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選挙エンタメ小説「うちの親、出馬するらしい」今だけ無料

いよいよ都知事選の投開票ということで、便乗する形で選挙エンタメ小説「うちの親、出馬するらしい」を月曜夕方まで無料キャンペーンしております。

なんか去年だか一昨年もやった気がしますけど、まあいいや。
個人的には色々悩みながら書いた作品ということで思い入れがあります。
選挙をエンタメ化する場合「当選落選」という明確な勝敗があるんですよ。スポーツと同じなんですが、一発勝負のみなんですよね。1期4年とか6年ですし、スポーツみたいに勝って負けてを繰り返すドラマは難しいんです。で、結果は投開票日にしか見えない。過程での有利不利はメディア頼りで地方選挙ではそれさえないことが多い。なんで過程が盛り上げにくいんです。
世の中にあるいくつかの先行作品を見る感じだと、ここにワンイシュー(明確な争点)を盛り込んで、有権者を巻き込んで市民運動的な盛り上げ方をしてる作品は多いんですよ。再開発とか福祉とかで主人公がライバルと舌戦を繰り広げるなり、その地道な取り組みで市民の支持を集めるような王道な展開で動かしていくパターンですね。まあ、定番か。
確かにそれはエンタメとしては鉄板なんですが、正直、私の知る地方選挙の面白さとは違うんですよね。演説も争点も公約もうまく噛み合わず、悪い候補者なんて1人もいなくて、支持が可視化されるわけでもなく、開票結果までよくわからない。それに、どちらかというと選挙の主役は候補じゃなくて、神輿を担ぐ後援会の人たちだったり、その家族なんですよ。変なテンションと徒労感の狭間で、彼らが祈るように開票速報を見守るのがメインイベントだろうと。1週間とか1ヶ月とかみんなが頑張った結果の発表会ですしね。
だから、後援会や身内視点で結末の読めない物語として投開票を楽しんでもらいたいと思いました。そこから逆算して候補者の子どもたちを主役にして、対決する3陣営みんな主役、という。それぞれの視点で物語を進めつつ、他陣営視点からの描写を加えてリアリティを出したかった。その辺は伊坂幸太郎の「グラスホッパー」じゃないけど、誰が勝つのか楽しみながら読んでもらえたらいいな、と。
そんな感じでポップで軽く短めの長編ですが、書く方は結構悩まされた。そういう作品です。
興味のある方は是非是非。

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