。やはりさほど食べられない。手術翌日そりゃそうだ!
夜ご飯後にあとに意地でもひたすら歩き課題クリア!そして、脚の機械が外された!痒みからも解放された!我ながらやりきった!相変わらず、痛みとの闘いはあったが、手術翌日の夜にようやくぐっすり寝られた。

入院4日目、術後3日目を迎える。
ようやく少しずつだがご飯も食べられるようになった。痛み止めもかなり効いている。
さて、また課題があった。シャワーの時間。痛みで動きが緩慢かつ手術後に退院して心機一転とどうせ切るならドネーション予定だったので、入院中はかなり髪が長かったので、洗うのも乾かすのもとにかく大変だった。
ある看護師の方は乾かすことを手伝うと言ってくれ、別の看護師の方は退院後も痛みありながら自分で行わないといけないから今のうちに自分でやっておく方が良いと言われた。挫けそうになった。でも、負けるかとなんとか髪を乾かした。シャワーも一苦労だ。

主治医から明日、退院との知らせを受けた。そして、退院前日の夜、診察があり、手術映像を流しながら説明された。
チョコレート嚢胞は摘出され左側の卵巣がこんなに小さくなってしまった、予想以上に癒着していたからこんなにも腰痛や骨盤痛になってたんだな、小さく細かい子宮内膜の病変は切除しきれていないらしい、ということは頭に入ったが、その他は映像の衝撃から説明が入ってこなかった。

この日の夜、術後の痛みと共に様々な感情になった。きっと痛みからは解放されるのだろう、この選択で本当に良かったのか、妊娠を望んでいても不妊率上げたことになるため先はまったく明るく思えなかった。命あるだけ良いと自分に言い聞かせた。この複雑な思いを誰にも話せなかった。

ここで学んだことは、当たり前が当たり前ではないから感謝する気持ちが大事、窮地に追い込まれるとなぜか意地で底力が出る、睡眠の大切さと同時に寝てなくても底力で動ける時もある、医師や看護師さんの当たり前が患者にとっては非日常、優しい方がほとんどの中だとそうでない方が目立つ、何気ない他愛ない会話をしてくれる看護師さんに気持ちが救われる、手術映像を見ることは辛いけど必要な情報、衝撃が走ると案外頭に入ってこないこと。
自分って小さくて弱い。でも、弱さを知っているからこそ強いとも今となっては思う。

さて、次は退院後の経過です。また投稿します。





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