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2045年の会社案内を作りました。

こんにちは、日本ユニスト経営企画室の中田です。
当社は先日、2045年の会社案内を作成するための会議「ビジョン設定会議」を行いました。

「今から20年以上先の会社のことなんてわからないのでは?」
「突飛だな」

そう思われる方も少なくないでしょう。ですが、色々なねらいや意図を踏まえた上で、この会議を実行することになったのです。

なぜこの会議を行うことになったのか、どうやって内容を決めていったのか、そして結果的にどんな成果物が生まれたのかを、このnoteでは明かしていきます。

会議後の集合写真

2045年の会社案内を作る会議ってどんなの?

どんな会議か一言で言うと、「未来について話し合う会議」です。

議題は「これから未来に向けて社会が変化をする中で、自分たちが何をすべきか/したいか」
外部講師である未来予報株式会社の指導のもと、25年先の未来に会社としてどんなことをしていたいのか、ビジョンの前提となる”ありたい未来”を2日間かけてメンバーと具現化していきました。

今回は、バックキャスティングという戦略策定の方法を取りました。
これは、最初に目標とする未来像を描き、次にその未来像を実現するための道筋を、未来から現在へ遡って書き出す手法のことです。

会議のスコープ

最終的な成果物として、構想内容を振り返れるように「2045年の会社案内資料」を未来予報株式会社の方でまとめていただきました。

なぜこの会議を行ったのか

理由は大きく2つあります。

1つは、ビジョンの解像度を中・長期的に上げていくため
会社が成長し続けるためには自社の強みを生かして、外部環境や新たなテクノロジーも念頭に置いた上で、よりクリアなビジョンを打ち出す必要があると考えました。

2つ目は、当社が主力としている不動産事業の高度化が必要となったから。創業以来、様々な建物種別や用途の物件を取り扱ってきましたが、ニーズの多様化により、事業領域を絞った方がさらに付加価値の高い不動産をお客様に提供できると考えてのことです。

会議に参加した社長含め5人のメンバーの間では、「『この事業なら応援したい、一緒に取り組みたい』と自然に思ってもらえるようなビジョンを創造しよう」と認識を合わせた上で、会議に臨みました。

未来を予報した資料をもとに、事前準備

「ビジョン設定会議」という壮大な名前がついていたので、最初に参加を打診された際は内心、何をするのかわからず不安でビビっていました…。

会議の1週間前にオリエンテーションが開かれ、役員から会議の概要について説明を受けました。そこで事前資料として渡されたのが、未来予報社が作成した「イノベーションリサーチレポート」と「兆しマップ」。

兆しマップ

・イノベーションリサーチレポート:「不動産」や「不動産業界」の定義/印象を柔軟にするために3つの視点(1. 海外における不動産業界の変化「PropTech最前線」、2. 2030年に現れる新たな街のニーズ、3. 今まで見聞きしたことない新たな街のコンセプト)で、事例をピックアップしたもの

・兆しマップ:行政の白書やシンクタンクが発行する予測を、社会や技術の変化としてマッピングし、暮らしの変化もまとめたもの。「未来の年表の土台」となる資料

VG社より

詳細は割愛しますが、イノベーションリサーチレポートでは、「不動産でなく可動産」「全長170kmの未来都市」「3Dプリンタで街開発」などの、将来予測される不動産業界の未来が掲載されていました。

「兆しマップ」は2020年、2025年、2030年、2045年、それぞれの段階でどんな社会変化があり、どんな技術目標が立てられているのか、未来予報社の仮説と合わせて一覧で見れて、情報の整理がしやすかったです。

いよいよビジョン設定会議当日

いざ会議の日。1泊2日で合宿形式で行うため、会議室と宿泊施設が一体としなっている研修施設を利用しました。

<当日のスケジュール>

1日目はインプットがメインのワーク、
2日目はインプットしたものに対しての意見交換や、アイデアの共有などアウトプットがメインのワークを行いました。

1日目:未来に向けて事業アイデアを出す

「未来に頭を持って行ってください」

これは、会議の最初に未来予報社の方から言われた言葉です。
「どういうこと??」と思考停止しかけましたが、状況を読み取ったのか丁寧に説明してくださいました。

簡単に言えば、兆しマップに書いてある世界線に将来なるとしたら、どんなことができるか、どんなことをしたいか考えるということです。
未来の状態を考えていくには、「what if=もし~ならば」と仮定し、想像力豊かに思考を広げることが必要だ、とのことでした。

ミニワーク中のホワイトボード

事前オリエンテーションで紹介された事例をもとに、自分だったら未来に向けてどんなアイデアを考えるか、参加者全員で互いに発表するミニワークも行いました。

かなりの数のアイデアが出て、未来予報社の方からも「皆さんアイデアマンですね」とお褒めの言葉をいただきました。そして、似たようなものをグルーピングしたり、詳細のイメージを共有したりすることで、4つの共通ポイントを見出しました。

  1. 新技術によるビジネス開発

  2. 新価値基準で生むビジネス機会

  3. コンセプチュアル・プレイス

  4. 新経済圏をつくる

これを2日目で、事業アイデアの素材にしていきます。

未来像のアイデア出し

2日目:2045年に実現していたい実績を考える

2日目は、「2045年に実現していたい実績」を考え出しました。

まず、「2045年に実現していたい実績」のアイデアを、1人10個考案。
そのアイデアに対して、1日目のワークで生みだした4つの視点(1.新技術によるビジネス開発、2.新価値基準で生むビジネス機会、3.コンセプチュアル・プレイス、4.新経済圏をつくる)を掛け合わせることで、より具体的な事業内容へとイメージを膨らませていきました。

このワークでは、付箋に文言を書き込むだけではなく、イラストも添えるように指示がありました。普段なかなか絵を描く機会なんてないので、絵でアイデアを表現するのは難しかったですが、他の人のアイデアがパッと見で頭に入りやすくなりましたね。

続いて、みんなから出てきたアイデアを「KJ法」で分類していきます。
KJ法とは、似たジャンルのアイデアをグループごとに分類し、図解する思考法のこと。

海外、多拠点、メタバース、教育、自動化・・・。
バラバラに見えていたたくさんのアイデアも、グループ分けをすることで、整理されていきました。

KJ法でグルーピングしたアイデアたち

1日目から2日目の午前中にかけては、アイデア出しなどを行い、議論を広げてきましたが、2日目午後からは議論の収束へ。
KJ法でグループ分けしたアイデアのジャンルが相互にどう関係しているか、数あるジャンルの中でどれが重要なのかという軸で見ていき、3つのジャンルを選びました。

その後、3つのジャンルそれぞれにチーム分けをし、各チームで2045年の実績を具体化して言語化する作業へと移ります。

最終ゴールは、わかりやすいストーリーを描くこと。
23年後にはどんな社員がいるのか、どんなきっかけで実績となるプロジェクトが始まり、成功を収めるのか。細部にわたり考え抜いて、ストーリーを仕上げていきました。

最後は、現在から2045年までをつなげる年表を作成。
一見飛躍したアイデアも、現在の事業と地続きにすることで関連性を持たせるように心がけました。会議の序盤で何気なく出したアイデアが歴史年表のように形作られていく様子は、見ていて感慨深くなりました。

現在~2045年までアイデアつなぎこみの様子

出来上がった2045年の会社案内は・・・

完成した年表をもとに、未来予報社に会社案内を作成していただきました。

事業紹介のページでは、プロジェクトストーリーとして3つの新規事業について説明されています。

1つがウェルビーイング事業
現在、世界遺産・熊野古道で行っている宿泊事業を発展させ、心身の健康状態はもちろん、生き方や自分を見つめ直す場として、世界的に注目されるスポットとなっている設定です。

2つ目は、空き家を活用した不動産事業
3Dスキャナーやメタバース、AIなどを駆使することで、現在よりもさらに高度な土地や建物の活用が実現している未来を描いています。

そして最後、3つ目の事業は教育支援事業
先の2つは現在の事業を膨らませたものですが、これは全くの新規事業です。子どもたちに不動産運用を教えることで、地域の活性化につなげるだけでなく、大きなスケールで地域の未来を考えられるリーダーを育てることにも寄与すると考えました

未来の会社沿革には、海外拠点の開設やM&Aなど、こうなっていたらいいなという会社の道のりが描かれています。

(会議後の2週間はさらに先へ進み、未来像実現のための道筋と、未来のために取るべきアクションと現在をつなぐためには何をすべきか考え、ビジョン設定と計画策定も行いました)

ビジョン設定会議を終えて

普段とは異なる頭の使い方をしたので、その分エネルギーを使いましたが、22年後の会社のことをイメージするという、貴重な取り組みに参加できたのは良い経験となりました。未来のことを想像したり、アイデアを深く考えたりすることは思った以上に楽しく、ワクワクする時間でした。

今回の成果物が良いものかどうかは、正直なところ、実際にその時が来ないとわかりません。
ですが、この会社案内や製作するまでに行った議論などは、やっていることを見失いそうになったり、立ち止まりそうになったときに、進むべき方向を見直すため、地図やコンパスのように使いたいと考えています。

「この成果物をみんなで作ったことに満足するのではなく、自分たちがどんな未来を創っていくかが一番重要です」
会議の冒頭に未来予報社の方に言われたこの言葉も、忘れずにいたいと思います。

最後に、会議の中で最も印象に残った言葉を。
Fake it, till you make it. (うまくいくまでは,うまくいっているフリをしよう)


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